ザ・トライブ
今年は何回、年間ベスト映画が更新されるのだろう?
『フォックスキャッチャー』を観たときは、これは今年ナンバーワンだと思ったし、『プリデスティネーション』を観て、個人的には『フォックスキャッチャー』よりこっちの方が好きだし、とにかくラストがすごいと思った。そして『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を観て、あ、やっぱりこれがベスト!と思った。
でもそれをさらに上回る映画があった。
『ザ・トライブ』だ。
「何の映画を観ようかな~?」と思いつつ、iPhoneの映画情報アプリで映画情報をあれこれ見ていたとき、たまたま引っかかった。解説に「全編手話で字幕も吹き替えもなし」と書いてあって、「へぇ~、それでちゃんと分かるのかね? もしくは分かるとしたら、大した内容じゃないんじゃないの?」なんて考えながら、どれどれという興味本位で観に行った。そしたらすごかった!!
全編手話っていうから、お涙ちょうだい的な物語かと思ったら、まったくそんなことはない。極めて現代的な物語だ。ウクライナのことはよく分からないけど、これはリアルだと思った。映画の世界観の中だけのリアル(リアリティ)だけでなく、この映画に描かれているようなことが実際にウクライナでは存在するのだろうと思った。
さらに登場人物たちが全員、手話で話していて、字幕もナレーションも何もない状態でも、100%は難しいけど、大体のことは分かった。それだけでも素晴らしいのだが、それにも増して、とにかく面白いのだ。
実はこの映画を観たとき、すごく眠たくて、最初の数分は一瞬、眠ってしまいそうになりながら頑張って観ていたのだが、すぐに引き込まれて食い入るようにスクリーンを見つめつづけた。
で、ラストはどう決着をつけるのかな?と思っていたら、とんでもない強引な終わり方。でもそれがまたすごいんだ。トラウマになりそう。
とにかく観るべき映画!!
原題 Plemya
製作年 2014年
製作国 ウクライナ
配給 彩プロ、ミモザフィルム
上映時間 132分
映倫区分 R18+
監督 ミロスラブ・スラボシュピツキー
脚本 ミロスラブ・スラボシュピツキー
キャスト
グリゴリー・フェセンコ
ヤナ・ノビコバ