アメシストの宝石信仰
葡萄の季節、サロンでアメシストについてのレクチャーを開いたことがあります。
時には宝石鑑定士らしい、そして私らしい活動もしたいかも…と企画しました。鉱物学的な話はもちろんのこと、アメシストのギリシャ神話、宝石信仰、宝石療法、色彩学としての紫についてもお話させて頂きました。(→詳しくはお代をいただいて参加された方がいらっしゃいますのでここでは触れませんがほんの少しだけ…)
現代ではアメシストは2月の誕生石、という位置付けですが、誕生石自体も歴史を辿ると宗教学的に深い意味があることがわかっています。
また、3世紀の中国には世界で初めての薬学書「神農本早経」というものが発刊されましたが、その中でアメシストは
粉末にして服用すると不老不死の功が得られる
と記述があると知りました。(出典:天然石のエンサイクロペディア 飯田孝一)
皆さまが例え不老不死を望んでいらっしゃるとしても!この方法は試さないでほしいですが、それほどまでに宝石というものは先人たちに特別な力がある存在として崇められていたということを表しています。
そしてこちらはアンティークマイセンの秋を表すフィギュア。葡萄の冠をかけられた天使は、アメシストの名前の由来ともなったギリシャ神話の酒の神ディオニュソス(ローマ神話:バッカス)連想させています。飲み干して転がしたカップに寄りかかる酔っ払いの天使。纏う布はまさにディオニュソスを描く絵画同様に紫色。葡萄は秋、そして豊穣、そしてディオニュソスの意味合いでマイセンのフィギュアにはよく登場します。
真実の愛 誠実 平和 酩酊のコントロール
酒の神ディオニュソスに悪戯されて逃げ惑うアメシストを月の女神が助け、アメシストを美しい透明な石杯に変えてしまいます。酔いから覚めたディオニュソスは自分の愚かさを恥じて涙ながらに石杯にお酒を注いだところ、石杯が葡萄色に染まった。以来反省し、ディオニュソスは葡萄酒の製作に努力するようになった。(ギリシャ神話)
酩酊、感情のコントロールを可能にする石と言われるようになり転じて真実の愛、誠実、平和などがアメシストの言葉となりました。
酩酊してお困りの方、真実の愛を知りたい方はアメシストのジュエリーも是非Wish Listに書いてくださいませ♡
*1枚目写真のダイヤモンド✖️アメシストのジュエリーは限定数を超えたためSold outとなっております。