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【山梨県①:西湖】奇跡のクニマスの地へ

1週間ほど山梨県に滞在していました。

山梨県は、東京から電車を乗り継いで3~4時間ほど行けます。
非常に身近な県ではありますが、実はあまり訪れる機会がありませんでした。

そんな身近にありながら縁遠かった山梨県を訪れようと思ったきっかけが、以下の本を読んだことでした。

「絶滅魚 クニマスの発見 -私たちは「この種」なら何を学ぶか-」(中坊徹次 著: 新潮選書)

この本は、山梨県にある西湖で見つかったクニマスという魚について、その発見に携わった京都大学の中坊徹次教授が書いた本です。

クニマスは元々秋田県の田沢湖のみに生息していた固有種でした。しかし、過去の開発によって田沢湖のクニマスは絶滅してしまいます。

そんな絶滅したと思われていたクニマスが、10年ほど前に遠く離れた山梨県の西湖で発見されたというニュースとして非常に話題になりました。

私もそのクニマスのことはなんとなく覚えていて、この本を手に取りました。内容は、クニマスと確定するまでの困難さや、生態系を取り戻す苦労などが書かれていて、非常に興味をそそる内容でした。

「西湖はどんな場所なのか?」「クニマスはどんな姿をしているのか?」そんな疑問が湧き上がり、今回、山梨県を訪れて、真っ先にクニマスが生息する西湖を訪れました。

富士山の麓に位置する西湖

西湖は甲府駅から車で1時間ほどの場所にある「富士五湖」の一つです。近隣には河口湖や本栖湖があります。

この西湖の畔にクニマスについて展示されている「-奇跡の魚-クニマス展示館」が建てられています。

-奇跡の魚-クニマス展示館

この「-奇跡の魚-クニマス展示館」は、クニマスの発見をきっかけとして平成28年に建てられた施設です。

元々秋田県にある田沢湖の固有種であったクニマスが、
 ・なぜ西湖で発見されたのか?
 ・なぜ田沢湖では絶滅してしまったのか?
 ・なぜ西湖で生き延びることができたのか?
について分かりやすく紹介しています。

さらに、西湖で捕獲されたクニマスの生きた姿が見られるのも、この施設の特徴でした。


西湖を訪れる前に、上記で紹介した本は読んでいましたが、実際にクニマスを目の前にすると、色々なことを考えましたね。

「全国に移植が試みられていたクニマスが西湖だけで生き残ったことの奇跡」
「現状の田沢湖では、クニマスが里帰りして生きていくことが困難」
「そもそもクニマスは『国内外来種』になってしまうのでは?」といった疑問

などです。

やはり、実際に足を運ぶことは、新たな発見になります。レンタカーを借りて、移動は大変でしたが、実際にクニマスを目にすることができて、本当に良かったです。



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