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高年層という多数派におもねった「ゆがみ」が政策と国の将来を誤らせている? 6月19日 Inflation Versus Unemployment インフレか、失業か
おはようございます。今朝も #ドラッカー #365の金言 からなんですが、まさに今の我々にぴったりな感じですね。今月に入って、食品や化学品、そして、輸入の原材料費の値上げが相次いでます。
来月から電気ガスなどインフラ系の値上げが予定されているとか。弱っちゃいますね。原材料費の値上げに合わせて、売価だけでも上げていかないと、ただでさえ、薄い利益で会社回しているんだから、もう回らないよ、ということに行き当たります。
#6月19日
#Inflation_Versus_Unemployment
#インフレvs失業
#退職した年金生活者にとってインフレは最大の脅威である 。
大恐慌以来、失業は、現代社会と現代経済に特有の病、かつ最も危険な病とされてきた。しかし年金社会では、失業の増大に代わって、インフレがその地位に座ったとしてよい。
退職した年金生活者にとって、インフレは最大の脅威である。50歳を過ぎた被用者にとっても、将来の年金の購買力の低下は同じように重大な脅威である。この2つの世代を合わせると、成人人口のほぼ半数に達する。彼らは、年金基金社会主義の発展の結果として、インフレに対し例のない重大な利害を有する。共通の利害を有するこれだけの大きさの関係当事者は、一大利害集団であって一大政治勢力である。
これに対し、失業の増大は退職者や高年の就業者にとって、脅威ではあっても、はるかに小さな脅威である。
ACTION POINT
本日のテキストは、およそ40年前の1976年に年金基金による高齢化社会の到来を予言した名著『 #見えざる革命 』第Ⅳ章 社会革命 6、インフレか失業か 240〜243ページより
本書では、若年層にとっては、失業は大きな問題だけど、高年者にとっては、インフレ>失業だよ、と。高年層には米国の場合、レイオフに対して先取り特権があるから心配なしだよ、とドラッカー。
この説明で、我が国が長年賃金が上がらなかった理由がわかりますね。
60代以上の高齢者=総投票者の約半数、が求めたことだからです。
高齢者の方が投票率が高いのは、こちらのグラフで一目瞭然ですが、問題は投票数です。
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問題は年代別の投票数
若年層の方が投票率が低かったことはわかった。だが、実数はどうだったのか?投票を「率」ではなく「数」で見ると、あなたはもっと驚くかもしれない。
例えば、平成29年、48回時の衆院選挙の年代別投票数を見てみよう。
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上表から分かる通り、年代別投票者数は
高年層投票数は若年層の2倍以上
10〜30代の若年層投票数51179(10代5117、20代(7810+9544)=17354、30代 (12829+15879)=28708)
に対して、
60代以上の高年層投票数は130941(60代(25732+33371)=59103、70代(25725+21398)=47123。80代以上24715)とダブルスコア以上なのです。
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それだけではありません。60代以上の高年層を合わせると、全体の49%。ほぼ半数の票数を占めています。
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若年層は失業が心配。
だが、高年層は年金受給額が、そして、目減りしてしまうインフレが心配。
じゃあ、総選挙で投票だ、と言って投票したら、結果は、2倍以上の得票で高年層の票=インフレ対策となる、というのが、今の日本の構造です。これは何度選挙しても変わりません。
インフレ対策だ、と政治が言う理由
インフレとなれば、年金や家賃収入に頼る高齢者の年金が実質目減りするから、「政治よ、なんとかしろ!!」と支持率が低下し、政権交代が起こるからです。だから、資本のない就業若年層の給料を上げさせない、あえて、失業もOKという政策をとってきました。就職できなかったら、派遣でいいじゃないか、という政策です。
その政策は経営者、企業経営者の団体「経団連」にとってもプラスです。企業経営にとって、労働分配率の方は、営業利益に対して50〜70%と大きな割合を占めるからです
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労働分配率>仕入れ原材料率 だからです。
企業経営にとっては、原材料費よりも、人件費の方が負担だから、抑えたい。
ここで、投票者である高年層と企業経営者や経済界との利害関係が一致しました。さらに、就労者への賃金よりも株主(=富裕層、高齢者層、年金基金、そして外国人)への配当金を優先しろ、という声が加わりました。
結果、インフレ>失業 ということで、デフレ経済が20年以上続いている、と言うことです。(ほんとかな?でも、なんだか、うまく説明できちゃったぞ)
ドラッカーは本書で、アメリカ(日本)が高い雇用と安定した貨幣価値を同時に実現できるためには以下の3つの条件が満たされなければならない、と記している。
1、あらゆる主要資源の生産性を着実かつ持続して向上させていくこと。特に、資本と知識労働者の生産性の向上。
2、資本形成を着実かつ持続して向上させていくこと。増大する所得のうち、消費よりも貯蓄に向ける分を多くすること。
(この提言なんて、今の岸田内閣の「資産倍増政策」と同じだ。問題は、中間層から下級層へ落ちた貯蓄がほぼゼロの36%にものぼる貧困層だろう。すでにデフレで増大してない所得と低収入就労層への所得向上、最低賃金制度や労働分配率の向上だろう)
3、公共支出や国民所得のうち、移転支出や福祉支出に向けられる分の増加を食い止めること。もとより高年退職者の生活維持のための支出は、公共支出においても国民所得においても、必然的にその比重を増大させなければならなくなる。言い換えれば、他の社会福祉関係費は、少なくとも対国民所得比においては、かなり急速に減少させていかざるを得ないということ。
(製造業が生産性向上により、雇用を減らした分、福祉・介護業界が吸収しているものの、我が国の場合は、医療費も介護費も国の支出でまかなわれているのが実情。つまり、実質は公務員や自衛官と同じである。この分野の支出を減らすことは、すなわち、失業者の増大=生活保護などの社会保障費の増大に直結している。一方で、福祉・介護業界はその低賃金と重労働のためブラック化しており、社会問題化していて、現状でも食うにやっとで不満だらけである。さらに、福祉費を減らす、という決断が岸田文雄総理にできるのだろうか??検討に検討を重ねる=「先送り」なんだろうな。)
この3つの提言を行えば、かなり高率の失業が出る、政治的には極めて実現が困難で、しかも不評を買う、とドラッカーも言う。その際、インフレ>失業 となっている現在の政策を、 失業>インフレ へとシフトが可能だろうか。
「年金基金社会主義」の現在、有権者はどう判断するだろうか?
という質問で締めくくられているけれど、さすがに「投げっぱなしジャーマン」すぎるぞ、ドラッカー(笑)。
というわけで、それぞれの皆さんの立場や年代などで、インフレ>失業 という現状で是なのか、それとも、 失業>インフレ とすべきだ、となるのか変わってくると思う。威勢のいい若手経済人が 経済対策しろ!=インフレよりも失業だ、って言ってるが、高年層の多い有権者の投票行動を見る限り、絶望的である。
かくて、将来を先食いする高年層によって、我が国は滅びてしまうことになりそう、というのは、あまりに悲観的すぎるか??
いい未来を築いていくためにも、今日を変えていこう。愛を込めて。
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