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大学の飲み会で毎回ドジっていた人間が、『ビジネス会食』を手にした日

こんにちは! この春に出版社のダイヤモンド社へ入社したての新入社員の秋岡です。新人研修の一環として、「自社の話題書を新人が読むとどう感じるのか?」をnoteに綴ることになりました。そんな記念すべき第1回では社会人必見の『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』について取り上げています! 「今の若い子ってこんな感じなんだ〜」と温かい目で見守ってもらえると嬉しいです。

会食未経験者にもやさしい『ビジネス会食』

「背広を着てなんかマジでよさそうな話をする」
「ソムリエがすごくいい感じのワインを持ってきてくれると、すごい感じになる」
「なんかカッコいい……という雰囲気で会食をやっている」

 この時点で分かる通り、会食に関する知識ゼロの私が会食に対し「マジで・かなり・なんかヤバい」というイメージしかないことはお分かりいただけたでしょう。会食って、しかもビジネス会食って何?

 そこで手にしたのがこの『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』……!

社会に揉まれてはや2ヶ月、社会人としてのマナーを学ぼうと読破した王者の余裕が写真からも垣間見えます。

 これを読むだけでどんな会食・食事会をも成功に導けるという、全ビジネスパーソン必携の必勝マニュアルとなっています。中を覗くと目に映るのは、店選びの基準チェックリストや会食当日から翌日までの全体フローチャートといった役立つ資料の数々。1ヶ月に最大28回もの飲み会を経験してきた著者の執念がひしひしと感じられますね。

 本書では、非体育会系・アルコールに弱い著者が自らの失敗から見出したビジネス会食の「核心」として、「他者への想像力と確固たる意志」を挙げています。

 会食する相手に高い関心と興味を持って、どうすれば相手が喜ぶかを「想像」し、流され仕事でなく自分なりに目的意識を持つ「意志」が重要なのだそう。なるほど、つまり大学の飲み会のような自分勝手で誰が一番騒げるかを競う光景とは180度違う……。

大学の飲み会と社会人の会食にある決定的な違い

 はじめは正直なところ、ビジネス会食の経験がない私には「ふ~ん」と受け流してしまいそうな勢いを感じました。

 けれど、よく考えてみたら大学時代の飲み会にも通ずる部分はあるのでは?! 会食・歓迎会・懇親会・飲み会、なんならデートまで網羅できてしまうと気付いてからは、読み終えるまでが早かった気がします。

 途中、大学時代の飲み会を思い出して頭を抱えることもありました。行き当たりばったりに決めたせいで入店できず気まずくなったり、酔って店に物を忘れるようなことばかりでした。ビジネス会食における減点対象があまりにも多すぎる。

写真フォルダから発掘された学生時代の醜態。反省しています。

 ノリと勢いで開催し、誰がいくら払ったかなんて覚えていない――そんなことがあってはならないと、ここにきてようやく社会人としての責任を実感しました。

「達成すべき目的を設定する」「ゲスト・ファーストを第一に考える」

 もしも大学生の飲み会でこれを達成できていたら、サークルの送別会で先輩よりも私が先に酔い潰れるという粗相もなかったはずです。

「不適切な量のアルコール摂取により、クライアントとの距離感を見誤って失言してしまう。」
「慣れている方でも粗相をしてしまうのが会食というフィールドである。主な原因はアルコールだ。」

『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』(p.70,231より)

 アルコールとの付き合い方に関しては、会食だけでなく、人間が理性をもった動物としての形を保つということにも通ずる重要なテーマに思えます。

 学生生活では許されていたはずの粗相も、ビジネス会食では一発アウトになりかねません。「自分がやりたいことを披露する場ではない」という決定的な違いも、著者がいうビジネス会食の「核心」に繋がってきます。

 しかし何を隠そう、アルコールが器官を下るあの瞬間や、みんなが酩酊することで飲み会に真の平等が授けられるあの瞬間が、私は好きです。心臓も脳みそも、私のためではなく、ただ臓器としての役割を果たすためだけに存在しているようなあの感覚!

 アルコールって、すべてに意味や存在意義を求めようとする現代において「人生に意味はない」を肯定してくれる人間の最大の味方みたいな気がするんです。そして、理屈では分かっていても意外と難しいこの「理性」と「楽しさ」のバランスを保つには、やはり会食に対する確固たる意志が試されている……!

 私のアルコール好きが転じてやや脱線してしまったので、本の内容に話を戻しましょう。

付箋のビル群にも見られている気がする……。

会食を制するには「昭和的」スキルが効果的!

 著者のyuuuさんによると、「昭和的」ともいわれる会食スキルを戦略的に使うことは令和の時代でもかなり効果的だそうです。

 本書でも「周囲が真似できないほどの『堅牢な人間関係』を構築するために、すべての食事会は、人間にとって不可欠なもの」(p.21より)と書いてあります。

 いつの時代も、結局、人と人との関わりが重要なんですね。それを前提に捉えると、なんだか心理系の読み物としての完成度も高く感じてきます。

 コロナ禍を経てもなくならなかった会食・飲み会文化の裏には、人に認められたい、もてはやされたいという基本的な人間の欲求があるのではないでしょうか。

 ご時世だとかZ世代だなんて言いながら変化していく社会と、その奥底に見え隠れするいつまでも変わることのない人間の本質……。案外、時代は変わっているようで根っこは変わっていないのかもしれません。

 そして、その普遍的な人間の欲求を満たす方法が、『ビジネス会食』には載っている!

 かつて「会食なんか時代錯誤な昭和の文化で、なくすべき」(p.49より)という思いを持ち、会食でクライアントを激怒させてしまった経験もある著者。

 そこから這い上がることで狂気的なメソッドの誕生に繋げた著者ならではの説得力があるように感じます。

 だって、「多様性って難しい」と言える人の方が、私は多様性に真摯に向き合ってるのだなと思ってしまう。

 ビジネス会食の核心の一つに「他者への想像力」を挙げ、会食相手が喜ぶことを考え続けてきたyuuuさんにも、それと同じ真摯さを感じました。

 そんなこんなで第1回目の連載は終わろうとしています。読破した私に幹事が務まるかどうかについては、またの機会にお話ししましょう! 

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