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優秀な野球人たちが10年以上連続して失敗するドラゴンズの監督は「後家づくりの仕事」? 9月21日 “Widow-Maker” Positions 後家づくりの仕事
#9月21日 、土曜日。今週も3連休ですね。
今日の #ドラッカー365の金言 テキストは、『 #マネジメント -課題・責任・実践 』の32章 #経営管理者の職務と設計と内容
1974年版では、下巻 53〜55ページより
「後家づくりの仕事」とは?
「1850年ごろ大帆船が前世であった時、つまり汽船が登場する直前の頃、どの船会社もその持船の中から『後家づくり』を出すことがあった。『後家づくり』とは、原因ははっきりしないが、舵取りが効かなくなって死者を出してしまいがちな船のことである。こうした大事故を数度起こすと、分別のある船主ならば、たとえいくらその船に投資していたとしても解体してしまったものである。船長とか航海士を亡くしてしまうよりはましだからである。
多くの会社には、はっきりした理由はわからないが、とにかくその職務に就いた優秀な人が、次から次へと倒れてしまうような職務が見受けられる。それらの職務は合理的で、よく構成されているので、できないはずはないと思われるにもかかわらず、実は誰にもできないものらしい。前職では立派にやっていた人が2人続けて失敗してしまうような職務は、設計し直すべきである。そうすれば、最初の設計のどこが間違っていたか、後思案に過ぎないとはいえ、通常は明らかになるものである。
2004年から2012年までAクラスだったドラゴンズですが、2020年を除いて2013年以降Bクラス(コロナ禍の2020年短縮シーズンで3位になったことがあります)、優秀な野球人が失敗し続けている中日ドラゴンズ。
もしかしてドラゴンズの監督職は、「後家づくり」の仕事なのかもしれません。
今日のテーマ:
#“Widow-Maker” Positions
#後家づくりの仕事
今日の金言:
#優秀な人たちが連続して失敗する仕事は後家づくりの仕事である 。
今日のACTION POINT:
#あなたの組織に後家づくりの仕事はないでしょうか 。
#組み立てなおすか廃止してください 。
ドラゴンズの過去10年の戦績は以下のとおりです。
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10年間、4人の優れた指導者たちが関わってきて、Aクラスになったのは、コロナ禍の2020年短縮シーズンのみ(この年はCSなし)。結果的には、CSに最も遠いチームになっています。
確かに、2004年〜2011年まで指揮を取った落合博満氏は、3冠王3回獲った偉大なキャリアを持つ打者でした。ですが、彼の後にドラゴンズの監督となった優秀な野球人たちは、次々に失敗しています。
こう見ますと、ドラゴンズの監督は、「後家づくり」の職務のようです。
ドラッカーは、こう記しています。
「後家づくり」になるような職務は、再考して、構成しなおすべきである。(中略)前職では立派にやっていた人が2人続けて失敗してしまうような職務は、設計しなおすべきである。そうすれば、最初の設計のどこが間違っていたか、後思案に過ぎないとはいえ、通常は明らかになるものである。
すでに4人も失敗しているドラゴンズの監督職は、その職務内容を見直すべき時に来ていると思います。球団関係の方は、このノートなどご覧にならないとは思いますが、以下記事によれば、立浪氏は、ほぼ全権監督だったと言います。
この「全権」がアダになったのではないか、とも思えます。
かつての野球とは異なり、データが増え、戦略も多彩に、そして、体のケアから打撃・投手・守備・走塁の各技術もここ数年かなり向上しています。米MLBでもコーチングスタッフ数は年々増えており、大谷選手・山本投手が所属するLAドジャースには、技術指導のコーチだけでなく、データアナリスト、カイロプラクティス師などモチベーターなど多彩な人たちがチームを支えています。
そうした技術的なスタッフだけでなく、データ分析などのスタッフの指示によって1球ごとに守備位置の変更が行われる時代に、80〜90年代と同じ感覚で「来た球をガツンと打て」的な朴訥な野球のスタッフで対抗しようとしても、とても適うものではありません。
たとえかつてのスーパースターと言えども、彼が輝いていた時代とは、レベルが1段も2段も上がっています。MLBへ移籍しても活躍できるレベルの高い投手たちが150km以上の剛球と変化球で打者の弱点を攻める「投高打低」の時代、他チームよりも非効率なスタッフィングでは歯が立たない。そんな10年間なんだろうと思います。
そして、監督・コーチ職の設計を見直すこと、それが必要に感じたところです。今日からお彼岸の3連休です。良い週末となりますように。
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