猛毒なイソギンチャクが育む独特な生態系
海の中でゆらゆらと揺れるイソギンチャク。
実は猛毒をもった生き物として有名だ。
イソギンチャクの触手には猛毒があって、もし海を泳ぐ魚がその触手に触れると、体が麻痺して動けなくなってしまう。
そんな猛毒な触手を持つイソギンチャクだが、その触手をものともせずに、イソギンチャクと一緒に暮らす生き物たちがいる。
以前の投稿で、イソギンチャクと一緒に暮らすクマノミの生態を紹介した。クマノミはイソギンチャクの毒が効かないことで広く知られている。
今回はクマノミ以外にもイソギンチャクの毒が効かない生き物を紹介したい。
1. イソギンチャクカクレエビ ~ イソギンチャクの中に潜む透明なエビ ~
まず紹介したいのは、「イソギンチャクカクレエビ」という小型のエビだ。
「イソギンチャクカクレエビ」はイソギンチャクの触手に潜む透明なエビだ。
体長は大きくても3cm程度の大きさで、ダイビングで見つけようと思うと、非常に見つけ難いエビだ笑
イソギンチャクを住み家とするエビは意外に多く、「イソギンチャクカクレエビ」以外には、「イソギンチャクモエビ」や「アカホシカクレエビ」などがいる。
ダイバーにとっては、イソギンチャクに潜むエビたちを見つけることは非常に人気で、「イソギンチャクカクレエビ」たちはダイバーからの人気も非常に高い。
2. キンチャクガニ ~ イソギンチャクを武器とするカニ ~
次に紹介するのは、「キンチャクガニ」という小型のカニだ。
このカニは、イソギンチャクの触手を引き抜き、ハサミで持ち歩く習性がある。もし天敵がこのカニに近づくと、ハサミで持ったイソギンチャクを天敵に向けてくるのだ。
つまり、「キンチャクガニ」は、イソギンチャクを身を守る武器として使っている。
「キンチャクガニ」が、両方のハサミでイソギンチャクを持ち歩く姿は、応援などで使われるポンポンをもつ姿と非常によく似ている。
このことから、「キンチャクガニ」は「海のチアリーダー」とも呼ばれることもあり、非常に人気の高いカニだ。
3.ミツボシクロスズメダイ~ イソギンチャクの毒が通用しない魚 ~
最後に紹介するのが、「ミツボシクロスズメダイ」という魚だ。
「ミツボシクロスズメダイ」は、クマノミとならび、イソギンチャクの毒が通用しない魚として知られている。
黒い体と白い斑点が特徴的なこの魚は、群れを作ってイソギンチャクの周りを泳ぐ姿をよく見ることがあり、太平洋側の海では普通に見られる魚だ。
伊豆半島のダイビングだと、クマノミの住むイソギンチャクの周りで泳ぐ姿をよくみるね。
小さくて非常に親しみやすい魚だ。
猛毒として知られるイソギンチャクだが、その周りには独特な生態系を形成している。
非常に興味深い生き物たちだ。