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短期競争か?それとも長期競争か? 11月9日  LongRange Planning 短期と長期

#11月9日 木曜日のランチタイムになりました。
今日の #ドラッカー365の金言 のテーマは、
#Long_Range_Planning
#短期と長期

今日のテキストも『マネジメント-課題・責任・実践』10章 戦略計画の作成:企業家的技能 1974年版 上巻197〜199ページより↓↓

かつての「日本企業の強みは、長期の競争に勝ち抜く戦略を持っていたこと」と記しているのは、法政大学名誉教授の小池和男氏。

 長期の競争力の礎は人材なのだ。(中略)高賃金国では、言われた通りに仕事をすれば良い、という技能の持ち主ではない。それでは低賃金国に敗れてしまう。職場で工夫し、さらに企業の経営方針についても発言する人材こそが、長期の競争力を作っている。(中略)
 では、長期の競争の仕組みを支える条件は何か。長期の競争の仕組みを強める方策はなにか。この本は、企業の役員会への従業員代表の参加を提言する。複数ならば少人数で良い。そこで長期の視野を持つ常勤役員たちを後押しする。

小池和男 著『なぜ日本企業は強みを捨てるのか』(2014年発刊)より

 小池氏によれば、機関投資家が支配する資本市場から企業に対し短期競争勝利要求が強いられ、短期競争発想が主となっている米国系の企業経営が隆盛となっている。しかし、ドイツなどの欧州企業では、新製品開発が長期化するとともに成功率が低いことから、短期資金回収は困難と判断し、市場、地域、従業員との長期的な関係を重視して長期的な成長、長期競争に勝ち続ける経営を志向し、そのため、経営陣に従業員代表が着任し、労使対立ではなく、労使共同歩調による長期競争戦略を志向されているという。

わが国企業は、近年、米国流の短期競争思考により不況が長引いているのかもしれない。元々、日本企業の強みは、1958年に経済学者のアベグレンが「終身雇用」「年功序列」「企業内労働組合」の3点を日本企業の優位性として指摘していたように、長期競争の視点に立ち、短期競争ではなく弥栄(いやさか)を追求した結果、高度経済成長を成し遂げた実績がある。

現在のわが国経済、経営者たちは、かつてのその利点を自ら捨てて、短期的思考に陥ったことで、自ら苦しむ「ワナ」にハマっていないだろうか?


長期は短期の決定によってつくられる。したがって、長期が短期に組み込まれず、しかも短期を基礎にしていなければ、いかに精巧な決定であっても無駄な作業に終わる。逆に短期が長期に位置づけられていなければ、決定はその場しのぎ、当てずっぽう、間違いとなる。

ドラッカー

機関投資家にしても、最終的なパフォーマンスは、短期競争ではなく、長期の成果によって評価されます。短期の競争、そして、長期の競争、どちらを指向するべきでしょうか?今日もやってきましょう!

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