疾(と)き者たち【大相撲名古屋場所4日目 幕下上位 時栄-寺沢】
写真はふた場所前、3月場所のものである。土俵に立っているひとと、それを鋭い視線で見ているひとがいた。いつかその対戦が実現すればいいなと思いながら、このときも見ていた。なにせ幕下以下は星が合って番付が近い、という非常にシビアな条件があるわけで、それぞれの入門以来(初土俵は1年違うのだが、実質1-2場所くらいのずれだったのかなあ)、ここまで対戦には至っていなかった。2年前の名古屋場所、各段優勝の写真では隣同士に並んでいたんだなあというのは、昨日気がついた(遅い)。
名古屋場所の番付で、このしゃしんの右で見つめている時栄(時津風部屋)と、土俵に上がっている寺沢(高砂部屋)が、東西の幕下6枚目に並んだ。番付が出たときに(本音を申せば寺沢5枚目以内にと思ってたのでアチャーというのはあったが)、おお今度こそ対戦か?とわくわくして、場所前に一旦できあがって1枚描いてみた。双子コーデか。
しかしながら、東3枚目の千代の海が休場(ちと心配である……)となったので、若干ずれて、一番相撲での対戦にはならなかった。
初日に出てきた時栄、2日目の寺沢、ともに、むちゃくちゃ充実した勝ちを経て、ついに、1勝同士で初めての対戦。学年ひとつ違いだが、学生の頃には対戦があったようで。
土俵上に並んだときにどんなふうに見えるのだろうかというのがまずたのしみだった。もちろん相撲の展開そのものもだけど、まずは並べて見たかった。色白で大きくはないけど動きははやく、という、そのスタイルが、どのようにぶつかるのだろうかと思っていた。ベースカラー若干違うなあとか妙な発見があったりしたけれど(そこ
初めての対戦は、立合いさっと上手を引いた時栄が主導権を握り、一気に攻め込んだ。はやい決着だった。きょうは七夕で(あ、宮城もそうだろうけどわたしの界隈も七夕は8月7日です)短冊には「両方勝ちますように」と書きたい気分だったが、そんなわきゃないので仕方ない。
むしろ、わたしがこの相撲を見て思ったのは、これからできるだけ多く、この対戦を見てみたいということであった。互いに勝ったり負けたりしながら、切磋琢磨しながら、ともに大銀杏を揺らしながら、彩りに溢れる締め込みに身を包みながら、何度も何度も仕切りをしながら、熱さに上気したからだをタオルで拭いたりもしながら、先手を争いながら、いっぱいいっぱい駆け引きしながら。そしてそこに声援を送れるようになることを、楽しみにしたい、そう、つよく思ったのだった。
だから元気にこの先を突き抜けてほしいと。それぞれに対してそう願うことはこれまでもいっぱいあったけれど、戦うところが見たいなあとここまで思うに至ったのは、きょうが初めてだった。
3日後に備え、そろそろ暑さ対策を考え始める。取り急ぎ。場所に入って、ずっと、はやく寝よう寝ようと毎晩思っているが、そんなにそんなに眠れずにいる。