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異論と代替案無き意思決定は、やばくなるけど、伝統的な日本企業の意思決定方法は素晴らしいとドラッカー。今のは知らん。10月6日 Organize Dissent 意図しての不一致
#ドラッカー ないし、#マチャレロ 教授 は米国に住んでいて活動拠点は当然ながら米国であり、本書 #ドラッカー366 も、名著 #マネジメント にしても、彼らが想定したメイン読者も同じく米国の経営幹部であり、ビジネスパーソンです。
今日のテキストに入る前に、37章 効果的な決定 のなかで、まず日本の組織体の意思決定について好意的に言及しています。
日本のやり方では、決定に達するのに欧米よりも時間がかかる。しかし、それから後は、日本のやり方の方が優れている。我々(米国)のやり方では、決定した後で、その決定を(組織内に)「売り込み」、関係者の協力と実行を得るのに多くの時間がかかる。決定の実行が組織によってサボられたり、あるいは、もっと悪いことには、決定が本当に実行されるまでに時間がかかりすぎてしまう。関係者によって実際に実行された時には、もはやそれが完全に間違った決定となってしまっているというほどではないにしても、陳腐化してしまっている場合がよくある。
これに対し、日本人は、決定の「売り込み」に時間をかける必要は全くない。決定は関係者全員に「あらかじめ売り込」まれている。また日本人の決定の仕方では、特定の解答に対し、組織の中のどこが歓迎し、どこが抵抗するかが、[あらかじめ]はっきりさせられている。したがって、反対を説得したり、決定事項の本質を損なわずにわずかな譲歩をすることによって、反対者を味方に引き入れるための時間は、たっぷりあるわけである。(中略)
日本人の決定の過程は、問題の理解に焦点を合わせている。その最終的な狙いは、関係者全員が行動を起こすことである。この決定の過程によれば、あらゆる代案について検討が加えられることが保証されるのも同然となる。
経営陣の注意は、本質的な点にのみ集中される。そもそも何について決定しようとしているのか、経営陣が決めるまでいかなる言質も許されない。こうして日本の経営管理者は、問題に対して(1941年の対米宣戦布告のような)間違った答を出すことはあっても、間違った問題に対して正しい答を出すというようなことはまれである。意思決定を行う人なら誰でも知っているように、間違った問題に対して正しい答えを出すのが最も危険な道であり、取り返しのつかない間違った決定なのである。
#ドラッカー博士 は、たまたま日本でも人気のビジネス著者のため、米国で新刊が発表されるたびに、直後に邦訳本がでて、日本でもヒットしたベストセラー作家の一人な訳で、彼も日本市場のことは重視してくれていて、好意的なコメントを寄せてくれているわけです。
とはいえ、日本企業向けに彼が記事を書いているか、というと、そうではなくて、日本企業の意思決定方式とは異なる方式と採っている米国企業経営者向けである、という前提を理解してほしい。
その上で、彼の提言を取り入れるかどうかを決定しないと、間違った形で採用してしまって、結果が出ないぞ→「ドラッカーは使えねー」と誤解したままとなってしまいますよ、気をつけてね、と言いたいのでした。
#10月6日
#Organize_Dissent
#意図しての不一致
#マネジメント
37章 #効果的な決定 #異論と代替案が必要
1974年版では、下巻 156〜157ページより
#意思決定においては意見の対立がなければならない 。
マネジメント上の意思決定は、全会一致によって行なえるようなものではない。対立する見解が衝突し、異なる視点が対話し、いくつかの判断からの選択があって、はじめて行うことができる。意思決定の原則とは、意見の対立がないときには決定を行なわないことである。
GMのスローンは、「では全員お意見が一致していると考えてよいか」と聞き、異論が出ないときには、「では、意見の対立を生み出し、問題の意味について理解を深めるための時間が必要と思われるので、次回また検討することにしたい」といった。
意見の対立を促すのには三つの理由がある。第一に、組織の囚人になることを防ぐことである。必ず誰かが何かを求めている。第二に、代案を手にすることである。いかに熟慮しようとも、代案なしでは決定は賭けに終わる。第三に、想像力を引き出すことである。
ACTION POINT
#いろいろな考えの人を意思決定のプロセスに参加させることによって 、
#意図して意見の不一致をもたらしてください 。
#誰が正しいではなく 、
#何が正しいかを考えてください 。
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