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謹賀新年 「真摯なドラッカー」は賞味期限切れ。では、次は何? 1月1日 Integrity in Leadership リーダーの真摯さ

#1月1日  
#Integrity_in_Leadership (リーダーシップに含まれる誠実な人間性)
#リーダーの真摯さ

新年、明けましておめでとうございます。
今年も、ドラッカー365、一緒に学んでまいりましょう。

このNOTEは、読むだけで世の中の課題を #ドラッカー #365の金言  を使って、解決できる、そんな知力を鍛える教育エンタメNOTEです。

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さて、

こちらでは、地に足をつけた、私の体験や学びから得た
実践マーケティング記事を1日1本以上をご紹介しています。

今日のテキストは、『 #マネジメント -課題・責任・実践』 36章 #実績中心の精神  1974年版 下巻 139〜142ページより。

Integrityを元経団連の上田惇生先生は2008年版の「マネジメント」で「真摯さ」と訳されていますが、1974年版「マネジメント」で野田一夫先生は「誠実さ」と訳しています。どちらがこれからの時代、適した訳なのか。この点について、安冨歩氏が「ドラッカーと論語」(2014年刊)のなかで、


日本の組織において成功を収めるには、自分自身をさておいて、「立場」にふさわしい振る舞いをする必要がある。いやむしろ、自分自身の考えや信条や信念や原則や関心や興味を、積極的に棄てて掛かることが、何よりも大切である。そうやって、自分を捨てて仕事に一心に取り組む人を、「真摯」だというのである。これが日本社会の立場主義イデオロギーであり、そうしなければ、人々の尊敬を集め、経営者として成功することはあり得ない。そういう真摯な立場主義者の集積によって初めて、日本の組織は機能する。(中略)上田氏が「真摯」と訳したのは、単純な誤訳ということはできない。それは意図的な意味のすり替えである上田氏は、アメリカ社会とは全く異なった日本社会で“Integrity of character”を要求するようなドラッカーを広めることはできない、と直感したのだろう。ドラッカーをヒットさせ、その思想を広めるためのイノベーションが、この誤訳であった。

安冨歩 著「ドラッカーと論語」238〜239ページ

と記し、日本社会の立場主義組織にドラッカーを理解させるための「誤訳」と説いています。

実際、サラリーマンとして12年間、大企業に勤務した経験を持つ私にとっても、組織の論理・哲学に染まることを要求される日本企業の現在の在り方にドラッカーをインストールする際に、気をつけていますので、とても賛同できるものです。ただし、この後、安冨氏は重要な指摘をしています。

「真摯なドラッカー」はすでに賞味期限が切れている、と考える。というのも、日本型の立場主義組織が機能する時代は終わってしまったからである。現代ではすでに、そのようなものは桎梏(しっこく:手かせ足かせ。自由を束縛するもの。)となっており、日本社会を苦しめてさえいる。何もかもうまくいかない、という絶望の中で、人々はなけなしの立場にますますしがみつき、自暴自棄となっている。

「ドラッカーと論語」240ページ

「失われた30年」と言われる、日本だけがほぼゼロ成長の30年間、震災、パンデミック、税と社会保障費合わせた国民負担率が50%を越えようとする超負担社会、そして、近い将来の台湾・尖閣有事、そして戦争といった危機を回避しながら、増大する医療福祉費、そして、少子化社会の中で経済をどう拡大するか、など課題は山積している中、僕たちは生きています。

この後、安冨氏は、「真摯なドラッカー」が期限切れだからこそ、現代日本に相応しい新しいドラッカーを見つける試みとして、「論語」に基づいてドラッカーを読むこと、と論じています。

安冨氏が2014年に「論語」に基づいてドラッカーを読む、と提唱してから早9年。2023年、どの企業も経営に苦しみ、メンタルヘルスに苦しむ事業所は10%を越えていて、閉塞感の中で、誰もが懸命にもがいている様に思います。

2023年、時代を経てきて、いくつかの企業コンサルをしてきた中で、ようやく「仕事に真摯な人」から「人としての誠実さをもつ人」へと、元々のドラッカーの意味が通じる時代が職場に到来したような、そんな感覚を持っています。

自分を大事にすることは他人を大事にすること、といった人権意識も根付いてきて、むしろ、昭和・平成の時代には高評価だった「「仕事に真摯」だけど、家庭や周りには不親切な社員」は社内からも社会からも、かつてのような尊敬は得られず、昇進や高評価にはつながらなく成りつつあるように感じています。

逆に、昭和・平成では評価が微妙だったような「誠実に仕事に向き合い、誠実に関係先にも社内にも人に向き合う」人が高評価となる時代に成りつつあることを感じます。

2023年、それぞれの立場からこうした課題と向き合い、機会を発見していくことで、個人の幸せとより良い社会の実現に向かって一歩ずつ進んでいく時です。今年もやっていきましょう。

#組織の精神はトップから生まれる


 真摯さを絶対視して、はじめてマネジメントの真剣さが示される。それはまず人事に表れる。リーダーシップが発揮されるのは真摯さによってである。範となるのも真摯さによってである。
 真摯さはごまかせない。ともに働く者とくに部下には、上司が真摯であるかどうかは数週でわかる。無能、無知、頼りなさ、態度の悪さには寛大かもしれない。だが、真摯さの欠如は許さない。そのような者を選ぶ者を許さない。
 このことは、とくにトップについていえる。組織の精神はトップから生まれるからである。組織が偉大たりうるのは、トップが偉大だからである。組織が腐るのはトップが腐るからである。「木は梢(こずえ)から枯れる」との言葉どおりである。
 範とすることのできない者を高い地位につけてはならない。

(『マネジメント-課題・責任・実践』)


ACTION POINT
#ヘッドハンティングをされたならば
#先方のトップの人となりを見てください
#仕事は真摯な人たちとしてください

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