見出し画像

エナタイプ9(怠け者)

自分自身を振り返ったときに、「怠け者」って言葉は、結構ひびく。

エニアグラムを研究し始めたのは随分昔なのですが、自分自身がタイプ9だとわかってきたのは、割と最近のことでした。ほんとうに自分でも呆れかえるくらい自分自身を見ていなかったーーそして、これはタイプ9の特徴でもあります。

周囲の人びと、友人や家族や自分の大切にしている人のことには多大な関心を向けるので、セラピストには向いているなんて言われるんだけど、でも肝心の自分に意識が向くのは、周囲の人がとりあえず言い争いも終えて、平和になったようだとわかってからなんです。

精神性の成長に働きかけるエニアグラムの場合、行動パターンなどから自分の数を特定するだけではなく、エナタイプと呼ぶ人格の固着がはじまった3〜5歳の家庭環境など、外部からの影響に焦点を置いてインクワイアリー(自己探求)するやり方で、子供時代に受けた心の傷を見守っていくことをします。人格の固着の背後にある私たちの本質を呼び覚ますために。

私の育った家庭環境を振り返ると、ともかく大人たちがうじゃっといるイメージがやってきて、窮屈さを感じます。(閉所恐怖症なのはそのせいかも!)親戚のおじさん、おばさんがしょっちゅう訪ねて来ていて、どれが誰かも良くわからず、、、しかもだんだん不穏な雰囲気になってきて、「上に行ってなさい」と言われて(広くもない家なので)耳を澄ましてしまうんですが、口論というか、ブツブツ言う声しか聞こえず、、。

小さな私は平和が欲しかったんだなあ、ってつくづく。

2歳下の妹が産まれてからは、「お姉ちゃんなんだから」と言う声があちこちから聞こえてきたので、しっかりしないとって胸を張るようになり、良い子を演じるようになったと思います。

ところが、お商売をしていた両親はいつもいつも忙しくて、私がどんなに頑張って「見て、見て」をやっても、欲しい応答がなかったのです。そうなると、良い子を演じている私は我慢強さを身につけていきます。

5歳の頃、結核の疑いがあった母が半年ほど家を離れるという事態が起きたのですが、親からは「子供が納得できる」説明は何もなく、私は不安と、怒りと、寂しさが入り混じったような状態で、完全に心を閉ざしたのでしょうーー無口な子供になっていきました。

小さな子供にとっては、その辛くて寂しい体験の積み重ねは、感じると痛いことですーーそうして、それはないことにされていきます。口を閉じたのと一緒に自分自身を見なくなった、、、。

「怠け者」と名付けられたこのタイプは、決して行動の面でズボラなわけではなく、むしろ真面目な働き者だったりもします。でも、自分自身の内的ワークに意識を向けないという特質があり、瞑想をしていても、終わったらいきなり無意識になる、というふうだったりして、表面的なところにとどまってしまう傾向が強いのです。

また、エナタイプ9の特質は、他の全ての数の基本的要素だとも言われていて、グルジェフという神秘家の言った「人間は基本的に眠っていて、怠け者だ。」という言葉通りなのです。

エナタイプのコンステレーション」というワークショップでは3歳から5歳の頃のさまざまな記憶にフォーカスする。Dasoは長年「親子の和解」というテーマでファミリーコンステレーションという手法を使ってきているが、親子というテーマにフォーカスしてコンステレーション(座)を布置することで、人格の固着を見つめるというのは全く新しい試みだ。

瞑想を通じて自分自身の内面に働きかけるようになり、何層にもなった抑圧された感情を解き放っていくという作業は、むしろ”楽しいこと”になってきたと思います。なぜなら、そのずっと奥にある自分の本質に触れて、それを認識することこそが、ほんとうの意味で、自分を癒すことだからです。

エナタイプ9の固着がゆるんで行くにしたがい、その本質にある「神聖な愛」が花開きはじめます。

ふと、2歳くらいのときの朗らかに笑っている写真を思い出しました。

そうか、、、。

このときファインダーを覗き込んでいたのは父に違いないって私はどこかで知っていて、父のやさしい眼差しを今もしっかり感じられるんだなあ、、。

画像は、大昔タイのコサムイ島に半年暮らしていた時に、当時5歳だった愛すべき少年にプレゼントされたもので、今もずっとそばに置いてある宝物の一つです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?