変わっているけど、変わってないと感じさせることが商いの秘訣。 7月5日 The Obsolete Theory 事業の定義の陳腐化
7月5日 The Obsolete Theory 事業の定義の陳腐化
#進行性の病は先延ばしにしても治らない 。
#思いきった措置が必要である 。
ACTION POINT
#事業の定義が陳腐化していませんか 。
#その恐れがあるならば分析し 、
#刷新してください 。
今日のテキストも、1995年刊の『未来への決断』第1章 事業の定義 43~44ページより。
原文では、theory of the business とあるのが、「事業の定義」と訳されています。
theory of business administration だと、経営学
theory of management だと、経営理論、経営学説。
じゃ、theory of the business では?
奥様、1994年9−10月号の「ハーバード・ビジネス・レビュー」で発表された The Theory of the Business(「企業永続の理論」)というドラッカーの論文があるそうですって!
ああ、それって今読んでる論文のことですよ!爆笑。
「事業の定義」って、なんかわかりにくいですね。
ピン、ときませんね。なんて訳したらしっくりくるのかな。
事業理論?ま、確かにそうなんですけど、もっとはっきりわかりやすく言えば、「稼ぎ方」とか「儲け方」と思うんですね。すぐに学者さんは格調高くしたがるけれど、ドラッカーさんて本来わかりやすく親しみやすい文体で、学者っぽくないからこそベストセラーだし、長年読み続けられているわけで。。。
ま、本では「事業の定義」なんだけど、やらかく言えば、「どういう理屈で儲けるや?」ってこと。
かつてソニーの儲け方は、家電製造業者として、ラジカセとかテレビ、ウォークマンなどのハードウエアを売って「作って稼ぐビジネスモデル」だったけど、1970年CBSソニーという音楽会社を、1991年ハリウッド映画会社のコロンビアを買収。1994年PlayStation 販売と、ハードへの需要を生むコンテンツ会社を売って、ハードでも儲けるっていう方向へと投資し、儲け方を変えてきました。(なかなかコンテンツが投資に見合ったようには売れず、それはなかなかハードな道のりとなりましたが、、、)。
どんな商売にせよ、時代が変わるにつれて陳腐化します。ソニーは家電だけに留まっていたら、ブランドは残っていなかったのかも。。。
ところで、これは聞いた話ですが、虎屋さんは、気候やお客さんの嗜好に合わせて、こっそりちょっとずつ羊羹の味を変えているそうです。そして、お客さんは、食べるごとにこうおっしゃるそうです。「昔からの味。変わってないなぁ」って。
同社は、和菓子を作って売る、という稼ぎ方を中心に、時代に合わせて稼ぎ方も変化させてきています。
御用商人から始まり、和菓子製造販売、飲食営業、不動産業などへと事業展開しております。ビジネスモデルとしては、大きく変わっているわけではないけれど、羊羹の味へのこだわりが同社のコアコンピタンス(卓越性)です。味が陳腐化した、と思われないよう先手先手で手を打っているとのこと。
強みが明確な企業は強いですね。今日もやっていきましょう。愛を込めて。