姿勢保持はゴルフスィングの基本(ゴルフ以外のスポーツでも基本)

前回のnoteで、ゴルフスィングにおいて腰痛がでてくる要因として、次の3つ挙げました。

・姿勢が悪い(体幹の安定性が悪い)
・骨盤回旋が悪い(骨盤の可動性が悪い)
・胸椎回旋が悪い(胸椎の可動性が悪い)

この中から、今回は”姿勢の安定性”から確認していきましょう。正しいアドレス姿勢を保つことができなければ、正しいスィング動作を体現することは難しくなります。正しいアドレス姿勢をとるために必要な要素は以下の3つになります。

・骨盤の前傾
・お腹の筋肉(腹筋群)の活用
・お尻の筋肉(臀筋群)の活用

自分のアドレス時の姿勢を確認する

では、皆さん、実際にクラブを構えてアドレスをとってみましょう。骨盤で前傾角度を調整し、上半身はまっすぐに保つのが正しい姿勢の作り方ですよね。つまり、股関節を動かして上半身の角度を調整し、背筋(背骨)はきれいにまっすぐの伸びた状態のはずです。ちなみに、TPIの統計データによると、アマチュアゴルファー(総計:19,051名)のうち、約40%のゴルファーは正しい位置でアドレス時の姿勢をキープできていなかったそうです。皆さんは、どうですか?正しいアドレス姿勢ではなく、こんな姿勢になっていたりしませんか?

① 股関節(骨盤)で角度を調整できず、背中が丸まってしまっている。
② お腹やお尻の緊張感がなく、必要以上に腰(腰椎)が反ってしまっている。

①のケースは骨盤(股関節)の可動性の問題です。骨盤で角度調整ができるようにトレーニングする必要があります。②のケースは腹筋群(お腹の筋肉)と臀筋群(お尻の筋肉)の弱体化していて腰椎を保持できないのが原因です。弱っている筋肉を強化する必要があります。それでは、それぞれのケースを改善するためのエクササイズをご紹介します。

骨盤の角度調整を練習するエクササイズ

アドレス時に骨盤で前傾角度を作れない場合、背中が丸くなってしまいスィングの回旋動作がスムーズに行えません。また、無理に回旋させようとすると当然、背骨(特に腰椎)にストレスがかかってしまい腰痛の原因となります。骨盤の角度調整を練習するため、2種類のエクササイズをご紹介します。

・キャット&ドッグ
スタートポジション:両手/両ひざで四つ這いの姿勢をとる。
ドッグポジション:骨盤を前傾させて(四つ這いなので、骨盤を下に押し下げるイメージ)、背中を反らせる。
キャットポジション:骨盤を後傾させて(四つ這いなので、骨盤を上に押し上げるイメージ)、背中を丸める。
この動作を交互に行い、骨盤の傾きをコントロールする練習をする。
※注意点:
胸や肩周辺を動かすことで、背中を反らせたり、丸めたりするのはNG。
腰から骨盤にかけた部分が動くことで、結果、背中が反ったり丸まったりする。

・グッドモーニング
立位で行う。
スタートポジション:足を腰幅程度に開き、つま先は正面を向くようにセットする。両腕は胸の前で交差させる。
エンドポジション:股関節を曲げることにより、骨盤を前傾させる。お尻を後方にスライドさせるようなイメージ。
※注意点:
股関節の動作で骨盤の前傾をコントロールするようにする。背中は丸めない。

腰椎/骨盤周辺筋肉を強化するためのエクササイズ

骨盤の角度調整の動きができるようになったら、体幹部分は、常にニュートラルなポジション(背中が反ったり丸くなったりしないように)を保たなくてはいけません。そうするために、周辺筋肉が姿勢を保持できるように強化していきます。お腹の筋肉(腹筋群)とお尻の筋肉(臀筋群)が弱いと背骨が必要以上に反ってしまいがちです。そのため、背骨にストレスがかかり、腰痛の原因となります。お腹の筋肉(腹筋群)を強化する2種類のエクササイズとお尻の筋肉(臀筋群)を強化するエクササイズをご紹介します。

・スタビライザー(腹筋の強化)
スタートポジション:うつ伏せになり、肘が肩の真下に来るように位置をとる。
エンドポジション:肘とつま先で姿勢をまっすぐ保つ。(30秒~1分程度保持。)
※注意点:横から見て、お尻の位置が上にあがったり、腰が反ってお腹が下に落ちたりしないように。

画像:スタビライザー

・二―タック
スタートポジション:仰向けになり、両腕を交差し手を肩に置く。膝を曲げ、踵をお尻の近くにセットする。
エンドポジション:膝を抱え込んでくるように、肘の方に持ち上げてくる。踵はお尻の近くから離れないようにする。
※注意点:骨盤から下腹部をコントロールするように、頭が床から離れてしまうのはNG。

・ヒップリフト
スタートポジション:仰向けになり、膝を曲げた状態で足を置く。両手は空中にあげておく。
エンドポジション:お尻の筋肉をイメージし、ブリッジのようにお尻を床から持ち上げる。運動強度を強くしたい場合は、片足で同じ動作を実施する。
注意点:腰を反らせるような動きはNG。あくまでもお尻を意識。

各エクササイズ、10~15回、エクササイズ間は60秒のインターバルをあけて実施してみてください。正しいアドレス姿勢が、簡単に作れるようになります。

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