
ゆっくりと始まって、過去を継ぐ
書き初めに「夢」と書いたまま
ぐずぐずと具現化していけなかったことが
フィールドを変えることによって始まりました。
deleteやbackspaceキーで簡単に文字が消え、
書けない漢字も一瞬で変換される世界に
どっぷりと居過ぎたのかも知れない。
noteからアナログのノートへ
映画や本の感想を万年筆で書いて楽しんでいる。
お気に入りのノートは、
Mnemosyne(ニーモシネ)
ギリシャ語で「記憶の女神」の意味ですが
メーカーの言葉を借りれば
書きながら、記憶に留めながら、そして創造する。
映画は、無意識に口から出た言葉の
「フィールド・オブ・ドリームス」に始まり20本鑑賞。
1月に読了した中で圧巻だった物語は2冊。
まず、アガサクリスティの「春にして君を離れ」
手直しもなしに一週間で書き上げた作品とか。
言葉の無駄が全くない。女性作家では初めての体験。
旅の途中、荒天に遭い立ち往生の主人公。
砂漠のど真ん中で初めて
一人になり、孤独を味わい
人生、家族との関係を回想していくのです。
よき妻、よき母だと自負している彼女は
本当に家族からそう思われていたのか?
母親だからって、あの子について少しでも知っているとは限らないだろう。
エイヴラルはわざと多くは語らないんだよ。
わざとと言うより必要以上にと言ったほうがいいかもしれないな。
何についても深く感じるからこそ、故意に言葉を惜しむのさ。
エイヴラルは自分の尊敬するものによってしか影響されないだろうね。
つまり現実さ 真実だよ。
家族の関係は複雑で、被害者にもなれば、加害者でもあったり
その見事な心理描写は
過去の自分とめぐり逢ったよう。
2冊目は、マーガレット・アトウッドの「老いぼれを燃やせ」
知性とブラックユーモアと下ネタの短編9話。
そこに老いがプラスされて最高のエンターテイメント。
また、映画では「金の糸」
心に残る言葉がいっぱい。
日本の「金継ぎ」を人生にたとえ、
人は失われた時を、過去を、求めながら生き
過去を継げる人もいれば、
バラバラなままで終わる人も見せてくれた。
私もpiano piano(イタリア語でゆっくりと)で継いでいる。
いいなと思ったら応援しよう!
