渇き。
ただ暴力を描きたいのかな、という印象。それだけの映画。
脚本って人物を描くものだけど、この作品の場合、登場人物の背景が見えてこない。彼らが現在まで何を考え、どのような態度で、どんな行動をして生きてきたのか、ほとんど分からない。そして一人として、普通の人が出てこない。狂人ばかりを登場させ、狂人だから普通の人には理解できないほどキレやすく、暴力的なのだと強引に納得させる。ただ現象とか事件が描かれているだけで、人の感情がないがしろにされている。
通常、狂った人間を描きたければ、周りにはごくごくまともな人間を配するべきだし、暴力的な人間を描きたければ、非暴力的な人間を置く必要がある。しかしこの映画にはそれがない。誰にも感情移入ができない。
そもそも暴力をどう描きたかったのだろう。暴力は美しいもの、あるいは格好良いものとでも言いたいのだろうか。
製作年 2014年
製作国 日本
配給 ギャガ
上映時間 118分
監督 中島哲也
脚本 中島哲也、門間宣裕、唯野未歩子
藤島昭和 役所広司
加奈子 小松菜奈
浅井 妻夫木聡
ボク 清水尋也
遠藤那美 二階堂ふみ
森下 橋本愛
辻村医師 國村隼
桐子 黒沢あすか
咲山 青木崇高
愛川 オダギリジョー
東里恵 中谷美紀
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