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2023年10月19日、日本株式市況


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Nikkei Charts




  • 日本光電<6849>は第2四半期業績予想の修正を発表。売上高は985億円から1030億円、営業利益を60億円から70億円に上方修正した。国内では消耗品・サービス事業が想定を上回って推移したほか、為替が想定より円安に推移したことから、売上、利益ともに前回発表予想を上回る見込みとなった。2024年3月期通期予想については現在精査中であり、11月8日に予定している上期決算発表時に公表する。

  • NTT<9432>NTT東、中小支援を拡充、AIで最適な商材提案

  • タカミヤ<2445>関東に建設用足場の新拠点、研究開発を促進

  • エンシュウ<6218>独SWと提携、EV部品向けMCで協業

  • TOPPANHD<7911>富士通と医療・健康データ利活用で協業

  • 東邦ガス<9533>大陽日酸と水素設備の活用・販路拡大で協業

  • カシオ計算機<6952>12万件超の個人情報漏えい、教育アプリに不正アクセス

  • 三菱ケミカルG<4188>炭素繊維加工のイタリア社を完全子会社化

  • 三菱商事<8058>豪の原料炭2権益売却、BHPと最大6100億円

  • タムラ製作所<6768>放射ノイズ50%低減したスイッチングトランス量産

  • 浜松ホトニクス<6965>高精度大量プラ選別、反射光撮影用に新センサー

  • コスモエネHD<5021>積水化学と炭素回収・利用で連携、独自触媒でCO変換

  • 帝人<3401>スーパー大麦を欧で拡大、蘭社通じ販売

  • 三井不<8801>愛知・安城に環境対応型の大型商業施設、25年春開業

  • デンカ<4061>タイで導電材料生産、600億円投じ新拠点

  • <8081> カナデン

    • 大幅続伸。前日に業績予想の上方修正を発表。上半期営業利益は従来予想の14.5億円から18.4億円に、通期では45億円から46億円にそれぞれ引き上げた。FAシステム部材不足の改善、産業機械や家電向け半導体・デバイスの順調推移、円安効果などが背景に。上半期は8月29日に続く上方修正となる形に。なお、年間配当金も従来計画46円から48円に引き上げ。

  • <6464> ツバキナカシマ

    • 大幅反落。第三者割当による新株予約権、並びにCBの発行を発表。調達額は約150億円で、製品の増産、品質向上及び収益力の向上のための資金に充当するもよう。割当先は、今回事業提携を行うアドバンテッジアドバイザーズの傘下企業。新株予約権、CBともに当初行使価額は796円であり、同価額ですべて権利行使された場合、増加する株式数は発行済株式数の45.30%となる。潜在的な希薄化を懸念する動きが先行。

  • <7599> IDOM

    • 大幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資判断「バイ」を継続し、目標株価を1500円から1800円に引き上げている。ビックモーター問題に関してはマスコミ報道なども大分沈静化してきている印象で、今後はようやく敵失的恩恵が受けられる状況になってくるとみているようだ。小売台粗利の引き上げによって、24年2月期営業利益は156億円から182億円にまで上方修正している。

  • <4568> 第一三共

    • 大幅続落。7月の年初来安値を更新している。主力のがん治療薬「エンハーツ」について、米製薬会社シージェンによる特許侵害訴訟で敗訴したと発表している。連邦地裁では同社に対し、損害賠償4180万ドルとロイヤルティーの支払いを命じる判決を出したもよう。同社では、米国連邦巡回区控訴裁判所への控訴を含め法的措置を検討するとしている。収益水準の低下を警戒視する動きが強まっているようだ。

  • <7918> ヴィアHD

    • 大幅続伸。前日に上半期業績予想の修正を発表した。営業損益は従来予想の0.2億円の赤字から一転、0.8億円の黒字に上方修正。前年同期は5.6億円の赤字であった。客数の伸び悩みで売上高は下振れも、店舗オペレーションや商品開発の見直しなど新たな収益構造改革構築への取組みによって、変動経費のコントロールの改善が進んだもよう。政府の光熱費負担軽減支援なども支援に。なお、通期予想は従来計画を据え置いた。

  • ログリー<6579>

    • 大幅に3日続伸。自社の広告プラットフォーム「LOGLY lift」で、世界最大の独立系セルサイド広告企業である米Magnite社とRTB(リアルタイムでの広告枠競争入札)接続を開始したと発表している。Magnite社と取引契約を締結している国内外の運用型広告入札者はログリーの提携メディアへの買い付けが可能となり、数多くの媒体へ様々なフォーマットで配信できるようになるという。

  • ヘッドウォーター<4011>

    • 大幅に続伸。独シーメンスのBox PC「IPC520A」、米NVIDIAのエッジコンピューティング「NVIDIA Jetson Xavier NX」を使い、産業用メタバース活用支援ソリューションを開発したと発表している。工場や店舗など遠隔地の状況をAIカメラで撮影し、データをリアルタイムで仮想空間に反映する。NVIDIA国内1次代理店の菱洋エレクトロ<8068>の協力を得て「第2回メタバース総合展」でシーメンス、NVIDIAと共同でソリューションを紹介する。

  • イメージマジック<7793>

    • 伸び悩み。株主優待制度を新設すると発表している。毎年12月末現在の株主を対象に自社が運営するECサイト「オリジナルプリント.jp」で利用可能な3000円分相当のクーポンを贈呈する。自社の商品やサービスに触れてもらい、オンデマンドプリントサービス事業への理解を深めてもらうとともに株式への投資の魅力を高め、中長期的な保有を促すことが目的。

  • <6526> ソシオネクスト

    • 大幅反落。前日は、TSMCの2nmプロセステクノロジーを用いた32コアCPUチップレットの開発においてARMおよびTSMCと協業すると発表し、株価は急伸する展開となっていた。ただ、米長期金利の上昇に伴って昨日のSOX指数が1.7%の下落となり、国内でも半導体関連が大きく値を下げていることから、反動安の動きが強まっているもよう。両社とは従来からつながりもあり、昨日の急伸はやや過剰反応だった印象も。

  • <6976> 太陽誘電

    • 大幅反落。モルガン・スタンレーMUFG証券では投資判断を「オーバーウェイト」から「イコールウェイト」に、目標株価も5000円から4000円に引き下げた。23年3月期第4四半期をボトムに業績改善は続くとの予想に変化ないとしているが、MLCCの減価償却費増、MLCC以外の製品の競争激化などを想定し、業績数値は下方修正した。また、CB発行による株式の潜在的希薄化の影響も考慮するとしている。

  • <6966> 三井ハイテク

    • 大幅反落。米長期金利の上昇を受けて、本日の株式市場ではグロース株がきつい下げとなっている。また、同社に関しては、EV関連の代表銘柄の一つとして、米テスラの決算内容などもマイナス視されているとみられる。テスラの7-9月期売上高は233.5億ドルで市場予想の241億ドルに未達となり、伸び率は約3年ぶりの低水準となっている。利益も市場予想を下振れ。事前に発表済みだが、世界出荷台数はこの1年余りで初の減少となっている。

  • <8237> 松屋

    • 続伸。日本政府観光局が前日に発表した9月の訪日客数は218万4300人となり、19年同月比で96.1%の水準、新型コロナ前の水準をほぼ回復する形になっている。着実な持ち直し傾向の継続が確認されたことで、同社などインバウンド関連の買い材料につながっているようだ。なお、7-9月の1人当たり旅行支出は19年同期比29.4%増にまで拡大し消費総額は四半期ベースで過去最高となっているもよう。




  • 本日の東京株式市場は売りが先行した。前日の米主要株価指数が下落したことが東京市場の株価の重しとなったほか、日米長期金利の上昇に加えて中東情勢の緊迫化や米国による対中半導体規制の強化、米財政運営の先行き不透明感など警戒材料が多く、売り手優位の状況が続いている。また、中国・香港市場も主要株価指数が大きく下落しており、投資家心理の重しとなっている。なお、取引開始前に発表された9月の貿易収支は624億円の黒字で、QUICKがまとめた民間予測の中央値は4250億円の赤字だった。黒字は3か月ぶりで、中国向けの食料品の輸出額が98億円と前年同月比で58%減少したようだ。

  • 取引開始前に発表された対外及び対内証券売買契約などの状況(週間)によると、海外投資家は10月8-14日に国内株を3週連続で買い越しており、買越額は1兆2599億円だったが、直近のネガティブ材料を打ち消すような内容ではなかった。他方、バイデン大統領は、ガザの病院での爆発についてイスラエルの責任ではないことを示唆する米国防総省の証拠を確認したようだ。ただ、アラブ諸国の指導者らは18日にヨルダンで予定されていたバイデン大統領との首脳会談をキャンセルしており、中東の地政学リスクは不透明感がぬぐえない。

  • 日本株が米金利に翻弄されている。19日の東京株式市場で日経平均株価は前日比611円安の3万1430円で取引を終えた。急ピッチの金利上昇で株価の割高感が強い半導体株が売られた。ニューヨーク外国為替市場で円安が進んだものの輸出関連株も上値が重く、内需株ぐらいしか物色対象が見当たらない展開だ。

  • 「手を出したいけど出せない」。ゴールドマン・サックス証券の石橋隆行ヴァイス・プレジデントは足元の投資家心理をこう表現する。18日に米長期金利は4.9%台まで上昇し、5%の大台に迫る。「国内金融機関の中には米債の含み損が膨らみ、やむなく日本株を売るところも出てきた」という。

  • けん引役だった海外投資家も「動けていない」(石橋氏)。主因はドル高だ。円やユーロなど主要通貨に対するドルの強さを示す「ドル指数」は足元で106台半ばと、10月に付けた高値(107)まで切り返しつつある。

  • 運用成績をドル換算で計ることが多い海外勢にとってドル高・円安の進行は海外投資の余力をそぐ。足元で円相場が1ドル=150円台に迫る中でも、19日は三菱自動車が5%安、安川電機が4%安と輸出関連株に売りが広がった。

  • ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「ドル円の150円台が迫る中では為替介入が意識されやすいうえに、決算シーズンを前に円安による業績の上方修正期待もほとんど株価に織り込まれている」と指摘する。

  • さまようマネーは内需株に向かった。19日の業種別日経平均の上昇率上位には陸運、食品、鉄道などが並ぶ。「ここまで金利が上がれば米景気の後退懸念すら高まる。比較的影響を受けにくい内需株くらいしか買えない」(石橋氏)

  • 日本時間夜には米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演も予定される。市場が金融引き締めを強めるタカ派姿勢を嗅ぎ取れば、日本株の反発も望みにくい。

  • 日経平均への寄与度が大きい東エレクやアドテスト、レーザーテクなど半導体関連の下落が目立った。18日の米市場で米長期金利が約16年ぶりの水準に上げ、米ハイテク株が売られた流れを引き継いだ。国内の長期金利が10年3カ月ぶりの高水準になったことも株価の重荷となった。上海や香港などアジア株の下落が投資家心理に響き、海外の短期筋などが株価指数先物に売りを出した。

  • もっとも、インバウンド(訪日外国人)関連の一部には物色が向かった。日本政府観光局(JNTO)が18日発表した9月の訪日客数は新型コロナウイルス流行前の水準をほぼ回復。京王や小田急、JR西日本などの鉄道株が堅調に推移した。

  • 東証プライムの売買代金は概算で3兆1665億円。売買高は12億3463万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1394で値上がりは401、横ばいは41銘柄だった。

  • 19日の国内債券市場で長期金利の指標である新発10年物国債の利回りは前日を0.035%上回る0.840%に上昇(価格は下落)した。日銀が異次元緩和に踏み出した3カ月後の2013年7月以来、10年3カ月ぶりの高さとなった。18日の米長期金利が4.9%台に上昇し、国内債にも売りが出た。このままなら国内長期金利の前日からの上昇幅は今月4日以来の大きさとなる。

  • 日銀はきょうここまで、臨時の国債買い入れオペ(公開市場操作)などを通知していない。金利上昇を抑える日銀のアクションがみられないことで、午後の取引で利回りは一段と上昇した。午前の長期金利は0.825%だった。

  • 日銀が今月末の金融政策決定会合でまとめる「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、物価見通しを上方修正するとの観測報道が相次いでいる。市場では「金融政策を修正するとの思惑は根強く、債券の買い手は少ない」(国内証券の債券ストラテジスト)との見方があった。

  • 19日の財務省による残存期間「5年超15.5年以下」の国債を対象とした流動性供給入札は、応札額を落札額で割った応札倍率が3.58倍だった。前回(3.29倍)を上回ったが、今年度の平均などと比べれば低く「弱めの結果だった」(三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト)という。1年物TB入札も平均落札利回りが上昇し弱い結果と受け止められた。これも午後の債券相場の重荷になった。


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