"あなたとSDGsをつなぐ世界正しく見る習慣"
2023年あけましておめでとうございます。
元旦は海外に住んでることもあり、日本らしいお正月ということから遠く離れた元旦でした。元旦に初詣やお雑煮なんて何年もしていないけど、二人とも健康で年越し鍋を食べれたことは幸せですね。
さて今年もはや10日!これだから1年は早く感じるんですよね。
元旦早々、図書館に予約の本を取りに行きとっても素晴らしい本に出合ったのでシェアさせてください。
著書のYOUTUBEは見たことなくてこの本で初めて知りました。アフリカで国際協力をされているお方。原貫太さん。
第1章 アフリカはなぜ今も経済的自立ができないのか
第2章 「衣服ロス」から考える環境廃棄社会
第3章 肉食が水不足につながる「不都合な真実」
第4章 世界最悪の紛争とスマートフォン
第5章 データをもとに「アフリカ」を正しく読み解く
第6章 なぜ近年、日本で貧困が叫ばれるのか
本編で6章にわけて説明されていてそれがとてもわかりやすくて、首が痛くなるくらいにうんうんと唸らせてくれます。
第二章では、私たちが良かれと思ってやっている服や靴のドネーションがアフリカやカリブ海の国々ではさらに貧困を招くことになっている。
年間8300万㌧の衣服をごみに出す。これは1秒に1トラックの量です。ファーストファッションで次から次へと服が作り出されては飽きたら捨てられる。(この本で初めて知ったのですが、アパレル業界が出すCO2は航空業界や船が排出するCO2をはるかに超えているそうです。)
先進国ではこの服を処理できる場所もCO2の排出もできない。だから、善意という面目でごみを後進国(ごみ処理システムもない国)に押し付けている。
ガーナで衣服関係の仕事をしていた80%の労働者が衣服のドネーションで仕事を失ってしまった。
しかし、ドネーションの輸入をやめれば4万人の人たちの雇用が失われ先進国のアメリカから関税免除廃止などの経済制裁を加えられるという悪循環。
いいも悪いも昔から先進国がアフリカを搾取し続けている。これによってアフリカが経済的自立をしようと思っても足を引っ張り続けているということですね。
著書がいうように、2010年に起こった東日本大震災、千羽鶴と全く同じ現象ですね。震災復興に本当に必要なのは資源を無駄にした千羽鶴ではなくて、食料や水、インフラの復興であり、ごみを送られてもごみ処理システムも復興していない現地では迷惑以外のなにものでもありません。
本当に必要なのは、彼らの立場になって考えるということなんですよね。
そして、アフリカは政治的にもまだ安定してない。日本も国としてアフリカに支援金を払っていますが、そのほとんどは政治家の懐に消えていってるんですよね。それが、またアフリカの国々の汚職を増やし経済的自立からはまた遠ざかっているんだろうな。
第3章では、どんどん西洋的な食文化になってきて世界がどうなってしまっているのかに焦点を当てて説明してくれています。
ここでも先進国の需要に答えるがために、後進国が犠牲になっている背景が見えてきています。近年、日本でも30年前に比べてお肉を食べる量が格段に増えてきています。それは他国も同じ。それを補うように、後進国のブラジルやアルゼンチンでアマゾンが伐採され家畜の放牧に使用されたり、家畜の飼料用の穀物を栽培しているのです。今の段階で食用穀物が57%、飼料用穀物が36.6%。このままではどんどん飼料用の穀物が必要になるのは目に見えています。それに、家畜は土壌を汚し流行りの伝染病も生み出し、さらに水不足も引き起こします。
私自身、フレキシタリアンでヴィーガンになれとは言えませんが、週に1回、慣れてくると週に半分はお肉なしの食事って結構思っているより簡単だったりします。今では歳のせいかもしれませんが、牛肉は食べると気持ちが悪くなるのでほとんど食べれなくなりました。ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)も流行っているのでこの機会に1度でも試しにやってみると意外な心地よさを体験できるかも。
第4章では、世界であふれたE-wasteの行先を。全世界のE-wasteのほとんどがアフリカに流れ着く。
2019年で5360万トンのE-wasteが作り出されたけれども、結果20%しかリサイクルされない。アフリカにE-wasteのリサイクルシステムがなかなか構築されていないから、住民がリサイクルパーツを取り出すのに一番簡単な方法 ”燃やして溶かす” をするしかないんですよね。それによって、20-30歳代の人々が次々にがんにかかっているという状況。
第5章では、真のアフリカを読み解いています。大量にとれる資源がゆえに搾取され続けてきたアフリカ。
私、恥ずかしながらアフリカのことまったく知りませんでした。コンゴが2つあるということも知りませんでした。1つは、コンゴ共和国(Republic of the Congo)で主にフランスの植民地であったところ。2つ目は、コンゴ民主共和国(Democratic Republic of the Congo)でベルギーの植民地であったところですね。というのも1971年-1997年に国名がザイールとなっていたのでそちらのほうがなぜが耳に聞きなれている気がします。
1965年、モブツがアメリカのサポートをへてDRCのトップに立ちあがります。というのもアメリカがロシアとの冷戦中に必要なコバルトが当時はロシアとコンゴにしかなかったのを機に、アメリカがコンゴを支配したかった為。アメリカはコバルト欲しさにコンゴを実質支配し、その代わりに金銭や武器をモブツに支給。それが、結果としてモブツを独裁者に変えていったんですね。モブツはやがて、武器の供給を外交の脅しに使い始めた。アメリカは歴史的にも独裁者・共産主義者にかなり敏感ですから、ベルギーと裏で画策し1961年にモブツを暗殺。
先進国に搾取され使われ続けた成れの果てには、内戦、政治汚職、そして信じられないくらいの格差だけ。0.0001%の高所得者がアフリカすべての富の40%を支配している。トップ3名のアフリカの高所得者がアフリカの半分の人口の財産よりも多くの財産を持っている。
1989年のマルタ会談がきっかけに冷戦が終了し、アメリカのDRCへの興味も沈下。アメリカの支配が終わったDRCは、国も退化し1996年についにコンゴ戦争に。1997年にはローランカビラ反政府勢力がルワンダとウガンダのサポートをきっかけにコンゴを支配。しかし、ルワンダとウガンダのサポートはコンゴの資源が欲しかったが為。2回目のコンゴ戦争は、ローランカビラがルワンダとウガンダを相手にとったコンゴを守るための戦争。全世界の60%ものコバルトがとれるコンゴ。ここでも資源のために搾取され続けています。ほかにもコンゴには、3TG(Gold, Tin, Tungsten, Tantalum)が豊富に採れるので武装勢力の資金源になっています。だから、内戦もなかなかなくならないんですね。
悲しい悲しい歴史がこの国にはあります。そのことを勉強させてくださったこの本や、もっとコンゴについての他の本を読もうと思うきっかけになった著者にはありがたい気持ちでいっぱいです。
一番大切なのは、常に関心を持ち続けること、自分自身の頭で考え客観的、構造的に物事を理解すること、なぜ、どうして?と考えること、私たちの生活と関連付けることが大事なことなんだなと。
2023年も足るを知り、学びたいことをどんどん学んでいく年にしましょう!
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