国産の人工衛星を国産のロケットで打ち上げる時代へ!
国産の民間衛星を、国産のロケットで打ち上げるってロマンがあっていいよね〜
先日の4月19日、九州大学発のベンチャー企業、「QPS研究所」が自社の開発する人工衛星を、国産ロケットの「イプシロンロケット」で打ち上げることを発表した。
「イプシロンロケット」はIHIエアロスペースの開発するロケットだ。量産化を目指しており、これまで5度の打ち上げに成功している。
人工衛星を開発する「QPS研究所」は、SAR衛星と呼ばれる、レーダー観測衛星を開発する宇宙ベンチャーだ。同社はこれまでに、2機のSAR衛星の打ち上げに成功している。(1号機「イザナギ」と2号機「イザナミ」)
今回の「イプシロンロケット」では、3号機と4号機の打ち上げに向けて準備する予定だ。
1. 人工衛星打ち上げは海外のロケットベンチャーに奪われている現状
今回、発表されたこのニュース。「国内の民間企業が開発した人工衛星が、国産ロケットで打ち上げられる」ことは非常に重要だ。
現在の宇宙業界において、国内の企業が製造した人工衛星が、国産ロケットで打ち上げられる例はあまり多くない。
例えば、日本の宇宙ベンチャー「Synspective」の開発したSAR衛星「Strix β」は、先日3月1日に、アメリカ、Rocket Lab社のElectronロケットで打ち上げられた。
また、既に打ち上がっている、QPS 研究所の1号機「イザナギ」、2号機「イザナミ」はアメリカ、Space X社のFalcon9で打ち上げられている。
日本は世界でも数少ない、ロケット打ち上げ技術をもつ国だ。
しかしながら、現状、ロケットの多くは海外で打ち上げられている。
国内の宇宙産業を盛り上げるためにも、今回の打ち上げ発表は、非常に重要な意味を持つだろう
2. SAR衛星のコンステレーション構築を目指す「QPS研究所」
今回、「イプシロンロケット」の打ち上げを発表したQPS研究所は、SAR衛星による常時の地球観測を目的として、結成された企業だ。
九州大学を中心として、九州各地の中小企業と連携しながら、衛星の製造を推進している。
将来的には、全36機のSAR衛星による地球観測体制を構築する計画をもっており、異常気象や災害の多い日本において、重要な存在となっている。
地球観測体制の構築は、日本全体で盛り上げていく産業だ。
余談だが、
先日、日本のバンド「Dragon Ash」のCDジャケットに、QPS研究所のSAR衛星によって撮影された画像が採用された。
SAR衛星画像は白黒の画像が特徴的となっているが、その白黒がCDジャケットとしても存在感をもち、非常にカッコいいデザインとなっている。
宇宙産業が更に盛んになるにしたがって、もっと人工衛星が身近になるといいよね〜〜