鬼塚夏美さんとスパスタ2期感想①
ラブライブ!スーパースター‼︎2期が終了し早くも3週間が経ちましたね。
ライブ感が落ち着いたいま、どうやら感想noteが流行りらしいので私も忘れないうちに2期を振り返るという目的も兼ねて書いてみようと思います。
とはいえ普通に感想を述べるのは何番煎じだという話なので、当記事はタイトル通りにとてもとてもかわいい推しの鬼塚夏美さんを中心に(キャプチャ多めで)書いていきます。
※めっちゃ長くなってしまったので2分割します。まずは6話分。
・1話
やや遅めながらも、かなり印象的な登場シーンでした。(思えば私は2期PVのこのシーンで彼女のことを大好きになったのでした。めっちゃかわいいので…)
独特なイントネーションと口調で、「高校入学をガチ決めましたの〜!」「プライベート大公開〜!」とLtuberらしく笑顔を振りまき自撮り棒を片手に画面内を動く動く。
かと思えば画面に映り込んだきな子に「何か?」とジト目低音で言ってみたり、名刺を渡してみたり……とにかくインパクトが凄い。
(もしかしたら、これまでもLtubeの撮影をしている際に冷やかし目的で声をかけられることがあったのかもしれないですね。……邪推であってくれ)
そしてここで彼女が、
『株式会社オニナッツ 代表取締役社長 CEO』
であることが判明します。凄いなこの子。
しーいーおー(CV 鈴原希実)というセリフもかわいいですよね。北海道の田舎から上京してきたばかりである彼女の瞳には、LtuberかつCEOの夏美はどう映ったのでしょうか。
そして1話といえば何と言ってもこのラストシーン。
かのんからLiella!への勧誘を受け(屋上で行われるリハを観にきてと誘われ)、興味はあったものの先輩についていけないかもしれないと尻込みするきな子の表情から何かを感じ取り、夏美は話を聞きます。
(CEO呼びをして夏美と仲良くなりたい気持ちが少なからずあったのかもしれませんね)
夏美の言葉を受け止め、きな子の表情は決意を固めたようなものへと変わり、横に現れた四季のmachineによって(最後は自分の足で)屋上へと続くドアをこじ開けます。
図らずも6人目のLiella!の誕生に寄与してしまいました。初っぱなから貢献度高いなこの子。
それにしても、夏美のセリフは名言すぎる。2期の中でも──スーパースター‼︎の中でも上位に入るセリフではないでしょうか。一体どんな人生経験があればこんな言葉をかけられるのか。
絵森彩さんの演技も絶妙です。「……でも!」と表情と声音が花開いたように明るくなるところが特にここすきポイント。
そして初めて会ったときのように流してもいいのにもかかわらず話を聞き、アドバイスまでしてくれるところに彼女の優しさが出ていますね。
1話挿入歌『Welcome to 僕らのセカイ』を最前席で観たきな子、ドアの向こうから覗くようにして観たメイと四季。
一方で夏美は……撮影の邪魔だとスクールアイドルに関心を1mmも示すことなく屋上にキレます。1話ではなんだかんだ1年生全員がLiella!のステージを観るのかなと思っていたので、ここは凄く笑いました。
・2話
18秒
↑
これ何の数字??
夏美が画面に映っていた秒数。18秒て。
1話でLiella!に加入したきな子は、先輩になんとか食らいついていこうと可可から渡された秘伝の練習メニューをこなすなど自分に出来ることを精一杯頑張ります。
ただやはり実力者の2年生5人ときな子1人では心細く、千砂都と恋は他の1年生が入ってくれれば……という言葉をこぼしていました。
それはかのんも同じ気持ちのようで、2人で朝練をしているときに、他の1年生にもスクールアイドルの楽しさを知ってほしいけれどどうすればいいのか、と相談のようなものを受けたきな子は同じクラスの誰かに声をかけてみようと試みます。
教室でひときわ大きな声を上げた夏美は、なんと株で大損している模様。
1話のキラキラしている姿とは打って変わって涙目になっています。(おさげ握る癖かわいい……)
そんな夏美に驚きつつ目を向けたきな子は、
これはなぁ…うん、仕方ない。
四季に「メイを誘ってほしい」と声をかけられていたきな子は、教室入口方向へと目を移します。
体育の時間にも人の輪には居らず(違う場所にいた可能性はありますが)夏美……きっと友達いないんだろうなぁ……マニーに一直線で作ろうともしてないんだろうなぁ……というちょっと心痛むシーンでした。ところで一番後ろの席で黒板ちゃんと見えるのか?
2話は18秒ながらかなりのインパクトがありましたね。
3話は2話の分も出番がもらえることでしょう。
・3話
17秒
↑
これ何の数字???
夏美が(略
目標をラブライブ!優勝に定め直したLiella!は、昨年伝説のユニットであるクーカーが参加した『代々木スクールアイドルフェスティバル(以下SIF)』に主催者特別招待を受けます。
出番が前年度ラブライブ!東京大会準優勝という実力を評価されての大トリであったり、結女生や他校のスクールアイドルファンからもLiella!への期待が募っていることが描写されます。
きな子も段々とダンスが良くなっていき、前年度全国覇者のサニーパッションが出場しないSIFは万全に優勝出来るだろうという雰囲気が漂う中……
夏美はLber Eatsで汗水垂らして働いていました。しかも徒歩で。流石に徒歩はキツいよ。
バイトをしている高校生は珍しくないのですが、自分の好きな時間に働くことの出来るLberというのが夏美らしいなと思います。
しかし配達が1分遅れ低評価を付けられてしまいます。
株で上手くいかず、バイトも上手くいかず……でもLtubeは上手くいってるんですよね?
プロフィールに、『人気エルチューバー』って文言がありますし。
会場近くで夏美は休憩していましたが、どうやらSIFの存在を知らないらしい。
というか、スクールアイドル自体を知っているんでしょうか?
1期では同じく流行に敏感なタイプのすみれが全くスクールアイドルのことを知らなかったので、割とマイナーなものなんでしょうか。いや規模がデカすぎるしマイナーなわけないだろ!でも、静真高校では
SIFでは新星ウィーン・マルガレーテに負けてしまったLiella!ですが、結女の生徒達に励まされ、もう一度優勝を目指す決心と応援してくれるみんなへの感謝を込めたライブを体育館で披露します。
きな子は『Go‼︎リスタート』を(ほぼ)センターのようなポジションで歌いきりダンスを踊りきり、メイはブレードを6本持ちして涙を流し、四季はそんなメイを隣で見て柔和な笑みを浮かべ……
……あの、夏美は?
恐らくバイトしてたのでしょう。夏美……。
彼女は一体いつになったらスクールアイドルに触れるのでしょうか。
・4話
12秒
↑これ何(略
4話が放送されたのは8/7と夏美の初めての誕生日でした。
ですが4話は四季メイ回(どちらかと言えばメイ四季?)兼かのちぃ要素の感じられる回であり、夏美の姿は一向に見えません。
開始から15分が経ち、やっと姿を現したかと思えば、
えぇ……今度は引越しバイトをしてる……。
高一が引越し屋で働けるのか? という疑問はさておき、というか、◯berも未成年はNGだったはずなので今更感2話で出してしまった株の損失をまだ補填しきれていないのか、それとも単発バイトに応募したのか。定かではありませんがとにかく頑張っています。
「このままだと今月分の目標が〜」という言葉の通りであれば、株は損失を出したとはいえそこまで深刻なものではないのだと思います。だとしたら、こんなに必死に稼いだお金の使い道は……?
日登り引越→サンライズ
152→夏美の身長
え→絵森さんの「え」(なはず)
72-3X→夏美と、腰含む心身がやられているという意味でバッテン(なのか?)
見つけてくれと言わんばかりの小ネタが仕込まれているあたり、製作陣から愛されているのかもしれませんね。
この4話でもスクールアイドルに触れることなく終わります。
リアタイ当時はここら辺でようやく1期の同一話数回と重ねている部分が多いのだと気付きました。
Liella!(当時はグソクーカー)4人目の嵐千砂都さんが加入したのは6話なので、夏美が本格的にLiella!と絡んできそうな次回予告を見ても、彼女の加入は6話なんだろうなぁと推しに2話も使ってもらえることを嬉しく思っていた記憶があります。
・5話
ファン待望の鬼塚夏美回は4人のいる教室から始まりました。
4話では友達付き合いを煩わしく思っていたメイと、彼女と出会うまで1人でいることの多かった四季の回想シーンがありましたね。高校に入ってからも中学生の頃と変わらず2人でいることの多かった2人は、Liella!に加入したことによってクラスの注目の的になります。
一方、そんな3人と盛り上がる教室の隅では、もう1人のはぐれ者が……
なんとここで、オニナッツチャンネルの登録者数が68人であることが明かされます。薄々予想されていたとはいえ、Ltubeも上手くいっていないようです。ギャラクシー先輩の8人よりはマシですが。
動画の再生回数は、
【現役JKが歌う】スクールアイドルメドレー アカペラで歌ってみた! 723回再生
【激ヤバ】22時間ぶっとおしで寝てみた! 102回再生
【禁断】夏美のオニ辛口徹底追求~時事ネタ編~Part1 221回再生
【大食い】おにぎり100コ作って食べてみた【超過酷】 118回再生
よくやっていると思いますが、人気とは程遠い。まさか座右の銘の『嘘も方便』とはこのことなのでしょうか?
まあ恐らくキャラ設定の時点では本当に『人気エルチューバー』であったのだろうと思います。いつの間にか消えたギャラ先輩の配信者設定と同じように。
動画内容についても、バズりそうなネタを模索……というより迷走している感があります。唯一伸びているスクールアイドルメドレーも、(5話EDの夏美の歌声はとても綺麗でしたが)この世界でのスクールアイドル人気によるものだろうと推察出来ます。
1話~4話で全くスクールアイドルとの絡みがなかった夏美ですが、こういった動画を投稿するくらいには知っていたようです。
対してLiella!のフォロワー数は順調に増え続け113,620人となっており、夏美は(もしかしたらLiella!を利用できるのではないか?)と目を付けます。
余談ですが、もし1話時点での夏美がスクールアイドルに触れていたとしたら、バズりそうだなとは思えど利用しようとは考えなかったのではないでしょうか。
これまでの彼女を振り返ると、
1話 楽しそうに動画撮影 → 再生数が伸びない
2話 株に手を出す → 日経平均全面安
3話 Lber Eatsで働く → 低評価を付けられる
4話 引越し屋でバイトをする → 腰を痛める
様々なことに手を出してみたはいいものの、ことごとく失敗続きなんですよね。
このように良くないことが連続すれば、1話~4話でメンタルの強さを示唆された夏美でさえも精神的に追い詰められます。
明るくて前向きでも、全く傷付かないわけではなく。
そして1人で突き進もうとするが故に誰も話を聞いてくれる人がいなければ……この展開はどこかで見たことがありますね。
行動力の化身である夏美はさっそく試算をし、プロデュースという体でLiella!と接触を図ります。
夏美がかのんへ『株式会社オニナッツ』の名刺を渡す際に、きな子は昔同じ名刺を渡されたと言います。
1話できな子の目を釘付けにしたのは、昨年の東京大会でLiella!が踊った『Starlight Prologue』の動画でした。
名刺と夏美に対しての反応から察するに、きな子は夏美の動画を見ていないのだと思います。他のメンバーについても同じく、夏美の動画を見たことがある人はいない模様。そりゃ零細だから
Liella!のプロモーションを外部に委託すれば、その時間を練習に使えるという点で利があると考えたメンバーたち(契約者はかのん)は株式会社オニナッツと契約を交わします。
4話で千砂都がスクールアイドル部の部長に就任しましたが、外の視点からはかのんがトップだと思われていることが示されます。いやかのんもかのんで安易に契約するなという話ですが、きちんと契約書を作って目を通させているあたり、スクドル関連商品の無許可販売が横行しているこの世界では誠意がある行動ではないでしょうか。未成年取消権? なにそれ?
Liella!のプライベートな動画を撮影するために、可可の家にみんなで集まり、近所迷惑確定な部屋の内外に分かれての大富豪を行います。プライベート大公開ってレベルじゃねえぞ。
かのんとすみれは連続で貧民と大貧民になっていて屋外に追い出されていて、可可は大富豪であるようです。
これは6話の内容を併せて考えると、各々の「夢」に対してのスタンスや過去、現在が示されているのではないでしょうか。
かのんとすみれの共通点と言えば、「夢」への挫折を経験していることでしょう。かのんは音楽科の試験に落ちてしまい、すみれは幼い頃からスポットライトが当たらなかった。対して可可はスクールアイドルという「夢」を今現在叶え続けている最中であり、充実度合いで言えばメンバーの中でも抜きん出ています。他のメンバーは(見える限りでは)大きい挫折を経験していません。
そして夏美はというと、動画を撮影するだけなら後に明かされる動画タイトル通りに自分も参加しても良いはずなのに、ゲームに加わろうとはしません。
点字ブロックやもう一本の線により分かりやすく線引きされているのは、ゲームに参加している人とゲームから降りてしまった人の違いを示唆しているのだと思われます。
そのままの方が落ち着くというかのんと、革命を宣言するすみれの対比も面白いですね。のしあがるためにはズルも厭わないすみれと、ズルしちゃ駄目だよというかのん。すみれは言うだけ言ってズルはしなさそうですが。
(それにしても、Liella!のジョーカーといえば平安名すみれなのに、スペ3禁止という状況で弱いなんて……)
(公平さを問う千砂都や、抜けようとするメイと四季、他のことに目移りする恋などにも各々の性格が出ているように感じますね)
動画の撮影が始まると、夏美は一本の線の上に立ち、そして跨ぎます。撮影をしていれば、一歩と言わず数歩も前に踏み出せるということでしょうか。
(ここでひっそりと恋ちゃんの運命が変わります)
編集しアップロードした動画は再生数が伸びたようで、登録者数も3620人に増えています。ただこれに関しても彼女の人気が上がったのではなく、あくまでLiella!ありきの結果。
けれどこれまで失敗続きであり何よりも再生数(マニー)を求めている今の夏美にとっては、それでも嬉しいのでしょう。いや、嬉しい/嬉しくないの次元ではないのかもしれませんね。
そしてここで夏美の部屋が登場します。好きなキャラクターとして紹介されていたゾウとキリンのぬいぐるみや、配信機材、100万円が貯まる貯金箱などがあります。実家は鬼塚商店というお店を経営しているらしい。
自室での夏美については『電撃G's MAGAZINE 2022年12月号』のゆるリラLiella!コーナーでも取り上げられているので必見です。かわいいですよ。タペストリー買いました。
日常に密着し良い感触を得た夏美は、更なる再生数を求め練習にも密着しようと試みます。
部室でのメンバーの会話を聞き、2年生と1年生を観察した夏美は現状のLiella!の構図を理解します。ここ現代文得意設定?
練習メニューの強度に怯んだり、2年生の発言によって気が引き締まるなど(これは当然といえば当然ですが)、精神的な面でも明確に劣る1年生。
制服のまま自撮り棒を携えランニングについていってみれば、体力的な面でも大きな差があることが分かります。
(3人はかのんから水を渡されているから大丈夫だけど、夏美も水分補給して……)
練習後の動画を撮影しようとしたところで、すみれに収益のことを咎められます。説明不十分だったとはいえ契約書を交わしたのに焦るということは、多少の後ろめたさはあったのでしょう。
隙を突き逃亡した夏美を、かのんのお人好しによってとりあえず静観することにしたLiella!ですが…
四季の夏美ちゃん呼び好き
お咎めなしであると分かると、夏美は翌日からも撮影が出来ると安心したのですが、他の1年生は練習を動画を通してファンに見られることによって、先輩との実力差が広く可視化されてしまうことを想像し落ち込んでしまいます。
その様子を見た夏美は、3人を唆し夏休み中の2年生との別行動を提案させます。昨年同じように一時的に離脱をした千砂都部長はその気持ちが分かるとしてこれを承諾しました。
ここの夏美の解釈には議論の余地がありますが、個人的には前述の練習前の部室でのやり取りからも言えるように、2年生との差を意識しすぎるあまり勝手に落ち込んでしまう1年生を目にした夏美は、それを「想いの弱さ」と解釈したのではないかと思います。
本気でやっているなら、仮に誰に笑われたって前に進めるはず。それくらいの想いの強さなら、スクールアイドルをしたいだけなら、必ずしもLiella!である必要性はないのではないか。それが「夢」なら……。マッチョすぎる解釈かもしれませんが。
本編が終わると『追いかける夢の先で』ソロ歌唱と『迷宮讃歌(葉月恋ver.)』の映像に続けて登場します。
(最初余り物ペアじゃないかって思ったけど、歌詞を見るとこの2人に歌わせて大正解だと思いました)
5話ではやりたい放題(絵森彩さんのツイートより)していた夏美ですが、6話はどうなるのでしょうか。
・6話
5話で1年生と2年生の分断に成功した夏美は、1年生でユニットを組んで活動しようと提案します。
彼女たちのスクールアイドルにかける想いはそこまで強くないだろう、と考えていた夏美でしたが……
夏美が見誤っていたのは、3人のLiella!に対しての想いの強さでした。先輩の、Liella!の力になるためにスクールアイドルをしている彼女たちにとっては、新ユニットなど以ての外。
先輩たちに追いつくために、きな子の実家がある北海道で強化合宿を行うことにしました。
強制的に北海道に連行され、旅費を徴収され、更には四季の発明で走らされます。
彼女たちの想いを見誤っていた夏美にはどうして3人がそこまで頑張るのかが理解できないようでしたが、もう一度「Liella!のため」と言われ、練習を間近で見ているうちに、少しずつその気持ちは変わっていったのではないでしょうか。
その日の練習が終わり、きな子の家で晩ご飯を食べようとしているなか、夏美は宿泊場所でパソコンと睨めっこをしています。
登録者は増えましたが、その人たちが見たいのはLiella!のみ。夏美には興味がないので、好物のスムージー動画を上げても全く伸びません。
人気のコンテンツで釣って、他の動画の再生数も芋づる式に増やすという算段だったのでしょう。
それが失敗に終わってしまえば、さらにチャンネルの再生数を増やすためにするべきことは唯一つ、Liella!の動画の再生数を増やすこと。
ただの練習動画をサムネ詐欺であたかも内紛が起きているように見せようと画策しますが、夏美を呼びにきたきな子に画面を見られてしまいます。
きな子は内容までは分かっていない様子で、誤魔化すために夏美は焦った様子で『Starlight Prologue』の動画をきな子に見せます。
この曲はきな子の始まりと言ってもいい曲でした。自分の好きな曲に興味を持ってくれたことが嬉しいのか、弾んだ声音で話し始めるきな子に対し、夏美はあまりピンときていない様子。
偶然が重なり、きな子の(+メイと四季の)夢を聞いた夏美は、その「夢」という言葉に反応を示します。
自分の「夢」を語ったきな子は、夏美の「夢」は何なのかと問いかけます。
高校1年生ながらCEOで、Ltuberもしている夏美はきっと大きな「夢」や「目標」があって、それを原動力として頑張っているのだと考えたのでしょう。
私たち視聴者的にも、ここはかなり気になった箇所かと思います。実家貧乏説とか、家族が病気で……など様々な説がありましたね。
夏美の目標は、強いて言えばお金を稼ぐこと。老後のため……とこの言葉を直接受け取るのは早計で、注目すべきポイントは「特にない」という部分ではないでしょうか。
期待した答えが返ってこなかったからか、動揺したきな子はいつもの「っす」口調が取れています。「ふぅん」という言葉からは僅かに失望の念すら感じられます。
きな子の「夢」を聞いた夏美は「くだらないんですの」と言いつつサムネを普通のものに変更します。
誰かの「夢」の邪魔をしてしまう行為は、どうしてもできないことだったのでしょう。
そしてここでようやく夏美はきな子の、1年生3人のLiella!とスクールアイドルにかける想いの強さを理解したのではないでしょうか。自分がいつからか言わなくなってしまった「夢」を、あそこまでキラキラした表情で語るくらいなのだから。
夏美はきな子との話が影響してか、幼い頃の夢を見ます。
オリンピックで金メダルを獲る → かけっこで最下位
ノーベル賞を取ること → さんすうで15点
世界的なモデルになること → 身長が伸びない
(声変わりとは別に声色がどんどん変化していく演技、凄すぎませんか?)
彼女には大きな「夢」を抱いては、挫折し続けてきた過去がありました。「夢」を見ることは良いことで、けれどそれを語れば語っただけの責任がつきまとってきます。
幼い頃の大言壮語なんて……と思うかもしれませんが、夏美は「夢」に対して人一倍、いや、それ以上に真摯な子でした。
そんな子が「夢」を語る(学校での発表の際に語らされたという場面もあったのかもしれないですね)度に失敗を続け、諦めることを続けた結果、「夢」に対して臆病になり、そもそも「夢」を見ること自体をやめてしまったのでした。
だとすれば夏美の執着していたマニーは「夢」と対をなす現実の象徴だったのかなと思います。「夢」をできるだけ廃した結果残ったもの、と言ってもいいかもしれません。マニーは頑張れば頑張った分だけ貯まるもので(株などはおいといて)あって損はなく、何より裏切らない。
これまでどれほどの額を稼いだのかは分かりませんが、あの貯金箱に入っているお金には全く手を付けていないのだと予想できます。「今月分が~」と言っていたように、月に○○円稼ぐというのが目標になっていて、マニーそのものを使って何かをしようというわけではないのでしょう。
そんな夏美が投稿した練習風景の動画の再生数が伸び、思わぬ影響をもたらします。
動画を見た千砂都は、1年生の自信を付けるために少しハードルを上げることを思い付きました。
一緒に練習していてはなかなか分からないような、客観的な視点での彼女らの成長を画面越しに感じたのでしょう。(それとは別に、1年生だけで練習を行っているため、練習中に2年生との実力差に必要以上に悩んでいないことが実りある練習に繋がっているのかもしれませんね)
そしてそのハードルとは、2年生と同じステップを練習すること。
千砂都部長は優秀なので、天地がひっくり返ってもできないようなことをかわいい後輩に要求したりしないでしょう。
なので、1年生がこのまま励み続ければ絶対に越えられるような要求を、どうにか乗り越えてくれという期待を込めて発信してきたのだと思います。
実際、フィジカルの面では問題はないのだと思います。
でも、精神的には?
実力者が集う2年生とは違い、1年生は良くも悪くも普通の子が揃っています。(普通より明らかにかわいいけど)1年生が度々当たっている壁を、同じ状況でも2年生は壁だと認識しなかったかもしれません。
唯一、可可は運動が絶望的でしたが、スクールアイドルへの情熱はLiella!1番で、どんな壁があろうとも絶対にへこたれなかったのでしょう。
夏美が寝巻から私服に着替えてくるまで、3人は一歩目を踏み出せずにいました。
自分たちには無理かもしれない。『やってもないのに』。
「夢」を語ったのなら、
3人に言いつつ、自分に対しても言っているんですよね。
これまで何度も諦めてきたから、気持ちは分かるけど、そこで止まっては駄目なんだ、と。
ですの口調取れるところが……良い。
「手が届く夢」の前で足踏みしてほしくない。諦めてほしくない。眩しいくらいに、目を逸らしたくなるくらいにキラキラしていてほしい。
そんな夏美の気持ちは1年生に届きます。
ところで、ここの劇伴に聴き覚えはありませんか?
そうです。1期4話のすみれのスカウトシーンに流れていたもので、曲名は『スカウト』。
挫折を続けてきたすみれの気持ちが分かるのは、同じく挫折を経験して大好きな歌を諦めようとしていたかのん。
自分にはスポットライトは当たらないのだと折れかけていたすみれにかのんがかけた言葉は、
どちらも諦めないことの大切さを説いていますね。こういうところニクい。
そしてキラキラを取り戻し頑張る3人に感化されたのか、夏美も練習に参加するようになり……
最初は反対側の車線を走っていたのに、同じ車線を走るようになっています。
体力も徐々についてきている様子。
これまでは恐らく経験してこなかった、仲間と共に頑張ることに充実感を覚えた夏美は、雲の隙間から差す光を見て自然な笑顔を浮かべます。
いつもの動画配信者のオニナッツとしてではない、「鬼塚夏美」の笑顔だったのではないでしょうか。
練習を終えて五右衛門風呂の準備をした後に、きな子は夏美に感謝の言葉を述べます。
その表情は、隣に座って「夢」を語ってくれたあのときと、夏美が「何もない」と言う前のものと同じで。
目標に向かってCEOとして頑張っている夏美ちゃんだからきな子たちを励ましてくれたんだ、励ませるんだ、と思ったのでしょう。
謙遜しているだけで、本当は夏美ちゃんには大きな「夢」があるのだと。
けれど実際には、夏美の言葉は自分の経験と、諦めと、それでも燻り続ける気持ちからくる言葉でした。
否定してもそれでも訊ねようとしてくるきな子を夏美は追い払います。
独りになったところで、どこからかガサゴソと物音が……
四季さん? クマ?(大熊和奏さんネタ)
なおこれ以降1年生の名前を呼んでいないので、未だに呼び方が不確定な模様。
※雑誌やスクフェスだと呼び捨てです。
暗闇から現れたのはクマのパーカーを羽織ったかのんでした。
お父さんの用事のついでに1年生の様子を見にきたようで、なぜか夏美のことも気になっているらしく。
ここで流れる劇伴『夢の予感』良すぎないか?????
先程のきな子との話を聞いていたかのんは、夏美を9人目のLiella!に勧誘します。
夏美の発言の通り脈絡はないのかもしれませんが、動画撮影の様子などを見て夏美のことを気にかけていたというのは想像でき、きな子との会話を聞き、夏美に「夢」を見せてあげたくなったのではないかなと思います。
(知らないうちに1年生のメンタルを回復させてますしね。この子は素質ありですよ。表情管理最強ですし、かわいいですし)
一緒に「夢」を追いかけようよと言うかのんに、夏美はこれまで何度も挫折してきたのだと返します。
ここで思い出すのは、1話できな子にかけた夏美自身の言葉。
言いながら、夏美は何を思ったのでしょう。
ただ、挫折を味わったことがあるのはかのんも一緒で……。
Liella!の中で一番かもしれない人でも挫折したことがあるというのは、夏美にとってはかなり大きなことだったのではないでしょうか。
そして、折れかけていたかのんが再び立てたのは、仲間がいたから。スクールアイドルがあったから。
クーカー!? と興奮しましたが、かのんを立ち直らせたのは可可なんですよね。一番最初に名前があがって当然ですね。
(きななつとクーカーの共通点:序盤でその気にさせておいて行方不明なところ)
高台へと手を引かれた夏美は、突然踊るように言われて驚きつつも、かのんの動きを真似してみます。
とにかくやってみることができるのは彼女の長所。ついさっきまでは無理だと言っていたけれど、これは体を動かしているだけで、でも、踊ってみたら楽しかった。
口では「夢」なんてないと言いつつも、マニーのためと言いつつも、止まることなく動き続けていた彼女の心は折れていなかった。
「夢」を見ることを諦めていなかった。
やってみたら楽しかった、というのは何かを始めるのに充分な動機なのだと思います。
それに、1年生の練習に加わった時点で、もしかしたらLiella!と関わった時点で、少しずつ彼女の中にスクールアイドルへの興味が芽生えてきていたのかもしれません。
かのんが夏美に提示したLiella!の「夢」はラブライブ!優勝ではなく、みんなで最高のライブをすること。最高のライブをすれば、自ずと結果はついてきますから。
(Liella!のため、という側面が強い他の1年生では出来なかった角度から夏美の心に寄り添います。スタプロを経験しているかのんだからこそ言えたことではないでしょうか)
そしてみんなとなら、の「みんな」の中にはきな子、メイ、四季の3人もいます。
夏美を勧誘したのはかのんだけれど、かのんはきっかけを担っただけなんですよね。
だって夏美は1年生と過ごすうちにもう動き出したくなって、動き始めていたのですから。
本来なら北海道にはいないはずのかのんがいて、一緒に踊って、お花畑が9色に輝いて。
きっかけとしてはこの上なく、さらに夏美にとってまさしく「夢」のような時間だったのではないでしょうか。
そして月日は一気に流れ、迎えた学園祭。
契約のことなどで少し申し訳なさそうな夏美の背中を、今度は1年生3人が押します。デハ、イキマスヨー好き
(めっちゃ仲良くなってるじゃないか)
夏美のセンター曲『ビタミンSUMMER!』は楽しさに振り切った夏曲で、9人が集合したという文脈などよりも、みんなに楽しんでもらうこと、夏美に楽しんでもらうことに特化していますね。(まだ迷いがありそうな夏美の背中をグッと押す目的もありそうです)
もしかしたら1年生の中からセンターが…! とかいう特大フラグをここで回収しましたね? あのときクラスメイトの輪から外れ話を全く聞いていなかった夏美が……。
校舎に宙吊りになっているステージや、縦横無尽に放たれるオニナッツマークの花火なども、非現実的で「夢」のよう。
(5話でゲームにハマった恋が作った曲感がいいですね)
スクショは良いところが多すぎてキリがないので好きな2枚だけにしておきます。
ライブが終わった後、夏美は半ば放心状態で。
8人は夏美を温かく迎え入れます。
感想を聞かれた夏美は、きらきらくるんと(謎の言葉)瞳を輝かせて、
おめでとうございます。
かも、というのが良いのは言わずもがな。
夏美の新しい「夢」が楽しみになる最高の話でしたね。
見れば見るほど発見があるスルメ回だと思います。ぜひみなさんも見てみましょう。
BD3巻の表紙最高すぎか?
泳ぐきな子も、つままれるメイも、さりげなくピースしている四季もかわいすぎる。
夏美は落ちないか心配です。ツラいけど、楽しい合宿だったんだろうなぁ。
『迷宮讃歌(鬼塚夏美ver.)』も良い。夏美と恋ちゃんの表情かわいすぎる。本編でも絡んで。
迷宮(迷路)には必ず出口があり、迷った日々はきっと宝物になる。
ここまでお付き合いありがとうございました。
②へ続く。
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