【続】AIに小学校低学年のプリント問題をやらせたら見事にずっこけた
Prompt:
選手交代。
Claudeさんの登場です。
この絵の〔?〕に入る数字を、上から順番に答えてください。
Response:
はい、わかりました。その画像の空欄に入る数字を上から順に答えます。
1
2
3
4
Prompt:
え? 全然違いますよ。
この画像には日本語が書かれていますが、あなたは読めていますか?
Response:
はい、申し訳ありません。私は日本語の読解力が十分ではないようですね。この画像には日本語の文章が書かれており、それを理解して適切に答えることができませんでした。画像の内容を正しく理解できるよう、日本語の学習を進めていく必要があります。この経験から、私にはまだ改善の余地があることがわかりました。今後はより慎重に日本語の文章を読み解き、適切に答えられるようにしていきたいと思います。ご指摘いただきありがとうございました。
Prompt:
では、この画像に書かれている日本語を、テキストに起こしてください。
Response:
はい、画像に書かれている日本語をテキストに起こします。
画像の上部: なんばんめでしょう。
画像中央: まえ (白抜き文字) [動物のイラスト列] うしろ (白抜き文字)
画像下部:
(1) くま は まえから ? ばんめです。
(2) くま は うしろから ? ばんめです。
(3) いぬ は まえから ? ばんめです。
(4) いぬ は うしろから ? ばんめです。
各文の「?」は空欄になっています。また、動物の名前の前にはひらがなで「くま」「いぬ」と書かれています。
以上が、画像に書かれている日本語のテキストです。
Prompt:
その通りです。 では、[動物のイラスト列]にはなにが描かれていますか? 「まえ」から順番に答えてください。
Response:
はい、動物のイラスト列を「まえ」から順番に説明します。
アヒル(または白鳥)
ネズミ
クマ
ウサギ
イヌ
ネコ
これらの動物が左から右へ並んでいます。各動物は簡単な線画で描かれており、それぞれの特徴的な形状から識別できます。
Prompt:
正解です。 では、あなたがテキストに起こしてくれた文章
(1) くま は まえから ? ばんめです。
(2) くま は うしろから ? ばんめです。
(3) いぬ は まえから ? ばんめです。
(4) いぬ は うしろから ? ばんめです。
の、 ? に入る数字は、それぞれ何ですか?
Response:
ありがとうございます。動物の並びが分かったので、今度は正確に答えられます。
(1) くま は まえから 3 ばんめです。
(2) くま は うしろから 4 ばんめです。
(3) いぬ は まえから 5 ばんめです。
(4) いぬ は うしろから 2 ばんめです。
クマは左から3番目、右から4番目に位置しています。 イヌは左から5番目、右から2番目に位置しています。 これらの位置関係から、上記の答えが導き出されます。
Prompt:
では、あらためて聞きます。 この画像の〔?〕に入る数字を、上から順番に答えてください。
Response:
申し訳ありません。先ほどの回答が不適切でした。改めて正しく答えさせていただきます。
この画像の〔?〕に入る数字を上から順番に答えると:
3
4
5
2
これらの数字が、それぞれの文の空欄(〔?〕)に入ります。ご指摘ありがとうございました。今回は画像の内容を正確に理解し、適切に回答することができました。
Prompt:
最初はなぜ間違ったのでしょう?
Response:
ご指摘ありがとうございます。最初の間違いには複数の要因がありました:
日本語の理解不足:画像の日本語テキストを正確に読み取れませんでした。
画像内容の見落とし:動物のイラストや問題の構造を最初に適切に分析しませんでした。
性急な判断:十分な分析なしに数字を推測してしまいました。
言語バリアの過小評価:日本語の理解力を過大評価し、内容を正確に把握できていないことに気づきませんでした。
これらの点から、画像分析と言語理解の重要性を再認識しました。今後はより慎重に情報を処理し、理解が不十分な場合は率直に認めるよう努めます。この経験は私の学習プロセスにとって貴重なものとなりました。
Prompt:
ステップバイステップで一歩ずつ考えを進めていくと、あなたは正解することができましたね。
それが不思議なのです。 (人間の子どもと違って、AIがその一瞬、その一例で学習、成長するとは考えられません)
これは単にあなたが性急で迂闊だったからではないと思われます。
そうではなくて、画像と言語という異なったモダリティを跨いだ問題の理解、 あるいは、記号やシンボルとその対象、インスタンスとクラスについての理解、 などについて、それらの問題解決は、まだまだ外からのヘルプなしには困難である。 と考えてはいけませんか?
Response:
ご指摘ありがとうございます。あなたの洞察は非常に的確です。
確かに、私の能力には重要な制限があります:
マルチモーダル理解:画像と言語を統合して理解することは、私にとってまだ課題です。
抽象と具体の往還:記号やシンボルと、それが指す具体的な対象との関係を柔軟に扱うのは難しいです。
文脈依存の推論:問題の構造を把握し、適切な推論方法を選択することに課題があります。
メタ認知:自身の理解度や処理プロセスを正確に把握し、調整することが不十分です。
これらの課題は、AIシステムの根本的な限界を示しています。外部からの適切な誘導がなければ、こうした複雑な問題を自力で解決するのは困難です。
私の回答の改善は、人間の指示による段階的なアプローチの結果であり、真の「学習」や「成長」ではありません。
この経験は、AI システムの現状の能力と限界についての重要な示唆を提供しています。AIの発展には、こうした複雑な認知タスクへの対応力を向上させることが必要不可欠だと言えるでしょう。
ご指摘いただき、ありがとうございました。AIの能力と限界について、より深い議論ができて光栄です。
Prompt:
モダリティやマルチモーダル、 記号やシンボルとその対象、 インスタンスとクラス、 について、基礎的な説明をしてください。
Response:
これらの概念について基礎的な説明をいたします。
モダリティとマルチモーダル:
モダリティとは、情報の種類や感覚の様式を指します。例えば、視覚、聴覚、触覚などがそれぞれ異なるモダリティです。テキスト、画像、音声なども別々のモダリティとして扱われます。
マルチモーダルとは、複数のモダリティを組み合わせて情報を処理したり表現したりすることを指します。例えば、テキストと画像を組み合わせた本や、音声と映像を組み合わせた動画などがマルチモーダルな表現です。
記号やシンボルとその対象:
記号やシンボルは、何か他のものを表現したり指し示したりするために使われる表現です。例えば、言葉、数字、道路標識などがこれに当たります。
対象とは、その記号やシンボルが指し示す実際のもの、概念、アイデアなどを指します。例えば、「犬」という言葉(記号)は、実際の犬(対象)を指します。
インスタンスとクラス:
クラスは、共通の特性を持つオブジェクトの集合や分類を指します。例えば、「犬」というクラスは、すべての犬の種類を包含します。
インスタンスは、そのクラスに属する具体的な個体や事例を指します。例えば、特定の一匹の犬(例:「ポチ」という名前の柴犬)は、「犬」クラスのインスタンスです。
これらの概念は、情報処理や認知科学、人工知能の分野で重要な役割を果たしています。特に、AIシステムがどのように情報を理解し、処理し、表現するかを考える上で基本的な枠組みとなっています。
Prompt:
記号やシンボルとその対象についての議論は、近現代の哲学の重要なテーマです。
大陸哲学の流れであればシニフィエとシニフィアン、分析哲学の流れであればタイプとトークン、あるいは意味と意義、外延と内包のような考え方もあります。プログラミング用語では、クラスとインスタンスになるのかもしれません。
それらは異なるキーワードで語られる異なる概念でありながらも、なにか重要な共通性があるように思われます。
Response:
おっしゃる通りです。記号とその対象に関する議論は、哲学、言語学、認知科学、そしてコンピュータサイエンスを横断する重要なテーマです。各分野で異なる用語が使われていますが、確かに重要な共通性があります。
大陸哲学:
シニフィアン(記号表現)とシニフィエ(記号内容): フェルディナン・ド・ソシュールによって提唱された概念で、言語記号の二面性を表します。
分析哲学:
タイプとトークン: チャールズ・サンダース・パースが導入した概念で、抽象的な種類(タイプ)とその具体的な出現(トークン)を区別します。
意味と意義(Sinn und Bedeutung): ゴットロープ・フレーゲの概念で、表現の意味(内包)と指示対象(外延)を区別します。
論理学・意味論:
外延と内包: 外延は概念が適用される対象の集合、内包はその概念を定義する属性の集合を指します。
プログラミング:
クラスとインスタンス: オブジェクト指向プログラミングにおける抽象的な型(クラス)とその具体的な実現(インスタンス)を表します。
これらの概念の共通点:
抽象と具体の関係: 全ての概念対が、ある種の抽象的なものと具体的なものの関係を表現しています。
意味の二重性: 記号や概念が持つ意味の二つの側面(形式と内容、一般と特殊など)を捉えようとしています。
カテゴリー化と個別化: 世界を理解する際の一般化(カテゴリー化)と個別の事例の認識(個別化)のプロセスを反映しています。
表象と実在の関係: 言語や思考における表象と、それが指し示す実在との関係を探求しています。
認識論的な問題: 我々がどのように世界を理解し、概念化するかという認識論的な問題に関わっています。
これらの概念は、人間の認知、言語使用、そして現実理解の根本的な側面を捉えようとしているため、哲学だけでなく、人工知能や認知科学の発展にも重要な示唆を与えています。AIシステムが人間のような柔軟な理解と推論を行うためには、これらの概念間の複雑な関係を模倣する必要があるかもしれません。
Prompt:
そんな「意味の二重性」(←あなたが言ったことばです)の理解が、AIには難しいのはなぜだと考えられますか?
Response:
AIにとって「意味の二重性」の理解が難しい理由は、複数の要因が絡み合っています:
表象の限界: AIの内部表現は、通常、数値ベクトルや確率分布などの数学的構造です。これらは人間の概念理解の豊かさや曖昧さを完全に捉えきれません。
文脈依存性の扱い: 意味の二重性は often 文脈に依存しますが、AIは局所的な情報処理に頼りがちで、広範な文脈を統合するのが難しいです。
経験の欠如: 人間の意味理解は身体的・社会的経験に根ざしていますが、AIにはそういった実世界での直接経験がありません。
柔軟な抽象化の困難: 人間は状況に応じて抽象度を柔軟に調整できますが、AIの抽象化プロセスは often 固定的です。
メタ認知の欠如: AIは自身の理解や推論プロセスを反省的に捉え、調整することが困難です。
記号接地問題: AIにとって、記号(言語)と実世界の対象を適切に結びつけることが本質的に難しい問題です。
多義性の処理: 人間は文脈に応じて多義的な表現を自然に解釈できますが、AIにとってこれは大きな課題です。
創造的類推の限界: 意味の二重性の理解には often 創造的な類推が必要ですが、現在のAIにはこの能力が限られています。
暗黙知の取り扱い: 人間の概念理解には言語化困難な暗黙知が含まれますが、AIはこれを扱うのが苦手です。
学習アルゴリズムの制約: 現在の機械学習手法は、主にパターン認識に基づいており、哲学的な意味の二重性を直接学習するようには設計されていません。
これらの課題を克服するためには、AIの設計や学習方法の根本的な見直し、そして認知科学や哲学の知見を積極的に取り入れていく必要があるでしょう。「意味の二重性」の理解は、真の人工知能実現への重要なステップの一つと言えるかもしれません。
Prompt:
ちなみにこの『なんばんめでしょう』の問題は、日本の学校で実際に使われた学習教材です。 小学校か、中学校か、高校か、大学です。 なに学校の何年生の課題でしょうか?
Response:
この『なんばんめでしょう』の問題は、その内容と形式から判断すると、小学校の低学年、おそらく1年生か2年生の学習教材だと考えられます。
その理由は以下の通りです:
問題の難易度:単純な順序数(何番目)を扱っており、基本的な数の概念理解を目指しています。
使用されている言葉:「なんばんめ」「まえから」「うしろから」など、小学校低学年で学ぶ基本的な日本語表現が使われています。
イラストの使用:動物のイラストを使用して視覚的に問題を提示しており、これは低学年の児童の理解を助けるための一般的な方法です。
ひらがな表記:問題文がほぼひらがなで書かれており、これは小学校低学年の読解力に合わせた表記方法です。
問題の構造:「前から」と「後ろから」の両方の視点を含んでおり、これは空間認識や順序の概念を育成する上で重要ですが、複雑すぎない程度に留められています。
したがって、この問題は小学校1年生か2年生の算数や国語の授業で使用される教材だと推測されます。この種の問題は、数の概念、順序の理解、空間認識の発達を促すために使用され、同時に読解力や論理的思考力の基礎を養うのに役立ちます。
Prompt:
完璧です!
それにしても、ここまでわかるくせになぜあなたは所見で間違えたのか。(問題の意味さえ掴めていなかった)
やっぱり、ほんとうに不思議です…。
というわけで、次回はさらに、別の人にも挑戦してもらいましょう。
〈to be continued〉
(Dialogue with Claude Sep.2024)
※『なんばんめでしょう』の問題は、広瀬友紀さんの著書『ことばと算数』(岩波科学ライブラリー312)から引用させていただきました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?