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「行間を読む」「行間を考える」

今回の「でびノート☆彡」はちょっと番外編で、動画です。
千村利光監督(『ワカコ酒』『ざんねんないきもの事典』)とひさびさに対談した動画がYoutubeにアップされました。

数年前から2人で「お芝居について考える会」という対談シリーズをやってまして、それの第9弾、第10弾になります。毎回、演技・演出に関するテクニカルな&エモーショナルな内容をマニアックに喋ってまして(笑)、今回のテーマは「行間を読む/行間を考える」です。

パート⑨では千村監督が演出の観点から、パート⑩ではボク小林でびが演じる側の観点から、「行間」について語りまくってます。
ではまずパート⑨【「行間を考える」とは?(演出編)】をどうぞ!

パート⑨いかがでしたか?
『ジョーカー』での演出と俳優のコラボレーションは本当に素晴らしかったんですよね。動画でも語ってますが、例のトイレでのダンスのシーン。あれはトッド・フィリップス監督が書いた撮影台本上では、単に拳銃を公衆トイレに隠すというシーンだったそうです。それを撮影直前になって主演のホアキン・フェニックスが急に「このシーンで踊りたい」と言い出して、監督はすべてのプランを変更してそのアイディアをバックアップしたそうです。

監督が超エモーショナルな曲を選んで持ってきて、ホアキンはその曲で踊って、それを監督自らカメラワークを指示して撮影したのだそうで。これは監督がマクロな視点でシーンを練り上げ、そして俳優ホアキンがミクロな視点でアーサーという人物の衝動を練り上げる、というコラボレーションですよね。見事なクリエイティブのキャッチボール。

結果、歴史に残る名シーンが誕生したのですが、ここで重要なのは、これは「分業」ではないということですよね。パッと見似てるんですけど、全然違います。監督は俳優にいろんな球を投げて俳優を刺激し続け、俳優もいろんな球を投げ返して監督を刺激し続ける・・・そんな「行間」のキャッチボールによって、誰の計画とも違う名シーンが撮れてしまった、それがあのトイレのダンスのシーンなのでしょう。

さてYouTube後半戦パート⑩は、その「行間」について今度は演じる側の視点から語られます。

パート⑩、いかがでしたか。
『ドライブ・マイ・カー』や『ノマドランド』、『クライ・マッチョ』そして『クイーンズ・ギャンビット』(この撮影のあと全話観ましたw)など、『ジョーカー』の後に登場した映画の多くはどれも「行間」で勝負する、「行間」で観客を泣かせる作品でしたね。

さあこのストーリー上の仕掛けでも台詞でもなく、「行間」で観客の心を揺さぶるこの時代に、演出家は、そして俳優は自分自身をどうブラッシュアップしてゆくべきなのでしょうか。もちろん新しいことなので正解はありません。めちゃくちゃワクワクするじゃないですか。

動画の中でも言ってましたが、この日は「お芝居について考える会」パート11とパート12も撮影して、ただいま絶賛編集中です。近いうちにお見せすることができるかと。ブログを読みたい人と動画が見たい人って別の客層だというデータも出ているのですが(笑)、まあまあ試しに見てみていただけると嬉しいです。それではまた、パート11でお会いしましょう!

小林でび <でびノート☆彡>

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