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垂水佐敏の『でたきり老人日記④』韓国映画のクライム(犯罪)スリラーはタランティーノも絶賛。上手い。面白い。

俳優の北村一輝氏と食事した時に、韓国映画に出演したら休みなしの突貫撮影の連続で疲れはてました。辟易しました。もう出演したくありません。韓国映画界はああいうところなのですかと聞かれた。私も韓国の撮影クルーと仕事をしたことが何度もあるのでわかるが、韓国人は頑張る。休まない。突貫スタイルのオールドウェイが多いと説明した。
しかしそれが悪いとは言わなかった。


韓国映画はクライム(犯罪)スリラーという確固たるエンタメジャンルを築き上げている。実際に起こった未解決の殺人事件や、犯罪をもとに脚本を練り上げ、国民性だと言われる『恨(ハン)』が蠢き作り上げるからなのか、イ・ヨンエの『親切なクムジャさん』やカンヌパルムドール受賞の『オールドボーイ』もそうだが、人道を外れてまでの『復習』がエンタメストーリーの軸になる。タランティーノも絶賛し、世界の映画界も韓国のこのジャンルには一目置いている。
私も好きだ。


新鮮なカメラポジション・意味ある画角・リアリティに情感を加えた美術にライティング・上手い芝居にカッティングがいつも楽しめる。これらは独特の韓国映画制作スタッフの突貫スタイルが産み出す熱量だと思う。現場の勢いはカメラに写る。

『悪人伝』を京都の出町座まで車を飛ばして見てきました。ハン・ソッキュの『悪の偶像』とキム・ユンソクの『暗数殺人』は先月松山の大街道シネマサンシャインで見つけて見てきました。
楽しめました。

なぜ長々と韓国映画のクライムスリラーを取り上げたかと言うと、実は今日箕面の109シネマで、同じような顔した若い男優と、これまた同じような顔した若い女優が主役の日本映画の予告編を10本くらい見せられました。へどがでました。どれひとつ見たいと言う気になりません。
世界が認める日本映画のジャンルはジブリしかないんでしょうか。残念無念です。

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