稽留流産

お腹の子が旅立った。
魔の9週目というらしい。

命とは何だろう。
名前もない、性別もわかっていない。
でも僕の子どもであることに変わりはなく。
家族4人の風景に思いを馳せていた。

生きていたんだ、と思うとやるせなく。
命が失われる時しか命の濃さを感じられない自分が情けなく。

妻は胎動を体で感じていた分、もっと辛いだろう。
息子も毎日お腹に話しかけていた分、もっと辛いだろう。
だから自分がちゃんとしなきゃ。

お前の分も精一杯生きるよ。

僕も母のお腹の子だった。
これを読んでくれてるあなたも、あなたの母のお腹の子だった。

愛されてるんだぜ。精一杯生きような。

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