人工衛星経由インターネット構築に向けて~OneWebとサウジアラビア企業の提携~
人工衛星を使ったインターネット通信の構築を目指すOneWebが、サウジアラビアの企業と合同でベンチャーを立ち上げると発表した。
このサウジアラビアの企業はNEOM Tech & Digital Holding Companyという会社であり、サウジアラビア政府の支援を受けている。
NEOMはサウジアラビア北西部で建設が予定されている、新しい都市開発のために設立された事業体だ。この都市は近代的な都市であり、通信容量としては数十テラバイトを想定している。今回OneWebはこの通信容量の提供のために協力することが決まった。
OneWebとNEOMの共同で立ち上げられた企業は、通信容量の確保および近隣諸国への容量再販を目的として、総額2億ドルの資金が投入される予定である。
1. OneWebとは
OneWebは人工衛星を使ったインターネット通信の実現を目的としている。
これまで独自に人工衛星を打ち上げており、348台の通信用人工衛星が打ち上げられ、衛星コンステレーションを構築している。
最終的には648台の衛星コンステレーションを構築する予定だ。
このサービスは今年に北半球でリリースされた。来年はサービスを全世界に展開する予定だ。
OneWebが構築するサービスへの期待は高く、日本では携帯会社大手のソフトバンクが出資するなど、多くの資金を集めている。
2. 強力な競合企業
大きな期待を集めるOneWeb。しかし、人工衛星を使用したインターネット通信には協力なライバル企業が存在する。
イーロン・マスク率いるスペースXだ。
スペースXはOneWebと同様に、人工衛星を使ったインターネット通信を構築するスターリンクというプロジェクトを走らせており、今年の8月、全世界に対してサービスをリリースした。
また、スペースXはフィリピンの通信会社と提携を発表するなど、サービス拡大に向けて動きを活発化させている。
人工衛星を使用したインターネット通信は、近い未来必ず主流となるインターネット通信になると個人的に予想しているが、OneWebとスペースXがサービス展開に向けて積極的に動くニュースが多くなってきた。
一種の国取合戦のような雰囲気だ。
この流れは日本にも影響を与えるだろう。SoftbankやKDDIなど実際に具体的な動きも出始めている企業もあるので、今後の動向は注視していきたい。
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