2024年中日ドラゴンズドラフト展望
1.はじめに
今回は中日ドラゴンズの2024年ドラフト展望を個人的解釈でお届け出来たらと思っています。よろしくお願いします。
2023年6月より私はサラリーマンスカウトさん(X:@sarasuka001)のオンラインサロンに参加しており、定期的に開催される仮想ドラフトを23年度は1回ずつ振り返りしながらドラゴンズのドラフト展望を語っていました。
しかし24年度に入り現地観戦数が昨年比の2倍ペースで重ねていることもあり、noteとして提供出来る投稿に費やす時間の確保が難しくなっていた為更新が疎かになっていました。
なのでまずは24年度に開催された6回の仮想ドラフトを振り返りながら今年のドラフトに対してどのように立ち回るのがベストか、個人的な最適解を導き出したいと思います。
2.仮想ドラフトを振り返る
2-1 2023年12月開催回
まずは2023年12月に開催された仮想ドラフトの振り返りです。この回は1度振り返りをしているので簡単に触れたいと思います、詳細は下記のリンクから過去のnoteを見ていただけると幸いです。
昨年末の段階から1位は関西大学の金丸夢斗投手(神港橘)に狙いを定めていたので、迷いなく1位入札をした回となっています。12月回は4球団競合の末に金丸投手を獲得したので、2位以下は事前にシミュレーションした選手を順に獲得する運びでした。
この頃から24年の補強の柱として
・即戦力左腕投手(大学・社会人)
・将来性ある高校生右腕
・強打の見込める左打者
こちらの3点を最重要補強ポイントと位置付けして仮想ドラフトを展開しました。12月回はまだドラフトまで1年近くあるのと、24年シーズンが始まる全然前なので展望・ビジョンが見えにくい中での開催だったこともあり4巡指名で終了となりましたが、中日陣営としては非常に良い指名が出来ていたと思います。
2位では強打の左打者として豊川高校のモイセエフ・ニキータ選手、3位では高校生右腕として作新学院の小川哲平投手をそれぞれ指名。2人とも直前の明治神宮野球大会での活躍が光っていたこともあり、陣営内でも指名したいという声が多かったので2人とも指名出来たこの回は良かったと思います。
そして4位で桐朋高校の森井翔太郎選手を指名しました。今だから言えますがこの時から森井選手に注目していた我々の隻眼は素晴らしいなと思いました。秋の東京都大会では早々に敗退してしまい、この時点ではほぼほぼ日の目を浴びていなかった選手だったと思いますが、陣営内でも私を中心にどうしても欲しい左打者として強く推薦をしていた打者でした。結果的の12月回では4位指名で獲得出来ましたが、この先彼の評価が急上昇すると誰も想像していなかったと思います、そういう意味では先見の明があった指名だったのかなと思います。
2-2 2024年4月開催回
24年4月開催回です。24年になって最初の仮想ドラフトということで本格的に野球シーズンが到来し、高校野球は3月にセンバツ、大学野球は4月から春季リーグ戦、社会人はJABA大会が各地で開催されプロ野球もペナントレースが開幕している中での仮想ドラフトの開催とあって、秋のドラフトに向けて展望がぼんやりと見えてくるタイミングでした。
そんな中で中日陣営としては1位は12月同様に金丸投手という意見が多かったのですが、中日ドラゴンズのお膝元である愛知県から愛知工業大学の中村優斗投手(諫早農業)の存在も忘れることは出来ないという意見もあったので4月はこの2人で非常に悩みました。
そこで春季リーグ戦が始まっている時期だったこともあり2人の視察を私がすることになりました。そこで光った方を指名するという方針で実際に関西大学と愛知工業大学の試合を視察しました。
まずは愛知大学野球連盟の春季リーグ戦開幕戦に足を運び愛知工業大学の中村優斗投手を視察しました。2024年4月6日、相手は愛知学院大学でした。この日は初回の先頭打者に10球以上粘られる少し不安な立ち上がりでしたが、初回から奪三振を奪うなど無失点に抑えます。5回終了時に8奪三振無失点の好投を見せていましたが、中村投手の本領はここからでした。
6回は人が変わったかのような打たせる投球で5球の球数で三者凡退にしましたが、7回以降はランナーを背負いながら力で押す投球で奪三振の山を築きます。8回はランナーを1塁に背負いながら打者の送りバントを一切させないオールストレート押しでスリーバント失敗、後続の打者もオールストレートで三振を奪うなど明らかにギアを1段上げての投球に相手打線はお手上げでした。
最終回も3者連続奪三振で見事な完封勝利を16奪三振で記録しました。この日の中村投手はバックネット裏で見ていて誰もバットに当てさせないといった覇気を感じるような投球でした。この試合に関しては中村投手が終始相手を制圧するといった内容だったこともあり、私はこう思いました。
「金丸投手は今日の中村投手を超えることが出来るのだろうか」
その答えを探して今度は金丸投手の視察に関西学生連盟の春季リーグ戦に行きました。2024年4月20日、相手は立命館大学でした。
金丸投手はこの日先発して序盤から立命館大学に隙を与えない完璧な投球で序盤5回を被安打2無失点の内容でした。この日の相手が立命館大学ということで今年のドラフト候補である竹内翔汰選手(創志学園)との対戦に注目が集まっていましたが、この日の金丸投手はコントロールを1度も間違えないくらいコーナーへの制球力、内外の変化球の出し入れの正確性が完璧すぎて竹内選手は全く手も足も出ないくらい完膚なきまでに抑えられた、そんな3打席の対戦に見えました。特に第2打席の対戦では追い込まれてからバットは真っ二つにへし折られフライに打ち取られるシーンがあり、完全にこの日は金丸投手の勝ちでした。
金丸投手は終わってみれば9回を投げ与四死球0奪三振10無失点の完封勝利でした。特に印象的だったのが正確無比のコントロールとピンチでのギアの上げ方でした。この日の立命館打線は金丸投手を前に終始湿りっぱなしでしたが、唯一のチャンスの場面で金丸投手がギアを1段上げてビタビタに制球されたボールを投げ込んでピンチの芽を摘み取りました。このシーンを見た私は先発投手としての完成度、プロに入ってからの即戦力度合は金丸投手が1枚も2枚も上手だなと思いました。
視察した結果余計に悩んでしまいましたが、”あの日の中村投手を金丸投手が超えてきたのか”、その点について振り返った時に個人的な意見としては超えては来なかったという結論に至りました。
あの日の中村投手はプロの投手でも見たことのないような観客全員を酔いしれさせる圧倒的制圧力を見せていたので、いくら金丸投手でもそれを超えるのは難しいという判断になりました。
話は長くなりましたが、4月の仮想ドラフトは1位を中村投手で行くことにしました。仮想ドラフト前のドラゴンズは開幕ダッシュに成功して6連勝するなどセ・リーグの首位に立っていたこともあり、この時点ではあまり補強ポイントというのが見えてこない部分がありました。しかしいずれは先発投手の駒不足に直面するだろうという見立てはありましたし、野手に関しても丁度上振れの部分を見ているだけでいざ下振れしたときに選手層でリカバー出来る戦力なのかどうか、そういった視点で見てしっかりと仮想ドラフトに反映していかないとという思いはありました。
開幕ダッシュに成功した投手陣の内容を見ていると連勝中は先発投手に勝ちがしっかり付いており、それは先発がしっかりとイニングを投げている証拠でもありました。しかし4/21時点までで完投する投手は0(降雨コールドによる松葉投手の完投は除く)、勝ち試合でもそうじゃない試合でも勝ちパターンの投手が重用されているのを見ていずれは投手陣が苦しくなるだろうという見解がありました。
4月末時点では4年目の若きエース・髙橋宏斗投手(中京大中京)が調整遅れで1軍に居ないなど髙橋投手復帰の上積み分はありましたが、ローテ内に中6日で回せない手術明けの大野雄大投手(佛教大学)と梅津晃大投手(東洋大学)が入ってる時点で少し運用は苦しいかなと思っていました。それを考えると来季より稼働が見込める即戦力投手の獲得は最重要事項と位置付けしていたため、金丸投手と中村投手の2択で考えていたのはある意味必然的だったかなと。
またファームでも当時育成選手の松木平優太投手(精華・7月に支配下昇格)が好成績を挙げるなど頑張っていましたが、松木平投手に続く若手投手がこの時点では居なかった為、将来性の観点からもプロスペクトと呼ばれる投手の獲得も必要と考えていました。髙橋投手以降の世代で右投手の支配下投手が0人だったこともあり、今年の市場を見て獲得するなら右投手というのが理想でした。
野手に目を向けてみると23年にベストナインに輝き若手侍ジャパンにも選出された岡林勇希選手(菰野)はオープン戦序盤の右肩の故障が原因で開幕一軍を逃し、4月仮想開催のタイミングでようやく復帰した頃でしたが、それまでの間に岡林選手不在の穴が露呈した試合が多く、センターを守れる選手というのは野手補強の中でも重要視するポイントでした。
他にも中田翔選手(大阪桐蔭)や細川成也選手(明秀日立)などスタメンを張る選手、石川昂弥選手(東邦)やブライト健太選手(上武大学)など直近5年で加入した若手野手の多くが右打者という観点から左打者の長距離砲の獲得は昨年からの悲願でした。しかし昨年は支配下で左打者を獲得しなかった背景があるため、今年は左打者の獲得が至上命題だと思われ、ここもポイントの1つと位置付けしていました。
以上の要素を総合して4月仮想ドラフトに臨みました。1位は話し合いの結果愛知工業大学の中村優斗投手の入札に決めましたが、話し合いの中では単独指名が行けるのではないかと予想していました。しかし蓋を開けると中村投手は千葉ロッテとの2球団になりましたが、抽選の結果見事当たりを引き当てたので1位は中村投手になりました。
2位の所では12月回で4位指名した桐朋の森井選手を指名予定でした。というのも2位で左の長距離砲の獲得を目指していましたが、4月仮想回では開幕ダッシュに成功したこともありセ・リーグ2位での仮想ドラフト参加となった為ウェーバーが遅かったので、2位で桐光学園の森駿太選手や豊川のモイセエフ選手は難しいと判断し森井選手を指名予定でした。しかしその森井選手も先に取られてしまった為、次に補強ポイントと位置付けしていた高校生右腕の獲得を目指し、残っている中で1番と考えていた知徳高校の小船翼投手を指名しました。
3位では左の強打者のリカバリーとして愛工大名電の石見颯真選手を指名しました。石見選手は春の選抜から遊撃手にチャレンジしており、一部の人から「また遊撃手か・・・」という声がありましたが、個人的には石見選手をそこで見るのではなく、強打の左打者という観点で見て欲しいという気持ちがあり指名しました。昨秋の東海大会では引っ張りで場外ホームラン、逆方向には頭を超える長打と広角にかつ確実に仕留める打撃を見せており、打撃に関して言えばニキータ選手と双璧を成していると評価していました。
4位では愛知工業大学の樋口新投手(千葉経大付)を指名しましたが、ここも金丸投手に行かなかった場合の左投手のリカバリー枠として指名しました。愛知工業大学では中村投手に隠れてますが樋口投手もえげつないボールを投げており、左腕で出力が高く変化球も切れるということで、むしろこの順位でよく残っていたなと思いました。(この時点で既に社会人内定の情報がありましたが、4月ということもあり指名しました)
5位では東海理化の核弾頭・福本綺羅選手(明石商業)を指名。この選手はセンターがしっかり守れる選手としてこの位置で指名しました。直近で彼を視察した際にドラゴンズのスカウトが数人集結していたこともあり、ドラゴンズの指名にピッタリな選手だなと思いピックアップしました。6位には阿南光の福田修盛選手を指名しました。この選手は元々指名の予定はなかったものの、陣営からの熱いリクエストがあったので指名しました。
7位は西濃運輸の吉田聖弥投手(伊万里農林)を指名しました。この選手は私が現地で見て一目惚れした投手であり、当時は球速があまり出ていなかった為ドラフト候補の選手としては見てませんでしたが、丁度仮想ドラフトが開催される前に彼の動画を見た時に明らかに球速が伸びており、自分が惚れ込んだ美しいフォームとチェンジアップもさらに磨きが掛かっていたので、自分のエゴではあったんですが指名にねじ込んでもらいました。この時点ではあまり知ってる人は居なかったみたいですが、後の活躍から今思うとこの順位でよく指名出来たなと思いました。
4月はこのような方針で7選手の指名をしました。ドラフトまで半年ある中での仮想ドラフトでしたが、半年先を睨みながらの指名が出来てとても満足しました。
2-3 2024年5月開催回
24年5月回になります。この5月回はドラフトオフィスチャンネル初の試みとなる生放送での開催となりました。それもあってか陣営内でも過去2回より時間を掛けて戦略を練りました。
生放送の1週間前には私がサラリーマンスカウトさんの動画に出演し、ドラフト関連で5本動画を撮影しましたが、その中の1本として中日ドラゴンズの24年ドラフト戦略について語るものがありますので、是非そちらも確認していただけると幸いです。下記リンクよりご覧いただけます。
こちらの動画をご覧になると見えてきますが、改めて今年の補強ポイントは3本柱であると強調しています。これは5月中旬時点でも春先同様の補強ポイントと位置付けしていました。
その中で1位は動画でも話した通り関西大学の金丸投手を入札しました。しかしこちらは4球団競合による抽選で外してしまったので次は高校生の右腕投手を指名しようと当初から計画をしていました。実際金丸投手は競合必須の今ドラフトの超目玉の選手なので、外した時のリカバー案は必ず用意する必要があり、この5月回では金丸投手を外した場合高校生右腕を指名するという方針でした。
普通に考えれば3本柱の1つ、即戦力左腕投手の指名を重ねるのがセオリーではありますが、この5月時点ではリカバー候補だった環太平洋大学の徳山一翔投手(鳴門渦潮)が春のリーグ戦で未登板のままリーグ戦を終えたことが最終的にはネックとなりました。徳山投手に続く投手として富士大学の佐藤柳之介投手(東陵)も春のリーグ戦では調子が上がらず、富士大学も優勝を逃し大学選手権行きを逃していたこともあり、1位で行くのは見送ることとなりました。
そこでもう2つの柱である高校生右腕と左の強打者にフォーカスを当ててみました。左の強打者に関してはデプス表から高校生が良いと考えていましたが、4月と同様にリストアップした選手と今回のウェーバー順(4月はセ・リーグ2位・5月はセ・リーグ6位)を考慮して2位で獲得することにして、高校生右腕の1位候補をリストアップしました。
その結果陣営内では満場一致で報徳学園の今朝丸裕喜投手を外れ1位で行こうと決まりました。
今朝丸投手に関しては私も昨年から登板試合を観戦しており、特にセンバツでの投球を見たこともあって高校生では1番だろうという評価でした。金丸投手を外したら高校生という流れはドラフト当日でも起こりうる流れかなとは思ったので、陣営内でも意見が一致したことに違和感はありませんでした。
当日びっくりしたこととすれば外れ1位で今朝丸投手が3球団重複したことでした。正直単独指名は堅いとみられていたので、競合特に3つ来ることは想定外でした。1番驚いたのは開幕当初から貧打で苦しんでいた埼玉西武が1位の枠で高校生投手を取りに来たことでしょうか。
抽選の結果今朝丸投手はドラゴンズが引き当てたのでドラゴンズの1位指名は今朝丸投手になりました。まだこの時点では5月だったこともあり10月のドラフト当日を考えるのは難しい時期でしたが、個人的にはこの流れは当日も起こりうると思ったのでいい仮想ドラフトだなと思いました。
2位では左打者のスラッガータイプを指名する予定でしたが外れ1位の段階で東北楽天に桐光学園の森駿太選手、広島に豊川のモイセエフ・ニキータ選手を指名され、さらに2位の直前で埼玉西武に桐朋の森井翔太郎選手を指名されたので検討していた3名が指名される予想外の展開で陣営内は生放送中に焦りました。
限られた時間の中で左右関係なくスラッガーと指名しようと2位では青山学院大学の佐々木泰選手(県岐阜商)を指名しました。佐々木選手は東海地区の岐阜県出身の地元選手であり、県岐阜商時代からドラゴンズスカウトも一目を置いていた選手でした。さらに佐々木選手は大のドラゴンズファンでナゴヤドーム(現バンテリンドームナゴヤ)に観戦に行き、ライトスタンドで応援をしていたというエピソードもあるくらい熱心なファンという話を聞いたことがあるので、24年度の仮想ドラフトで1度どこかで指名したいと思っていた選手でした。
実際この頃のチーム状況としても中田翔選手が故障して離脱したり期待されていた石川昂弥選手が思うような結果が残っていない時期だったこともあり、コーナー系選手の獲得は1つの選択肢だったのでいい指名が出来ていたと思います。
3位4位では偶然にも私がサラリーマンスカウトさんの動画に出演した際に理想の指名として名前を挙げた選手を指名することが出来ました。3位では神村学園高等部の正林輝大選手、4位では白鷗大足利高校の昆野太晴投手を指名しました。
正林選手は左のスラッガータイプの外野手で高校生というドラゴンズの補強ポイントとしてピンズドの選手でした。ポジションが右翼手ということで優先順位を落としていましたが、3位では指名したいと思っていた選手だったので3位で取れて良かったです。私も下級生の頃から正林選手を見ており、1番衝撃だったのは今年のセンバツ初戦の作新学院戦でしょうか。相手のエース小川哲平投手からライトポール際にライナーで刺さるホームラン。今年から高校野球は新基準バットに移行し開幕前から飛ばないと懸念されていたこともあり、このホームランというのは新基準バットでの一発ということで非常に価値のある一打だと思いました。
4位では白鷗大足利の昆野投手を指名しましたが、この仮想ドラフトの直前に昆野投手の登板を見に春季関東大会に行き、実際昆野投手を目で見て指名したいと思いました。この日の相手は前橋商業、相手の先発はこちらもドラフト候補の清水大暉投手ということで非常に注目された一戦でした。
この試合で清水投手は4回5失点で敗戦投手だったのに対して昆野投手は7回1失点6奪三振で清水投手に投げ勝ったのも大きかったです。特にストレートは威力があり球場ガンで152キロを計測するなど非常に良いボールを投げている印象でしたので、この5月では指名に漕ぎ着けました。
5位では東洋大学の岩崎峻典投手(履正社)を指名しました。昨年の入れ替え戦では8回までノーヒットノーランの快投を見せ、24年のドラフト候補として上位で名前が挙がる投手でしたが、この春は調子を落としておりこの順位まで指名がありませんでした。しかし良い時の岩崎投手を見ていることもあり5位で残っているのを確認して是非指名したいと進言しました。
6位では東海大静岡キャンパスの宮原駿介投手(静岡学園)を指名しました。宮原投手を私は大学JAPAN候補が集結する昨秋の松山合宿で初めて見ましたが、非常に投げっぷりが良くいいストレートを投げる投手として非常に注目していました。合宿の紅白戦では2イニング目に捕まってしまいましたが、投げているボールは素晴らしいものがあったのでこの順位で獲得出来て良かったと思います。
7位は元々選択終了の予定でしたが陣営内からどうしても捕手が欲しいというリクエストがありまして急遽捕手をリストアップしました。当初はNTT東日本の野口泰司選手(名城大学)を指名する予定でしたが、現有戦力のと差別化と現有戦力のプロスペクトである石橋康太選手と競わせる捕手が良いということで西濃運輸の城野達哉選手(中部大学)を指名することになりました。しかし西濃運輸では現在捕手が不足しているチーム事情があり、そのことを考えると今年西濃運輸が城野選手を失うのはチーム事情的にほぼ有り得ないということを仮想終了後に気が付いたので、野口選手の指名のほうがより現実的だったのかなと思いました。
2-4 2024年7月開催回
24年7月回になります。この回は夏の都道府県大会と都市対抗野球が行われた直後ということもあり高校生の躍進や社会人選手のピックアップが多く見られた仮想ドラフトとなりました。
ドラゴンズとしては12月回で関西大学の金丸投手、4月回で愛知工業大学の中村投手、5月回で関西大学の金丸投手からの報徳学園の今朝丸投手と全て投手を1位指名してきましたが、今年の補強ポイントは”3本柱”と口酸っぱく言ってきたこともあり最後の柱である左打者の中長距離ヒッターの獲得を目指しました。
あくまで仮想ドラフトは仮想ドラフトであり本番を想定する上で色々なシミュレーションがあっても良いと思って毎回参加させていただいています。特にドラフトオフィスでは他の媒体と違って年間でドラフト・アマチュア野球を追っているコミュニティということもあり、1年の半分は仮想ドラフトを展開しています。年6回仮想ドラフトがあるのであれば色んなパターンを試行するのは良い機会だと思いますし、その中で野手1位の回というのはここまでやってこなかったこともあり、1位は左打者のスラッガータイプに照準を絞って選定しました。
候補に挙がったのは高校生では桐朋高校の森井翔太郎選手、豊川高校のモイセエフ・ニキータ選手、大学生では富士大学の麦谷祐介選手(大崎中央)の3選手でした。その中で陣営内で最も声が挙がったのは桐朋の森井選手の名前でした。
特に森井選手に関しては最後の夏の試合、西東京大会1回戦の試合を私と陣営内のメンバーの2人体制で観戦し、試合には敗れてしまったもののこの試合で森井選手のポテンシャルというのを肌で感じたこともあり1位入札指名を決断しました。
2位以降は全員投手を指名していますが、こちらも予定通りでした。2位の神戸弘陵学園の村上泰斗投手はこの夏2回戦で敗れてしまったため実際現地で観戦することは叶わなかったのですが、最速153キロのストレートは画面越しでも威力があり今年の高校生投手は高身長投手が多い中、180㎝未満でも素材としてピカイチだと思い7月では2位で指名しました。
3位では仙台育英の山口廉王投手を指名しました。この投手も甲子園に来たら見たいと思っていた投手でしたが、惜しくも県大会決勝で敗れてしまい見ることは叶いませんでした。こちらは逆に193cmの大型右腕ということで村上投手とは対照的、この春以降名前が急浮上したこともありまだまだ実戦の経験値という点では物足りないものの、持っているポテンシャルを高く評価して3位で指名しました。
4位では5月に続いて東海大静岡キャンパスの宮原投手を指名しました。5月では6位だった宮原投手ですが6月に行われた大学日本代表選考合宿では紅白戦で2イニングを投げて被安打1の無失点。この日登板した左腕投手の中では1番の出来だった姿を確認していたので、7月回ではもう少し上の順位で指名がありそうだなという雰囲気を感じ取っていたので、折り返しの4位で指名しました。
5位は三菱重工Westの竹田祐投手(明治大学)を指名しました。直近の都市対抗で好投を見せていたこともありこの順位で指名しました。昨年もドラフト候補として取り上げられることが多かった投手ですが、昨年の1年は不調もあって指名には至らず。挽回を図る今年は平均球速を伸ばしてきており、先発しても常時140後半を記録するなど即戦力投手としてバリューを上げてきたと思いました。
6位は西部ガスの林田夢大投手(津久見)を指名しました。この投手は7月上旬に行われた大学日本代表と社会人U-23の練習試合に登板した試合を見て指名を進言しました。この日の林田投手は9回とタイブレークの10回の2イニングを投げて無安打無失点の好投、最速は155キロを計測しました。特にタイブレークでは先頭の渡部聖弥選手(④広陵)をダブルプレーに抑えたボールがとても良かったこともあり、リリーバーとして即戦力で稼働出来る投手だと思い指名しました。
7位はトヨタ自動車の増居翔太投手(慶応義塾大学)を指名しました。こちらも私が都市対抗で現地観戦して気になった投手として指名の進言をさせていただきました。増居投手は彦根東高校時代から数多くの登板試合を見てきましたが、トヨタ自動車に入って試合を作る能力というのが格段に上がった気がします。レベルの高い社会人野球で毎試合ゲームメイクをする増居投手のような投手はプロでも重宝される投手だと思います。ロールモデルは阪神の伊藤将司投手(JR東日本)が近いでしょうか、本当にレベルの高い投手なのでもっと注目されて欲しいと思い最終7位で指名しました。
1位で森井選手を指名し残り6人投手を指名するというある意味博打のような指名となった7月回の仮想ドラフトでしたが、案の定批判コメントが殺到しました。ある程度の反発意見を承知でこの指名になったのには理由があります。
開催時期の7月下旬、ドラゴンズは丁度前半戦終了から後半戦スタートへというタイミングでした。前半戦の特に終盤は投手陣の疲弊が激しく、先発投手陣は髙橋宏斗投手を除きゲームメイク出来ず早々に降板する試合が多く、そのしわ寄せがリリーフ陣に響き調子を落とす投手が続出していました。さらに育成から支配下に移行した松木平投手以外はファームから突き上げてくる投手が出てこなかったこともあり、この状況が後半戦も続くようであれば投手陣はさらに疲弊し崩壊しかねないという危機感を感じたこともあり、投手陣の底上げを期待して6名投手を指名しました。
1位を森井選手で行くことは最初から決めていたので1位で金丸投手を取れないことは確定してましたが、今年のドラフト市場には他にも多くの好投手が居るのでリカバー出来るというのもメッセージとして入れたかったので、かなり歪ではありましたがこのような指名になりました。
2-5 2024年9月開催回
24年9月回になります。この回は5月以来の生放送での仮想ドラフト、そして1ヶ月後にはドラフト会議当日ということで徐々に世間がドラフトに関心を持ち始めている時期の仮想ドラフトということで9月回そして10月回は今までの仮想の総集編として本番を意識した指名を展開する方針でした。そして指名した選手がこちらになります。
初志貫徹と言いますが結局のところ今年の1位は金丸投手だなと改めて思いました。12月から始まった仮想ドラフトの最初の指名が金丸投手で結局ここに回帰するくらい金丸投手が今年の市場で圧倒的だったこととドラゴンズの補強ポイントの1番がここだったのかなと思います。
しかし残念ながら抽選を外してしまい外れ1位の抽選でも中村投手を外してしまったので、3本柱の中から高校生投手を選択し福岡大大濠の柴田獅子投手を指名しました。
柴田投手は投手として150キロに迫るストレートと186㎝のスケールで高校生投手トップ層に位置付けされる投手ですが、個人的には高校通算19HRの魅力ある打撃にも注目しています。高校生投手としてスケール大きく育てるのも良し、打者としてバンテリンドームで30発打てるスラッガーに育てるのも良しということで高校生投手・左打者のスラッガーという今年の補強ポイント3本柱の2つを兼ね備えてる選手ということで非常に良い選手を指名出来たのではないかと思います。
2位では3本柱の1つ、即戦力左腕の指名ということでNTT西日本の伊原陵人投手(大阪商業大学)を指名しました。この投手は170㎝と小柄でありながら左右打者両方のインコースを突ける制球力と度胸を兼ね備えた投手であり、球速も今年1年で平均球速帯が10キロ近く上がるなど出力面も申し分ない投手です。今年の都市対抗ではストレートの回転数が2500回転を超えるなど非常にスピンの効いた速球でアピールしていたのが印象的でした。都市対抗では中盤に捕まる試合もあり少し先発適正についての疑問符がありますが、日本選手権予選では先発投手として好投している試合もあったのでそこはプロに入って見極めて行くという形でいいのかなと思います。投げてるボールは素晴らしく即戦力という意味では伊原投手が1番の可能性はあります。
3位では大阪経済大学の柴崎聖人選手(岐阜第一)を指名しました。この選手は昨年12月に松山で行われた大学日本代表選考合宿で一際目立つ存在だったことがきっかけでこの1年追う選手となりました。合宿では青山学院大学の西川史礁選手や大阪商業大学の渡部聖弥選手がフリー打撃で存在感を示す中で柴崎選手も負けじと物凄い打球を飛ばしており、広い松山坊っちゃんスタジアムで柵越え2発を放ったのは西川選手と柴崎選手の2人だけでした。秋のリーグ戦でも物凄いホームランを放つなどその長打力は魅力の1つであり、実際私が春のリーグ戦に柴崎選手を視察した際にも打球速度の速いヒットを打っており、打つ方に関しては大学生左打者のトップ層に位置付けするのかなと思いました。また肩も強く合宿のシートノックではその強肩ぶりを見せており、さらに足の速さも一級品で50m走のタイムは合宿参加者の中で4位の好成績、俊足が売りの九州産業大学・浦田俊輔選手(長崎海星)と遜色ないタイムでした。そういったポテンシャルの高さ故に3位で残っていないと想定していましたが、何とかドラゴンズの3位にまで残っていたので迷わず指名しました。実際左打者の強打者タイプで足・肩も兼ね備えている選手とあればバンテリンドームにもフィットしますし、実際ドラゴンズの指名に柴崎選手が入ってきてもおかしい話ではないかと思います。
4位は國學院大学の坂口翔颯投手(報徳学園)を指名しました。坂口投手はこの秋コンディション不良で9月仮想のタイミングでは実戦復帰していなかったものの、この順位で残っていたので指名しました。これまでの実績や投げているボールを考えると坂口投手の能力は素晴らしく上位指名投手であっても何らおかしくないので、現状この位置に居るというだけで本番では上の順位で指名があると予想しています。
5位は非常に悩みましたが9月仮想ドラフトの前日に立浪和義監督が辞任するというとてもビッグなニュースがあったこともあり、前年までドラフトへの介入が見られた立浪監督の辞任となるとスカウト主導のドラフトが展開されると予想されるので、伝統であった5位地元枠の復活があるのではないかと陣営内で議論されました。ただこの順位で欲しい地元枠の選手があまり居なかったこともあり、定義を広げ愛知県出身・中学まで愛知のボーイズで活躍していた大阪桐蔭高校のラマル・ギービン・ラタナヤケ選手を指名しました。実際ドラゴンズのファームでは助っ人のD.ビシエド選手が相当数の打席数に立っていたり遊撃手が本職の津田啓史選手(三菱重工East)がサードに入っていたりとコーナー系の若手野手が枯渇している現状もあるので、打てるコーナー系の高校生獲得は将来に向けて良いことだと思います。
大阪桐蔭高校ではサードやファーストが主なポジションでしたが、ラマル選手は個人的には外野手の適正があると思っています。というのも6月下旬の日本体育大学とのオープン戦で試合前のシートノックにラマル選手がレフトで入って受けていたのを現地で見たのですが、コーナー系を守る時より動きが良く見えました。肩も悪くないので外野で使わないのは何故だろうと思いましたが、今年の大阪桐蔭は徳丸快晴選手・境亮陽選手・吉田翔輝選手と近年稀にみる外野手の人材が豊富な年だった為、ラマル選手は内野手での出場だと思われましたが外野の世界線も見てみたかったです。ドラゴンズは岡林勇希選手以下の年齢で外野手が皆無な為、ラマル選手の外野起用は大いにアリだと考えます。
6位では高校生投手の獲得を目指し残っている投手の中で文星芸大付属の堀江正太郎投手をピックアップしました。元々上位指名で1名・下位指名で1名の高校生投手ピックアップを予定していたので、その中で堀江投手が指名出来たのは良かったです。堀江投手は昨夏の甲子園で1度だけ見ることが出来ましたが、その時から良い投げ方をする投手だなという印象を受けました。今年1年見ることは無かったですが、映像で見る感じではフォームはそのまま出力と変化球の精度が増してドラフト候補になったという印象を受けました。落ちるボールの精度の高さで栃木県大会では1試合19奪三振を記録するなどちょっと高校生ではなかなか攻略が厳しいだろうという風に見ていました。いい投手が指名出来たので良かったです。
7位では捕手を指名したいと思い九州共立大学の笹原愛斗選手(真颯館)を指名しました。笹原選手は昨秋の松山、今夏の平塚と2度見る機会があり2回とも強肩が目立つ捕手として魅力を感じていました。紅白戦でも捕手として良いブロッキングを見せていましたし、何より評価したいと思った点は”声”でした。笹原選手は紅白戦でも練習でも人一倍声を張って鼓舞していた印象を受けました。全日本の合宿ということで大学のスター選手が一同に集う練習会でどうしても斜に構えるではないですがクールな一面を見せる選手が多い中、声を張って一線に立つ笹原選手のような存在はとても貴重だと思いますし、プロの世界に入っても武器になると思います。総合的に笹原選手の魅力を感じたので、今回最後の指名で笹原選手を指名しました。
以上の7名を9月回では指名させていただきました。抽選を2度外した中ではそれぞれ補強ポイントとマッチした良い選手をピックアップ出来たのかなと思います。より本番を意識した仮想ドラフトとして良い指名になってると思います。
2-6 2024年10月開催回
24年10月回です。いよいよ長きにわたり行ってきた仮想ドラフトも24年度は最終回。本番1週間前ということで生放送も盛り上がりを見せた10月回でしたが、中日ドラゴンズ陣営は今季最後の仮想ドラフトにアドバイザーとしてスポーツライターの西尾典文氏(X:@Norifumi_Nishio)に参加していただき、仮想ドラフトを展開しました。
西尾氏と陣営の間で1度指名戦略会議を行いドラゴンズの指名戦略や選手の市場感の確認など万全の準備をして上で仮想ドラフトに挑みました。その結果以下の選手を指名しました。
最後も1位は金丸投手を入札しました。ドラゴンズは監督が立浪監督から今季2軍監督として指揮した井上一樹監督(鹿児島商業)に代わり、報道ベースでも金丸投手入札の機運が高まっている状況だったので、迷わず金丸投手の入札を行いました。結果的に5球団競合となり抽選の結果外してしまいましたが、これは本番クジが当たるための徳の積みだと思いたいです。
外れ1位では最初法政大学の篠木健太郎投手(木更津総合)を1位で行く予定でした。というのも仮想ドラフト数日前にスポーツナビさんの記事に出ていた中日ドラゴンズシニアディレクターの米村明氏(中央大学)のコメントに注目したからです。(詳細は下記リンクよりご確認ください。)
ここでは米村氏が大学生右腕投手No.1の位置付けとして法政大学の篠木投手を評価しており、愛知工業大学の中村投手は先発ではなくリリーバーとして評価しているなど字面だけを読み解くと篠木>中村の評価順なのかなと思いました。
しかし自分を初め陣営の多くが中村投手のボールを実際見ており中村投手の方が評価が上であると位置付けすることもあり、外れ1位は篠木投手ではなく中村投手で行こうとなりました。ここでも再抽選となり残念ながら中村投手のクジは外してしまいましたが、まだ篠木投手が残っていたので3度目の1位入札で篠木投手を入札しました。
ここでは被ることなく篠木投手を1位で獲得することが出来ました。実際のドラフトでは中村投手が1本釣り狙いで最初の入札で指名される可能性は高いと考えられるので、本番でも金丸投手を外したら篠木投手というパターンは大いに考えられると思います。
そして2位指名ですが仮想ドラフト当日の朝にとんでもないビッグニュースが飛び込んできて、陣営内も大いに焦る展開となりました。
社会人No.1捕手としてドラフト候補となっていた日本生命の石伊雄太選手(近大工学部)をドラゴンズが上位指名候補としてリストアップ、当日の状況次第でウェーバー14番目に当たる2位での指名を検討しているという驚きの情報が舞い込んできました。
今までの仮想ドラフトでは捕手の優先順位というのは我々の考える3本柱からは外れる、優先度の低い補強ポイントと位置付けしていました。しかし10月に入り改めて戦力を確認してみると1軍の主戦捕手が33歳の木下拓哉選手(トヨタ自動車)、32歳の加藤匠馬選手(青山学院大学)、31歳の宇佐見真吾選手(城西国際大学)といずれも30歳を超えておりピークアウトと言われても仕方ない成績でもありました。それに続く捕手が24歳の石橋康太選手(関東一)ですが今シーズン1軍での出場はわずか11試合29打席とプロスペクトと呼ばれた選手の高卒6年目の成績としてはあまりにも寂しい数字でした。石橋選手より下の世代となると21歳の味谷大誠選手(花咲徳栄)、20歳の山浅龍之介選手(聖光学院)、育成選手の20歳日渡謄輝選手(茨城アストロプラネット)が在籍していますが、現在はファームで鍛錬が必要な選手であることを考慮すると中堅捕手勢の対抗馬となる捕手が欲しい気持ちも分かります。
しかし陣営内では今年1年投手が足りないと散々議論してきたこともあり2位はどうしても投手が欲しいという気持ちが強く、これにはアドバイザーの西尾氏も賛同していただいたので報道では石伊選手有力ではあったものの、2位は金丸投手を獲得出来なかったということで即戦力左腕の指名をすることにしました。
そこで候補に挙がったのが富士大学の佐藤投手、NTT西日本の伊原投手、西濃運輸の吉田投手でした。アドバイザーの西尾氏の評価は吉田投手がやや高かったもののドラゴンズにフィットしそうという視点と来季すぐに稼働出来る面も考慮するとNTT西日本の伊原投手が良いのではないかというアドバイスをいただいたので、2位は伊原投手を指名しました。実際陣営内でも伊原投手が良いという意見が半数以上あったのと、私が推薦していた佐藤投手は直前で埼玉西武が指名したこともあり、特に迷うことなく2位は伊原投手を指名することが出来ました。
3位で前述の日本生命・石伊雄太選手を指名しました。2位の部分でやや否定的に書いたのですが、捕手事情の苦しさを理解していたこともあり元々の話し合いで3位で石伊選手を指名する予定でした。しかし直前の報道に陣営内も頭を悩ませましたが、西尾氏のアドバイスで投手を優先してもいいという方針になったので折り返しの3位まで石伊選手が残ることを願いました。
結果的に石伊選手が指名出来た良かったと思います。石伊選手の代替候補は捕手ではなく大阪経済大学の柴崎選手や早稲田大学の吉納翼選手(東邦)といった左打者の長距離ヒッターでしたが早い段階で指名されてしまったので石伊選手を指名出来て良かったと思います。
4位では3本柱の1つ、高校生投手を指名する予定でした。今年の高校生投手は人材豊富で4位の所でも力のある投手が残るというのが事前の算段でした。そこで指名されていない投手から仙台育英の山口廉王投手を指名しました。
5位ではこちらも事前報道によって悩まされた選手を指名する予定でした。
石伊選手に続いてメディア報道のあったのが宮崎商業の中村奈一輝選手でした。甲子園での活躍もそうですが、ドラゴンズとしても21歳以下の内・外野手が支配下選手で0人(育成では星野真生選手1人)という状況もあって1人以上は高校生の野手が欲しいと考えており、身体能力の高さが際立つ中村選手を5位で指名予定でした。
しかしこの報道もあって中村選手を上位の枠で指名するか否か、そこでアドバイザーの西尾氏に相談したところ上位の枠は他の補強ポイントを優先してその上で中村選手が残っていたら下位(今回は5位)で取る方が良いのではないかというアドバイスをいただいたので、前もって決めていた5位の所で指名予定でした。
残念ながら中村選手は埼玉西武の4位で指名されてしまったので中日が指名することは出来ませんでしたが、とてもいい選手なので本番では縁があることを願いたいです。
そして5位では神村学園の正林輝大選手を指名しました。かねてより左打者の強打者を補強ポイントに挙げていましたが、ドラフト会議が近づくにつれてどうしても投手優先の指名となってしまった為、優先順位を落としていましたが、ここで高校生の左の強打者である正林選手が残っていたのは本当にラッキーでした。補強ポイントにピンズドでありファームでじっくり育成する時間とリソースを今の状況であれば与えられる環境なので、ここで正林選手が取れるというのは大きかったです。
支配下指名の最後は即戦力寄りでかつリリーバーとして活躍が見込める投手を中心に指名の検討をしました。候補は日鉄ステンレスの江原雅裕投手(國學院大学)とセガサミーの荘司宏太投手(国士舘大学)でした。共にストレートに力があり社会人でも活躍しているのもあり甲乙が付け難かったですが、アドバイザーの西尾氏の助言で荘司投手がリリーフ専門に対して江原投手は先発の線も考えられるという視点から江原投手のが幅が利く投手で今のドラゴンズにはそっちのがフィットするのではないかということで江原投手を指名しました。
今回は本番のドラフトを意識した所があり、支配下指名に関しては6名で終えました。というのも過去10年間のドラフト指名においてドラゴンズは10年中8年が6人指名という過去があります。(下記画像を参照)
6人指名じゃなかった年は2014年と2022年の2年間だけです。この2年に共通していることは新監督1年目のシーズンが終わり新監督の方針で戦力の見極めを終え必要な選手とそうじゃない選手に振り分けられ、20人近くの選手が退団したシーズンオフであるということです。
2014年は谷繫元信監督(江の川)の元シーズンを戦い4位で終えると、シーズンオフには10人以上の戦力外通告選手が出るなど当時は大きな話題となりました。2022年は立浪監督1年目のシーズンで最下位に終わりこちらも多くの戦力外選手が出たり、ベテランの福留孝介選手(日本生命)や平田良介選手(大阪桐蔭)に引退勧告するなど世代交代を図ったシーズンオフでした。
そうしたオフに動きのあるシーズンは退団選手を多く出してしまうためその分ドラフトでの指名人数が増える傾向にありますが、基本的には6人指名がドラゴンズでは慣例となっています。ここまで投手を中心に戦力外の選手は出てきましたが、支配下の枠は61人とドラフトで選手を指名するには少し余裕が無い状況です。ドラフトの指名次第ではボーダーライン上にいる選手の2次戦力外の可能性はありますが、枠の状況を鑑みるに今年も6人指名かなと。特に来季から指揮する井上新監督は今年1年ファームで指揮していたこともあり崖っぷちの選手でも期待を込めて来季は起用したいと思える選手がいるかもしれません。そうなると入れ替えではなく内部の底上げ中心となるためドラフトでの補強は例年通りになると予想します。
以上で24年度仮想ドラフト6回の振り返りを行いました。この6回のシミュレーションを通じて今年のドラゴンズの指名をどのようにするべきかを述べたいと思います。
3.中日ドラゴンズの指名戦略
2024年現在の中日ドラゴンズの保有選手一覧となっています。先日小笠原慎之介投手(東海大相模)のMLB移籍に伴うポスティングシステム行使に関して、球団が行使の許可をしたため来季よりMLBでのプレーが見込まれます。さらに助っ人外国人のA.ディカーソン選手とM.フェリス投手に関しては来季の契約を結ばないと報道されているため、戦力外・引退選手を含めた退団選手は支配下選手で9名。今シーズンは育成選手の昇格が多く松木平投手の昇格でシーズン中に70人枠がいっぱいになったことで70人から退団選手9人を引いた61人が現在の支配下選手となります。
仮想ドラフトの部分でも述べましたが中日ドラゴンズのドラフト指名人数の慣例は支配下選手6人であり、支配下選手61人の現状から6人追加となると67人となり補強面や育成選手の昇格枠を含めると少しきつい状況となっています。なのでドラフト後に2次の戦力外通告が行われる可能性が高いです。ここでの戦力外は育成選手枠への移行に伴う戦力外通告がもしかするとあるかもしれません。
改めてになりますが、今年のドラフトは支配下指名選手は6名前後の指名。恐らく6名か1名少なくなる5名で指名を終えると予想します。
この6名(5名)の指名選手をどのように選定すべきかを以下に述べたいと思います。
3-1 1位指名(即戦力左腕)
まずは投手陣の中でも左腕の補強は急務と考えます。今季36歳の大野雄大投手は昨年左肘のクリーニング手術を行いほぼ全休で今年に賭ける思いは強かったものの、シーズン序盤からボールが走らず4月中に2軍落ち。後半戦は中6日でローテーションを回る時期があったものの今シーズンは9試合44.1イニングの登板に終わりました。
今シーズンでFA残留した際に結んでいた複数年契約が切れることもあり、キャリアのピークアウトが否めない大野雄大投手に頼るという状況は出来れば避けたいです。
34歳の松葉貴大投手(大阪体育大学)は今シーズン17試合に先発し4勝、93.1イニングを投げて防御率は3.09と谷間のローテーションをしっかり埋めてくれた十分な働きを見せてくれました。松葉投手は5イニングで降板する試合が多かったことから5回を定時退社、6回以降続投を残業と表現するなどここ数年はイニングイート面での課題があったものの、4月29日の対DeNA戦では移籍後初の完投勝利を達成するなど今シーズンは平均5.47イニングと5回以上を投げてくれる貴重な先発投手の役割を果たしてくれました。
しかし松葉投手も来季は35歳、大野雄大投手同様にキャリア的には今後ピークアウトしていくことが想定されるため、いつまでも松葉投手に頼ることは出来ません。
そして中堅の小笠原慎之介投手は今年も24先発144.1イニングを投げ4年連続の規定投球回到達を達成しました。この記録は大野雄大投手が2019~2022年に記録したものに並ぶ記録であり、左のエースとして毎週チームのために腕を振った証でもあります。
そんな小笠原投手もポスティングシステム行使で来季よりMLBに挑戦します。4年連続のイニングイート投手を失うのはあまりにも大きな損失になりますので、144イニングを穴埋めする投手を取れるに越したことはないですがそれに近い存在の投手を補強する必要があると考えます。
また若手に目をやると22歳の上田洸太朗投手(享栄)は戦力外になってしまったので残りの福田・森山・野中の3投手に期待したいところですが、福田幸之介投手(履正社)は今季ファームで10試合37.1イニングということで良い兆しを見せた1年目とは言えまだ来季は本格的な稼働には早いと思われます。そうなると良くて1軍で50イニング近くと想定します、残り100イニングをどうするかということでドラフトで補強するのが1番手っ取り早いと思います。
そこで関西大学の金丸夢斗投手が最有力と思われます。金丸投手は実際プロに入ったらどれくらいやれるのか、というのを気にしている方が多いと思いますが、個人的には昨年の國學院大学の武内夏暉投手(現埼玉西武)より上だと思います。
その武内投手の今シーズンの成績ですが、21試合に先発して10勝145.1イニング防御率は2.17の好成績でパ・リーグ新人王は間違いないダントツの成績を挙げています。武内投手の特徴は制球力の良さにあると考えられ、145.1イニングに対して与四球が22で与四球率は1.22と先発投手として優秀なスタッツを記録しており、奪三振が107個で奪三振率は6.63と特筆目立つスタッツではないもののK/BBになると4.86という非常に優秀なスタッツとなるため武内投手の制球力はピカイチということになります。
あくまで大学の時の比較になりますが國學院大学の時代の武内投手より今の金丸投手の方が制球力に関しては上だと思います。自身がネット裏から観戦して思った肌感覚に過ぎませんが、武内投手が大学時代にあまり投げ切れていなかった対左打者へのインコースの攻めを現時点の金丸投手は出来ているというのはプロの世界でやれる強みだと思います。武内投手もプロに入りより成長したことで今シーズンの成績を残したので単純比較するのは失礼だとは思いますが、期待値という視点では金丸投手も同等以上が期待出来るのではと個人的には思います。
昨年のこの時期にもドラゴンズは武内投手の指名で行くべきと進言していましたが、前日にENEOSの度会隆輝選手(現DeNA)の公言をして武内投手の指名が無くなってしまったのをよく覚えています。今年こそは入札指名を金丸投手で、という気持ちはより強くなっています。ということで1位に関しては金丸投手で行くべきだと考えます。
3-2 2位指名(即戦力投手or捕手)
1位は金丸投手で間違いないと思っていますが金丸投手は抽選必須の投手だと思っているので、ここではリカバーとして外れ1位の選手についても言及します。外れ1位の指名選手によって2位以降の展開が変わってくると言っても過言ではないので。
外れ1位筆頭候補は法政大学の篠木健太郎投手だと思います。愛知工業大学の中村投手ではないのか、という意見が必ずあると思いますが自分がリサーチした結果では中日は中村投手を先発適正で見ていない可能性が高いと考えられ、先発投手として即戦力を求めるのであれば法政大学の篠木投手の方が評価が上なのではないかと考えられます。
篠木投手は1年秋から主戦投手としてバリバリ投げており、2年生で大学JAPAN入りし157キロも計測していましたが、3年秋に故障したことがきっかけで全力で投げるスタイルからペース配分型にモデルチェンジしたことで4年時の投球はやや大人な投球という感じに捉える人が多いと思います。それを見て故障を庇った投げ方だと揶揄する人もいますが、もし故障が癒えてないとしたら本人もチームも投げさせないと思いますし、前回故障したタイミングで以後故障をしないようなフォームに変更したと考える方がいいのかなと思います。それに力を入れた時に速球は150キロを超えますし、自身が観戦した阪神2軍とのオープン戦ではファームの選手とはいえ1軍での出場経験のある小野寺暖選手(大阪商業大学)や井上広大選手(履正社)から三振を奪ったスライダーはプロの打者でも手こずると思います。
それに篠木投手は野手能力も高くフィールディングやバッティングも野手顔負けの動きを見せるので打席に入るセ・リーグ向きの投手と言えます。下級生の頃から稼働していることもあり勤続疲労を懸念する声もありますが、それは篠木投手に限らず金丸投手や中村投手も同じことです。大学生投手の勤続疲労は野球界全体の問題でもありますが、今回はそれを引き合いに出すのは違うかなと思うので一旦忘れます。
個人的には外れ1位で指名するには勿体無いくらいいい投手だと思います。もし縁がある選手ならば全力で応援したいと思います。
ここにきて環太平洋大学の徳山一翔投手も1位候補になりうる可能性があると思います。徳山投手の視察に中日スカウト陣が多く駆け付けるといった情報が報道ベースで出たり、スカウトコメントも実際多く見られる投手が徳山投手なので可能性はあると思います。
4年春は故障で登板0に終わった為ドラフト候補から一旦外れていた印象のある徳山投手ですが、昨年秋の神宮大会で見せた快投はドラフト1位クラスでしたし、153キロの力のあるストレートを投げる左腕投手はやはり魅力的です。
中国・四国地区担当の野本圭スカウト(日本通運)は2019年のスカウト転身後これまで担当選手の上位指名(2位まで)選手が居ないので、担当としても千載一遇のチャンスを逃したくないという意味もあり、より気合が入っていると思います。
噂ベースで内定先の社会人との取り決めで順位縛りの噂が絶えない投手と聞いていますが、過去にドラゴンズは順位縛りの壁をクリアして指名した選手もいると聞いているので、そこは担当スカウトの見せどころだと思います。野本スカウトには是非頑張って徳山投手を指名して欲しいです。
外れ1位はここまでです。次に2位指名の検討ですが、ここでは金丸投手を1位で引き当てたパターンと外したパターンで指名選手戦略を変えてみます。
まずは金丸投手を当てた場合、報道通り日本生命の石伊雄太選手を指名するのではないかと予想します。10月に入って以降のドラゴンズの報道や関係者の証言を総合すると捕手の獲得はほぼ間違いありません。となるとどの捕手をチョイスするかで普通は悩むと思いますが、ドラゴンズの現在の捕手事情を鑑みると見えてくるものがあります。
上の表は今季1軍で出場した主な捕手の成績となっています。今季1番試合数が多かった捕手はプロ10年目32歳の加藤匠馬選手でした。加藤選手は加藤バズーカと呼ばれる強肩が持ち味の捕手で今季は捕逸0と若手時代に散々酷評されたブロッキングに改善が見られたことで、今年はスプリットを武器にする髙橋宏斗投手とバッテリーを組むことが多く、チーム最多勝の髙橋投手の勝ちをリードしたことは評価に繋がると思います。
しかし打撃成績は捕手陣の中でワーストの数字を叩き出しており、DHが使えず投手が打席に立つセ・リーグでは打線に組み込むのが少し渋い数字となっています。そして強肩が売りの割には阻止率が高くないのも気になる点ですが、盗塁阻止率自体捕手だけの力でどうにかなる数字ではないので、そこは投手のクイックタイムを含めたポップタイムがカギとなるためあくまで参考値とします。
次に試合出場数の多かったのは正捕手の木下拓哉選手です。加藤選手の方が試合数が多かった理由として守備固めとしての出場が加藤選手は多いため試合数自体は加藤選手が1番でしたが、捕手のスタメン出場に関して言えば木下選手が1番となります。しかし今シーズンの木下選手は打撃不振に始まりそれが影響してか守備の方でも精彩を欠く1年でした。
レギュラーを掴んだシーズンは打撃と守備のバランスでチームトップの数値だったことで起用が多かったので、打つ方では打点が1桁OPSも0.600を割る寂しい数字となっており、盗塁阻止率に関しては捕手だけの数値じゃないとは言え30企画で3刺殺の阻止率1割はあまりにも悲惨な数字です。
FA権を取得したシーズンということで開幕前は気合を入れていたと思いますが、あまりにも残念なシーズンとなってしまいました。
その次に試合出場の多かった捕手は宇佐見真吾選手です。打つ方では規定打席未満でありながらOPS.750超えを記録するなどチーム内で貴重な左打者の中長距離砲として数字を残す一方で守備面では課題の残る数字を出していました。捕手の出場機会が3番目にも関わらず捕逸はチームワーストタイ、縦変化のコマンドを持つ投手が多い投手陣の中で捕逸の多い捕手となると投手が腕を振れないなんてこともある可能性があるので、来シーズン以降のブロッキング性能向上を目指して欲しいです。
最後に若手のプロスペクト捕手として石橋康太選手を挙げますが、今シーズンの石橋選手は打つ方でも5安打OPS.522と残念な数字が並んでおり、何より悲しい数字なのは盗塁阻止率.000、12回の企画をすべて許すフリーパス状態だったのが何よりもキツかったと思います。
こうして現状の捕手事情に対して正面に向き合うと現有の1軍捕手の後継そしてプロスペクトの石橋選手と対抗になる捕手の存在が必要だと考えます。そこで指名の進言をしたいのは日本生命の石伊雄太選手です。
今年の捕手は健大高崎高校の箱山遥人選手と日本生命の石伊雄太選手の2人が注目の捕手と言われている中で石伊選手をピックアップしたのはチーム事情があります。
現在中日の捕手陣は育成含めて7人抱えており、そのうち4人は前述の4人で残りの3人は21歳以下の若手捕手ということもあり来年の戦力化は正直厳しい見込みとなっています。そこに高校生捕手を獲得となると今までのリソースが無駄になるだけではなく数年後に今の捕手陣が一気にピークアウトした時の対応が苦しくなるため、高校生捕手の獲得はナンセンスと考えます。
1軍帯同捕手は3人が年齢30歳を超えた選手でこれ以降キャリアのピークアウトを迎えることを考慮すると本来であれば24歳の石橋選手が台頭するべきなのですが、現状の石橋選手は捕手として厳しい立ち位置に居ると言っても過言ではありません。
そこで新たな高校生捕手を獲得するのではなく石橋選手と同世代の即戦力捕手を獲得する方がチームのカンフル剤として有効であると考え、日本生命の石伊選手の方が良いのかなと思います。
石伊選手は強肩の捕手として近大工学部時代からドラフト候補として有名でしたが、日本生命内定に際し3位での順位縛りがあった為2年前のドラフトでは指名が無く日本生命に入社しました。
近大工学部時代には守備型捕手だった石伊選手が社会人に入り打撃も向上し、昨秋の日本選手権ではHRを放ち生まれ変わった姿を見せ一気に24年候補として評価を上げた印象があります。今となっては攻守にバランスの取れた総合力の高い捕手として評価されており、ドラゴンズが指名するには申し分ない選手だと思います。
問題は順位感だけだと思います。ドラゴンズはセ・リーグ最下位ということで2位のウェーバーが2番目(全体14番目)に対して3位のウェーバーが11番目(全体35番目)ということで35番目で石伊選手が取れるかどうかがキーとなります。
そこで私が提唱するのは1位で金丸投手という今ドラフトの目玉選手を引き当てたケースで2位に石伊選手の指名のプランです。1位指名の部分で述べた小笠原投手の144イニング空洞化問題ですが、金丸投手は武内投手クラスの活躍が期待出来るということは今シーズン武内投手が1軍で投げたイニングは145回なので実際金丸投手を抽選で引き当てれば小笠原投手の144イニングが埋まる可能性を秘めています。
そうなってくると投手陣に少し余裕を持たせることが出来るので何とか2位で石伊選手の指名が出来るのかなと考えます。むしろこのパターン以外で2位で石伊選手を指名するのは後の指名にも影響を及ぼす可能性があるので、個人的には推奨はしないです。なので金丸投手投手を引き当てれば2位石伊選手、外してしまった場合は2位は投手を重ねて3位で石伊選手を残ることを願うしかないでしょう。
金丸投手を抽選で外した場合は投手を重ねること進言します。先程の表を見れば一目瞭然ですが、中堅以下の左腕で先発タイプの投手は移籍の小笠原投手・戦力外の上田投手を除くと1軍実績ある投手が0人になってしまいます。左右のこだわりが強いだけかもしれませんが、さすがに異常事態だと思います。外れ1位候補で名前を挙げた篠木投手と徳山投手は学生時代の故障歴を考慮するとスロースタートでプロのキャリアを始めたいと思っているので、そうなるともう1枚投手が欲しいというのが理想です。
2位候補となる左腕投手でドラゴンズにフィットしそうなのは富士大学の佐藤柳之介投手、NTT西日本の伊原陵人投手、西濃運輸の吉田聖弥投手です。3投手ともプロで先発がやれる投手だと思いますが、相手の懐を突くインコースの制球力に関してはNTT西日本の伊原投手が突出していると思います。伊原投手であればリリーバーとしてキャリアを始め、途中から先発に挑戦といったプランも上手くこなせそうなビジョンがあります。
逆に佐藤投手や吉田投手は完全な先発タイプの投手だと思うので、まずはプロの水に慣れさせてから後半戦辺りで頭角を現してくれたら、そんなビジョンを描いてます。
どの投手も3者3様の投手なので、それぞれの持ち味を発揮してくれればプロで活躍が期待出来る投手です。もし2位で投手を指名するのであれば誰を指名するのか楽しみです。
3-3 中位指名(高校生投手・野手)
1位入札の当たり・外れで2位もパターン化されるように中位指名も上位指名と連動するような形で指名パターンを展開出来れば理想です。
まずは金丸投手を抽選で当てたパターン、2位では石伊選手を指名するため3位では投手を指名したいところです。ここでは即戦力系の大学・社会人投手はある程度上位で指名されることが予想されるため、ボリュームゾーンでもある高校生の指名が出来たらと考えています。
高校生投手では前橋商業の清水大暉投手、佐伯鶴城の狩生聖真投手、仙台育英の山口廉王投手の3投手の中で残っている投手を指名出来たら最高です。特に注目しているのは前橋商業の清水投手です。192㎝の大型右腕は角度ある長身から投げ下ろすストレートが武器でポテンシャルも非常に高い好素材の投手です。私も清水投手の評判を聞きつけ春の関東大会に視察に行きました。その日は初回2回とパーフェクトに抑え三振も奪う上々の立ち上がりでしたが、3回以降指に掛かっていたストレートが走らなくなり徐々に打たれ始め、4回は制球を乱す場面も見られ4回5失点の内容でした。
投球内容だけを見ているとあまり良さを感じないかもしれませんが、フォームのまとまり感と長身から投げ下ろす姿にロマンを感じざるを得ないといった投球でした。打たれてしまった要因としては1球1球のボールの再現性が低いことだと思います。良いボールと悪いボールがはっきりしてしまう登板だと早々に崩れるといったスタイルなので、プロ入りしてから細かい部分を突き詰めていけはいずれオリックスの山下舜平大投手(福岡大大濠)のような大型右腕に成長する可能性はあると思います。
3位と4位は残っている選手との兼ね合いになると思いますが、この位置で左の強打者タイプの打者が残っていたら指名を検討したいと思います。私が特に推したい選手は大阪経済大学の柴崎聖人選手です。
柴崎選手は仮想ドラフト9月回の所でも書きましたがパンチ力がありながら肩の強さと足の速さに定評のある外野手でバンテリンドームを本拠地にするドラゴンズにはもってこいの人材だと思います。
似たような選手モデルだとDeNAの梶原昂希選手(神奈川大学)が近いと思います。梶原選手は今季よりブレークし規定未到達ではありながら99安打を放ちセ・リーグ2位の16盗塁を決めるなどベイスターズでしっかり存在感を示しています。
柴崎選手も梶原選手のような活躍が見込めると思った試合があります。今秋の関西六大学優勝決定戦3連戦の初戦。勝ち点を取ったチームが関西六大学リーグ優勝を勝ち取るカードの初戦、相手先発は今夏の平塚合宿にも呼ばれた春のMVP投手の鈴木豪太投手(③東海大静岡翔洋)からライト線へタイムリーツーベースヒット。これが大経大の先制点となりここから打線が活発となって9点を取り初戦をものにした試合でしたが、サイドハンドの鈴木投手のボールを引っ張ってフェアゾーンに入れる技術とその打球速度に非常に驚きました。
続く打席でもセンター前ヒット、レフト前ヒットと広角に打ち分ける柴崎選手を見てより柴崎選手に興味を持つことが出来ました。この選手のスピードはプロの世界に行っても順応する可能性が高いと思いました。
この日は大阪商業大学の渡部聖弥選手にも注目が集まっており、またチームメイトの林翔大投手(乙訓)も登板したためネット裏には9球団30人近い数のスカウト陣が集結しており、ドラゴンズも音チーフスカウト・松永スカウト部長・米村シニアディレクター・山本関西地区担当スカウトの4人体制で柴崎選手・林投手・渡部選手を視察していました。
非常に熱心に視察している様子をみるとご縁があってもおかしくはないのかなと思ったりします。特に柴崎選手に関しては補強ポイントとしてもバッチリはまる選手なのでより期待値が上がります。
他にも早稲田大学の吉納翼選手や立正大学の飯山志夢選手(中央学院)など大学生の左打者の好素材は今年多く見受けられるので、どういった選手が残っているのか非常に楽しみです。
金丸投手を外した場合は上位2枚は投手を重ねるということで3位で石伊選手が残っていたら石伊選手を指名したいと思います。それと同時にここでも左打者のスラッガータイプをピックアップしたいと思います。
ここでは高校生の左打者のスラッガーを指名出来たら良いなと考えます。候補としては桐光学園の森駿太選手です。森選手は夏の大会こそチームが早めに負けてしまった為、それ以降アピールの場が無くあまり目立たないようになりましたが、昨秋からえげつない打球を飛ばす天性のスラッガーとして注目されており、私もその噂を聞きつけて春季神奈川県大会に森選手の視察に行きました。
この日は東海大相模の先発・福田拓翔投手相手にタイミングが合わず4打数ノーヒットだったところに第5打席が回った試合でした。最後の打席は相手投手は藤田琉生投手に代わっており、藤田投手のカーブを捉えてセンター前ヒットを放ちました。ヒットを打つ前のアプローチもフルスイングしながらしっかりカットしてタイミングを計っており、ただ闇雲にスイングせず間をしっかりとりながら最後のカーブを捉えたのだと思います。
これだけ振れる選手は高校生では皆無だと思いますし、こういう打者はプロ入り後苦しむというレッテルが貼られそうですが、藤田投手へのアプローチを見ていると順応能力は比較的高いのかなと思いました。この順位で森選手が残っているのであれば、是非指名を検討したいただきたい。
3-4 下位指名(投手)
ここまで金丸投手を当てたAパターンと金丸投手を外したBパターンを展開してきました。どちらも4位までに投手2人野手2人の指名の予想をしているので、下位では投手を2人指名出来たらと考えてます。
5位では高校生投手を1人確保したいと考えています。5位のラインで指名がありそうな高校生で考えると北関東の3人が浮かびました。
作新学院の小川哲平投手、文星芸大付属の堀江正太郎投手、白鷗大足利の昆野太晴投手の3人です。小川投手は12月の仮想、堀江投手は9月の仮想、昆野投手は5月の仮想でそれぞれ獲得していることもあり、どうしても誰かを獲得して欲しいという気持ちがあります。この3人はレベルの高い投手で例年なら上位で名前が挙がってもおかしくない好投手です。誰が指名されても大満足な気がします。
またスケールの大きさに育成出来るかどうかドラゴンズでは前例の無さそうな投手として知徳高校の小船翼投手もこの5位という順位で残っているのであれば指名して欲しい気持ちがあります。
この夏小船投手を見る機会があったのですが、夏は明らかにコンディション面が上がってない状態だった為、小船投手の本来の出来の50%くらいでしょうか。完全体の小船投手を見るにはプロしかないと思っているので本当に楽しみにしています。
6位の方では即戦力リリーバーの指名を考えたいです。1イニングをしっかり任せきれるという意味ではセガサミーの荘司宏太投手は筆頭かなと思います。今年の荘司投手の登板を3試合ほど現地で見させていただきましたが、すべて無失点の好投。ランナーも時折ある四球くらいでヒットすらまともに打たれているシーンを見ていません。今年の荘司投手なら来年からバリバリ稼働する可能性は極めて高いと思います。
他にも日鉄ステンレスの江原雅裕投手は出力面でとても魅力のある投手です。補強選手で出場した都市対抗でも最速153キロのストレートが光っていました。非常に楽しみです。
最終指名に独立リーグから獲得があるかもしれません。ドラゴンズは音チーフスカウト体制になった2021年以降独立リーグの選手を毎年1人支配下指名しています。21年の石森大誠投手(火の国サラマンダーズ)、22年の濱将之介選手(福井ネクサスエレファンズ)、23年の土生翔太投手(茨城アストロプラネッツ)と3年連続続いていることを考えるとここの部分を考慮するのもアリなのかなと思います。
今年の独立リーグの選手で支配下指名があるとしたら徳島インディゴソックスの工藤泰成投手(東京国際大学)かなと思います。坊っちゃんスタジアムのガンとはいえ最速159キロを計測した速球は魅力ですし、先発としてリーグで7勝・奪三振率も9を超えるなどしっかり実績も残しているので指名があるとするなら彼かなと思います。
以上を踏まえてると今年の中日ドラゴンズの指名予想(個人的願望)はこちらになります
4.個人的推し選手10人
最後に中日ドラゴンズにはあまり縁が無さそうながら個人的に入れ込んでいるドラフト候補を10人挙げさせていただきます。
2024年は年間200試合を観戦させていただいておりますので10人に絞る作業はとても苦労しました。渾身の紹介をどうぞご覧ください。
4-1 中村 優斗(愛知工業大学)
まずは愛知工業大学の中村優斗投手(諫早農業)です。最推しの選手でございます。中村投手のことをここで書くと1万字じゃ語り尽くせないくらい魅力のある投手なのでここでは簡潔に書きます。(既に3万字近くなのでここからは手短に)
中村投手を初めて見たのは3年生の時でした。Twitterで既に中村投手について発信されてるのを見てどんなものか見てみたいという好奇心で愛知大学野球連盟の試合を見に行ったのがきっかけでした。3年時から常時150キロ以上のストレートに大きく曲がるスライダー、そして豪速球投手なのに与四球が少ない素晴らしく制球力。これらを現地で見た時の興奮と鳥肌は今でも忘れられません。
3年時は投げてるボール自体凄かったものの当時の名城大学の伊藤雄紀選手(現Honda鈴鹿)や塩崎栄多選手(現徳島インディゴソックス)に打たれていた印象があるのでそこまで圧倒しているという感じはしなかったです。しかし昨秋の松山合宿で同世代の選手達と相対したときに中村投手の凄さを理解しました。
中村投手は青山学院大学の西川史礁選手、九州産業大学の浦田俊輔選手、早稲田大学の吉納翼選手、大阪商業大学の渡部聖弥選手と並ぶ強力打線相手に投げたのですが、この4人を安打0本失策の出塁のみ許す完璧な投球で抑えました。渡部選手と対戦した時に坊っちゃんスタジアムのガンで157キロが計測され場内はどよめきました。やはり中村投手は只者ではなかったなと思うと共にこんな素晴らしい投手があと1年愛知で見れるのは幸せなことなんじゃないかと思いました。
そして迎えた24年、愛知大学野球連盟の春季リーグ戦開幕戦。この日の第1試合で中京大学の髙木快大投手(栄徳)が完全試合を達成しパロマ瑞穂野球場は興奮に包まれる中始まった中村投手の開幕戦。パーフェクトゲームの余韻が漂う中で中村投手は凄まじい投球を見せ被安打2奪三振16の完封勝利。最速は157キロを計測しましたが、それ以上にピンチの8回に155キロを連発して相手打者に何もさせなかったあの投球が今でも脳裏にこびりついています。あの日の中村投手のギアチェンジは間違いなく前年からの成長だったと思います。
翌週の中部大学戦では5回までに12奪三振を奪う快投だったものの6回に足を攣り清水智裕選手(大垣日大)に逆転2ランホームランを浴びて負け投手になって以降は精彩を欠いてしまい開幕戦以上のインパクトは残せませんでした。
それでも彼が凄いのは6月に行われた平塚合宿です。この日は2イニングを投げて打者6人をパーフェクト5奪三振、中でも同じ侍ジャパンとして3月に代表経験した青山学院大学の西川史礁選手を得意のスライダーで空振り三振を奪うシーンは流石でした。ミート感覚に優れ大学選手権ではほぼほぼ三振をしなかった西川選手を三振にしたシーンは今でも忘れられません。
秋のリーグ戦は代表の疲れもあって本調子じゃないまま始まったこともあり9月は3試合に先発して1勝2敗。特に中京大学との試合は8回6失点と打ち込まれてしまい敗戦投手となりました。それもあってか10月からはリリーフに配置転換しました。流石なのはリリーフでは登板試合すべて無失点に抑えている点です。球速も先発の時は150を下回るボールも多く見られたものの、リリーフではほとんどが152キロ以上最速は158キロを計測して中村投手"らしさ"が出た最後のシーズンでした。
そして大学生として最後の公式戦登板となった東海学園大学との一戦。4点リードの最終回に登板し打者3人をパーフェクト2奪三振。この登板で自己最速の160キロを計測し有終の美を飾った中村投手を見ていたら自然と涙が出ました。
わずか2年間でしたが中村投手の登板機会は20回以上見てきました。アマチュア野球の選手でこの数字は自分自身最高の記録です。ここまで思い入れのある選手は今まで居なかったと思います。そんな素晴らしい中村投手の学生最終登板にはどうしても感慨深く見てしまいました。次はプロ野球のステージで、最高の姿を見せてくれることを期待してドラフト会議当日を待ちたいと思います。
4-2 モイセエフ・ニキータ(豊川)
続いて紹介するのはモイセエフ・ニキータ選手です。モイセエフ選手はドラゴンズの補強ポイントには合ってる選手なのですが、どうも市場感とドラゴンズのウェーバーがうまくマッチングしないと予想している選手なのでここで紹介させてください。
初めて見たのは2年秋の愛知県大会でした。その時から3番センターで異常に目立つ選手がいるなという印象だったのですが、打つ方でも守る方でもチームの中心という感じがして、見ていて楽しい選手でした。
モイセエフ選手がドラフト候補の選手になったなと思ったのはその後の東海大会準決勝宇治山田商業戦です。この日のモイセエフ選手は絶好調で8回までに4打数3安打の猛打賞、しかしチームは2点ビハインドの最終回攻撃で打順は7番打者からでした。モイセエフ選手は3番なので打順が回るには最低でも3人塁に出る必要があり、個人的にはちょっと厳しいかなと思って見ました。すると豊川ナインが「ニキータに回せ」を合言葉に打順が繋がり、なんと1点差に迫り二死一三塁でモイセエフ選手に打順が回ってきました。そして初球を捉えて4本目となるヒットは値千金の同点タイムリーでした。そして次の打者がサヨナラ打を放ち豊川高校は東海大会決勝に進出、そのまま東海を制して神宮大会・センバツに出場しました。
この試合での集中力と高校生離れしたミートセンスはあまりにも抜きん出ていたので、間違いなくドラフト候補になると確信しました。その後神宮大会やセンバツでホームランを放ち一躍有名人となったモイセエフ選手ですが、きっかけはあの試合だったと思います。
センバツでは新基準バットで阿南光の吉岡暖投手からホームランを放つなど夏に向けても結果を残すと思いましたが、思いのほか新基準バットに苦しみ最後の夏はあまりアピールが出来ませんでした。しかし持ってる能力には変わりなく、夏の大会終了後には木製バットで練習しているという話も聞いています。
プロの世界に飛び込むモイセエフ選手に期待しかありません、どの球団が指名するのか今から楽しみです。
4-3 吉田 聖弥(西濃運輸)
こちらは指名戦略で名前を挙げさせていただいた投手ですが、吉田聖弥投手も指名の兼ね合いからドラゴンズにはあまり縁がないのでは・・と少し疑っている投手です。指名されたら飛び跳ねるように喜びます。
吉田投手を初めて見たのは昨年の日本選手権予選です。その年に高卒3年目を迎えていた吉田投手ですが、解禁年を迎えてもあまり実戦登板が少なく丁度日本選手権予選から徐々に投げ始めていた投手でした。しかしこの頃は球速帯も130キロ台だったので、綺麗なフォームとブレーキのあるチェンジアップが良いなと思うくらいでドラフト候補としては見ていませんでした。
続く日本選手権でも吉田投手は先発しましたが印象は変わらず、むしろリリーフで出てきた庄司魁投手(石巻専修大学)の方が150キロ連発でドラフト候補なのかなと思ったくらいでした。
吉田投手をドラフト候補として見始めたのは今年の春、JABA岡山大会をYoutubeで見たことがきっかけでした。ストレートが明らかに強くなっており綺麗なフォームは持続されたまま球速が伸びた、そんな感じでした。実際現地観戦した方のレポートに最速146キロと出ていたので本当にスピードアップしたのだと思いました。これがきっかけで4月の仮想では吉田投手を指名しようという流れになり実際指名しましたが、当時の反響はほぼありませんでした。
実際良くなっている吉田投手をこの目で見たいとベーブルース杯に行ったものの登板試合に巡り合えず結局都市対抗予選まで持ち越しでした。今年の吉田投手は都市対抗予選が1番調子が良かったような気がします。都市対抗予選の吉田投手は岡崎レッドダイヤモンドスタジアムのガンが152キロを記録するなどストレートがめちゃくちゃ良かった時期でした。この時の吉田投手の登板を見ていたNPBのスカウトも吉田投手を絶賛しており、ある球団のスカウトとお話した時にはまだ6月でしたが指名は間違いないと太鼓判を押されてました。
7月の都市対抗では3試合に先発しましたが、最後は過密日程による登板過多で本調子じゃありませんでした。9月の日本選手権予選も疲れが取れていないのかストレートが走らず変化球も精度がイマイチで2試合連続KOされ社会人最後の公式戦となってしまいました。
おそらく去年まで1年通して稼働していなかった吉田投手なので最後は疲れが出たのだと思います。社会人投手ということで即戦力を期待される人もいるかもしれませんが、個人的には年間投げぬく体力作りをしてからでも遅くないと思います。
今年のドラフト候補の中では1番綺麗なフォームをしていますし、何より男前の顔が良いなと思いました。彼は1軍に定着すれば人気選手になりそうですし頑張って欲しいです。
4-4 石見 颯真(愛工大名電)
4人目は愛工大名電の石見颯真選手です。彼は1年夏から甲子園ベスト8メンバーの中に入って活躍していたのでずっと知っていましたが、石見選手もドラフト候補として見るようになったのは2年秋の東海大会です。
初戦の日大三島戦では特大の場外ホームランを放ち球場がどよめいたのもありますが、個人的には準決勝の藤枝明誠戦の石見選手が忘れられません。この日の石見選手は4打数4安打の大当たりの日だったんですが、すべて逆方向へのヒットだったことが印象的でした。4安打のうち2本はレフトの頭を超える長打を放っており、引っ張れば特大の場外ホームラン、逆方向にも強い打球が打てるということでレッドソックスの吉田正尚選手(青山学院大学)を彷彿とさせる選手だなと思いました。打撃だけなら間違いなく天才肌でした。
センバツでも報徳学園の今朝丸裕喜投手からヒットを放つなど非凡な所は見せていましたが、モイセエフ選手同様新基準バットに苦しんだ印象を受けました。最後の夏も見に行きましたが打球がなかなか上がらずチームも5回戦で敗退してしまったのでアピール面はちょっと出来なかったかなと思います。
しかし天才的なミートセンスはプロでも光る素材だと思いますし、選手モデルは千葉ロッテのルーキーの寺地隆成選手(明徳義塾)が近いかなと思います。ファームである程度慣れればすぐ結果が残せるタイプだと思いますし、ショート守備もどんどん上達していったので今後が楽しみです。
4-5 笠井 建吾(三菱自動車岡崎)
5人目は社会人投手から三菱自動車岡崎の笠井建吾投手(慶応義塾大学)を紹介します。笠井投手を初めて見たのは昨年の都市対抗予選でした。三菱自動車岡崎が初戦を落とし負けたら終わりの試合でクラブチーム相手でしたが笠井投手が150キロ近い豪速球で相手を圧倒していた投球は今でも覚えています。
そこからしばらく名前を聞かなかったのですが、春先のオープン戦で調子が良いという話を聞いてベーブルース杯を見に行きました。その日の相手はエイジェックで相手先発の河北将太投手(東洋大学)もプロ注目の投手ということでスカウトが5-6球団駆け付ける中、笠井投手はエイジェック打線を完璧に抑えていました。最後失点してしまいましたが途中までは最速151キロの速球で制圧していました。
この日の投球が忘れられずそれ以降もずっと見ていましたが、都市対抗ではなかなか思うような投球が出来ていなかったので、年齢(26歳)のこともあるのでプロは厳しいのかなと少し思っていました。しかし日本選手権予選にはNPBのスカウト4球団が集まり笠井投手を視察する情報があったり、中には調査書を送る球団があったりと笠井投手の指名の可能性がどうやら見えてきそうな予感がしてきました。
指名されたらめちゃくちゃ嬉しいのでドラフト当日願いながら笠井投手の行く末を見届けます。
4-6 沢山 優介(ヤマハ)
6人目はヤマハの沢山優介選手(掛川西)です。この投手は本当に自分と巡り合わせの悪い投手で今年の登板は2試合だけしか見れませんでした。
まず最初は2月のくふうハヤテとのオープン戦ですが雨天中止、後に登板予定があったとう情報があったので本当に残念でした。その次はJABA静岡大会ですが、こちらも雨で順延した影響で自分が観戦したヤマハの試合は登板せず、元々観戦予定だった試合の方で先発していました。その次は都市対抗予選ですがこの頃の沢山投手は調子を落としていた時期だったので、ヤマハの試合を2試合見に行きましたがいずれも登板はありませんでした。
都市対抗の直前にトヨタ自動車とオープン戦をやるということでトヨタ自動車は増居翔太投手(慶応義塾大学)が投げると聞いていたもののヤマハは沢山投手は投げず。ブルペンでフォーム固めしているシーンだけ見ることが出来ました。
と言ったようになかなか沢山投手の登板に当たらず嘆いていましたが、8月以降何とか2回登板機会を見ることが出来たので良かったです。沢山投手は春~夏にかけて調子を落としていましたが、ここにきてドラフト候補としての輝きを再び放っており、登板試合ではスカウトが集結するなどドラフト目前で評価が急上昇しているのではないかと思います。
ストレートが悪い時はバラバラだったものの今は安定しており、直近のJABA伊勢大会の東芝戦でもいいストレートを投げ込んでいました。アームアングルに特徴がある投手なので育成が難しいと思われますが、高身長の利点を生かしたフォームだと思うのでモノになった時のリターンは大きい投手なのかなと思います。
個人的には結構上の順位で指名があるのではないかと密かに期待しています。
4-7 宮崎 竜成(ヤマハ)
7人目もヤマハから宮崎竜成選手(立命館大学)を紹介したいと思います。沢山投手とは逆で野手なのでヤマハの試合に行くと毎回スタメンで出場している選手ですし、個人的には毎回打ってる印象のある選手です。
特に印象的だったのは都市対抗前に行われたトヨタ自動車とのオープン戦、先発の増居投手からトヨタスポーツセンターの防御ネットに突き刺さるホームランは凄すぎました。相手のトヨタベンチからもエグいを連呼するくらい打った瞬間の気持ちのいい当たりでした。
宮崎選手は都市対抗予選でも本当に良いところで打ったりしていたので打撃に関しては一級品だなと思います。守備のセカンドに関しても特筆悪目立ちすることはないので、プロでもしっかりと守れると思います。
今年は末包昇大選手(大阪ガス)や福永裕基選手(日本新薬)など打てる社会人出身選手の活躍が目立ちましたので、宮崎選手もこの流れに乗って指名があって欲しい選手です。
4-8 山﨑 大輝(JR東海)
8人目はJR東海の山﨑大輝選手(中部学院大学)です。山﨑選手を良いなと思ったのは今年の春のJABA東海春季大会でした。雨が降りグラウンドコンディション最悪の中、軽快な動きで好プレーを連発する山﨑選手の動きに驚きました。
打つ方でも思いっきりがよくパンチ力もある選手なので非常に面白いなと思いました。特に西濃運輸の補強選手として出場した都市対抗では延長タイブレークで3点を追う展開の中、相手投手の初球を捉えてタイムリーツーベースヒットを放った時は痺れました。大事なタイブレークのチャンスに対して初球から仕掛ける勇気はめちゃくちゃ凄いと思いました。
小柄ならがパンチ力もあるということで非常に優秀なショートストップだと思います、選手モデルは日産自動車の梵英心選手(元広島)が近いかなと思います。梵選手みたいになれる選手だと思います。
4-9 吉川 大翔(日本製鉄東海REX)
9人目は吉川大翔投手(専修大学)です。昨年のnoteにも書いた推し投手なんですが、昨年は調子を崩してチームを都市対抗に導けず会社に貢献出来ていないということで残留を決意し、今年こそ結果を残してプロに行くという強い意志を持っていると東海地区の野球通の方から聞きました。
その言葉通り今年の吉川投手はしっかりと結果を残しており、5月のベーブルース杯では2試合に先発して2勝を挙げMVPを獲得。チームも優勝して日本選手権の出場権を得たのでしっかりと成果をあげました。
都市対抗予選は残念ながら敗退してしまったものの、王子の補強選手として東京ドームのマウンドにも登りました。
昨年とは立場が違うドラフトとは思いますが、社会人でしっかりゲームメイクの出来る左腕投手は貴重だと思うので指名があって欲しいと願う1人です。
4-10 齋藤 大翔(金沢)
最後は東海地区以外の選手から1人、今年ドラフト候補の視察をして1番の衝撃を受けたのがこの金沢高校の齋藤大翔選手でした。噂では聞いていたんですが実際の齋藤選手を見たらちょっと凄すぎてある意味言葉を失いました。今まで見たことのないような驚異的な身体能力を使う守備はここ20年の高校生ショートで1番じゃないかと思いました。1人だけ次元が違うなと正直思いました。
特徴としてはまずはスピード、これは走塁に限らず守備にも言えることで何と言っても一歩目のスピードが桁違いでした。そして肩に強さ、これも高校生離れした驚異的なものだったので見ていて衝撃しかなかったです。そして最後にスター性、すごく抽象的になりますがグラウンドに1人別の世界から来た怪物がいるといった感じの佇まいに見えました。体格も良く見栄えするのもありますが、明らかに野球が上手い奴が目立ってるって感じではなく1人スーパースターがいるといった感じでした。
齋藤選手のシートノックはお金取れるレベルの素晴らしい守備をしていますし、恐らく新人合同自主トレとかが始まるとすぐに話題になること間違いありません。この夏最大の衝撃でした、個人的には1位で指名があって欲しいレベルです。
5.最後に
今回は過去最長の3万5千字を超える大傑作となっていますが、正直流し見程度で見てもらって構いません。最後まで見ていただいた方ありがとうございました。
2024年ドラフト会議楽しみましょう!