ミュシャ「スラヴ叙事詩」のプラハでの展示場所が決定
ヨーロッパに行けば有名な絵画が見放題と思いがちだが、お目当ての作品をすべて見られるかというとそういう訳ではない。ある時は建物や絵画が修復作業に入っていたり、別の展覧会に貸し出されていたりと、運も必要になってくる。
私にとってはミュシャの「スラヴ叙事詩」が遂に出会えなかった一つで、私が留学中にプラハの無数にある美術館を巡っていた時、スラヴ叙事詩は日中韓を回るアジアツアーの真っ只中だった。
"Mucha's 'Slav Epic' IV" by tantonr is licensed under CC BY-NC 2.0
アジアツアーが終わってチェコに帰ったはずのスラヴ叙事詩は、その後も一向に展示される気配がなかった。絵画の所有権を巡るミュシャの子孫と、プラハの係争があり、かつての保存場所であるブルノから25kmほど離れた田舎の城に一時的に保管されることが決まっても、コロナを起因とした工事の遅延で展示はまだ行われていなかった。
プラハの行政側も、プラハ市内で再びミュシャの巨大絵画を展示することを望みつつも、適切な場所を見つけられずにいた。ヨーロッパの建築事情を考えると、8mを超える絵画を複数展示できてかつ空調設備が整った施設は、そうそう見つからないことは察せられる。
それでも先月、ようやくその展示場所となる候補地が決まったことがニュースになっていた。どうやらヴァーツラフ広場近郊(丸の内みたいな場所)に新しく作られるショッピングモール&オフィスの施設内に展示されるようだ。
展示予定は2026年とまだまだ先だが、立地の良さも相まってきっと将来のプラハ観光の目玉となるだろう。
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