綺麗なV字回復とはいかない〜コロナ禍岡崎市和食店「魚信」さんの経営奮闘記39
西田さん「去年まで、うちは宴会で数字を作ってきた。宴会と法事で6割以上を占めてたから、「宴会無い」っていう3月から現在までを考えれば、前年比4割以下、となっても不思議じゃない。でも、ここまで、みんなの頑張りでね、なんとか5割とか6割で留まって、踏ん張ってる。
こちらの続きです。
いや、西田さん、コロナからの取組を見てるけれど、はっきり言って、緊急事態宣言前と後では、別の店ですよ。
西田さん「そうなんですよ。ただみんな比較のための指標が【前年比】だから、厳しい比較しか出てこないってのは、ちょっと悔しい。けど仕方ないですね」。
宴会の店から食事の店へ。
変わるのは言うほど簡単ではない。
たとえ、ウニやいくら、生マグロなど高級海産物を出している、としても、食事で生きる道はいばら道だ。ナマモノは足が早い。原価は高く、食財のロスも発生しやすい。
だからと言って、高額だと客離れを起こしやすい。高い価格設定はし辛い。高く設定しても、クーポンで客集めていては、本当に定着して欲しい常連さんが離れてしまう。
多くの店は利益を捻出するために安易な道へと進んでしまう。
酒。ビール。ワイン。焼酎。。。
本来、食事の彩りを飾るものだったのに、気がついたら「飲み放題がメイン」のお店に徐々に変わっていってしまったのじゃないか。
西田さん「だから、今一度、もう一回原点に帰ってみる。もう一度、魚信でしか味わえないもの、魚信でないと食べられない、楽しめないって料理を提供する。釜飯も、おせち料理も、そして、職人の原田師匠とともに、新しい岡崎の伝統の味となる「手寄せ豆腐」も。魚信に行くって言ってもらえるように、自分たちも腕を磨き、料理を磨き、【自分磨き】、【人間性を高める】。魚信ならと、お客様に感じて頂けるように」。
外食する意味。外食とは何か。外食する理由はなんだろう?魚信が提供しているものは、ただお腹を満たすだけのものなのか?安・早・得なのか?そうじゃないのなら、魚信のお食事、それはどんな意味があるんだろう。
誰もが普段考えてこなかったこと。それが、コロナであらわになってしまったこと。
魚信さんの挑戦は続きます。
(こちらに続きます)
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