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研磨作業の流れと使っているもの

原型&モールドがすごくツルピカであれば、研磨はほとんどいらないケースが多いです。片面モールドなら特に。

ただし両面モールドで注型した場合、どうしたってパーティングラインという、バリつきの盛り上がった線ができてしまいます。

両面モールドで制作すると、どんなに原型が傷一つない鏡面仕上げであっても、どっちみちパーティングラインを削って研磨する作業が発生します。

こんなにツルツルに磨いて
シリコンで型取りをしても
ほらね パーティングライン

とはいえ原型がツルスベなら、ヤスリは大きい番手から始められるなど、研磨の手順は少なくなります。なので原型はなんとしてでもツルスベ鏡面になるよう頑張って塗ったり磨いたりしています。


さて本題。これまで色々なヤスリと研磨剤を試してきて、最終的には以下の手順と道具で作業をしています。私はフルーツのような有機的な形状を扱うことが多いので、複雑な曲面を仕上げる流れとなっています。

バリ取り

パーティングラインを削り取る
切削ナイフやダイヤモンドヤスリ、ミニルーターなど

研磨①

  1. スポンジヤスリ FINE

  2. スポンジヤスリ SUPER FINE

  3. スポンジヤスリ ULTRA FINE

  4. スポンジヤスリ MICRO FINE
    前のヤスリの傷が完全に見えなくなるまで、番手を行ったり戻ったりしています。

研磨②

神ヤス!#2000,#4000,#6000,#8000,#10000

研磨③

コンパウンド粗目→細目→仕上げ目→ピアノコンパウンド(ピアノコンパウンドは不要になった綿100%の服などをカットしてウエスにしています)


仕上げ

ハセガワ セラミックコンパウンド→コーティングポリマー

フルーツ1つ研磨を仕上げるのに3時間は掛かってますね。でも、頑張ればこんなにツヤツヤになるのです。

ワンポイント

目に見えづらい傷や凹みを切削・研磨して行くのが、素材が透明で見えにくいだけに大変ですよね。しかもあっちこっちに発生。そんな時は傷・凹みを見つけ次第、油性マジックで塗り潰します。そうすると完全に研磨し切るまで、傷に染み込んだ顔料が存在を主張し続けるのです。上記画像でも2点わかります(間違い探しみたい)

エポキシレジンは経年劣化によって後からベタつくことがありませんし、爪で引っ掻いたくらいでは傷がつかない素材です。一度研磨を頑張れば、その艶めきはずっと続きます。(時々メガネ拭きなどで皮脂・ホコリを拭くと◎)ぜひ頑張って磨いてね!

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diaphouro|オブジェ制作
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