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肉体そのものが、表現しているものがある
「名付けようのない踊り」という映画を観た。
ダンサー、田中 泯は言う。
言葉の前に踊りがあった、と。
われわれ人間が、
はじめの大事なコミュニケーションを
身体でやっていたということに、
そして、
人間が踊りをはじめたということに、
自分自身、
いちばんのプライドを感じてたんです。
−−田中 泯
彼の言う通りなんだけど、
私たちはついその事実を忘れがちだと思う。
思考よりも肉体の歴史は古く、
肉体は思考なんかよりも、
ずっとずっと知性を持っている。
魂の住処だもの。
彼は、
ダンサーは踊るための体を作ろうとする。
それは間違いだと思った、と言っていた。
そして、
畑仕事で体を鍛え、
その体で踊ることにしたのだと。
ありとあらゆるやり方で、
体のメンテナンスをしてきたつもりだったけど、
肝心のことを見逃していたことに
この映画を観て気付かされた。
それは、
肉体そのものが、
表現しているものがある
と言うこと。
それは決して隠せないのだ
と言うこと。