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傾聴して、「らしさ」をかたちにする

はじめまして。
デザインスタジオ・エルのデザイナー、海野です。
2024年2月に入社し、フルリモートで働いています。

前職でもWebやグラフィックのデザインに携わっていましたが、デザイン表現が偏っているように感じ、「『らしさ』の細かなニュアンスをデザインに落とし込めていないのではないか」「本当に課題解決につながっているのか」と不安を感じる場面が増えていました。そこで、表現の幅を広げ、ヒアリング力や提案力を磨きたいと考えるようになりました。そんななか、エルの採用募集とタイミングが重なり、「らしさ」を等身大でかたちにするエルで、さらにデザインに向き合いたいと思い、転職を決めました。

入社後は、クライアントの「らしさ」をどのようにかたちにして伝えるべきか模索しながら、以下のような案件に携わりました。

intervoice(ロゴマークとWebデザインを担当しました)
さくら不動産(ロゴマークを担当しました)
内田鐵工所(グラフィックを担当しました)

クライアントやチームメンバーと意見を交わし、一つひとつ丁寧にかたちにしていく過程を通じて、多くの学びがありました。

私のnoteでは、デザイナーとして働く中で得た学びや気づきを記録していきます。これを通じて、エルのデザインに興味を持っていただけたら嬉しいです。


「傾聴」から生まれる安心感

エルで働き始めて感じたのは、クライアントとの向き合い方や、メンバー同士のコミュニケーションを通じて培われている「エルらしい」コミュニケーションの文化の存在です。

特に印象的だったのは、メンバー間の会話で「以前、〇〇さんが~と言っていて…」といった形で、発言が丁寧に引用される場面が多いこと。私自身の発言も、noteの記事で取り上げてもらう機会がありました。

メンバー一人ひとりが発言を丁寧に聞き、それを自分ごととして言語化しようとしていると感じます。
また、私自身やデザインについて質問されることも多く、入社当初から「私を知ろうとしてくれている」「受け入れてもらえている」という心理的な安心感を得ることができました。これは、こういったコミュニケーションから生まれるものだと思います。

こうしたエルに根付くコミュニケーションの文化を、一言で表すなら「傾聴する姿勢」だと思いました。

傾聴とは、話し手が表現していること、伝えたいことを、できるだけ話し手の身になって理解し、理解したことを言葉で返すこと

傾聴の基本/古宮 昇

と定義されています。
まさに、私(話し手)の表現を理解しようとして、言葉で返してもらっていました。自分が傾聴されることで、話しやすさや安心感が生まれるということに気づきました。この経験を通じて、傾聴する姿勢の大切さを実感しています。


クライアントワークでも傾聴する

「傾聴する姿勢」はクライアントワークにもつながっています。
エルではクライアントとの対話を大切にし、ことばを丁寧に扱いながら、「らしさ」をかたちにします。

ヒアリングで得たキーワードをもとに、調査や要件定義、コンセプトづくりを経て、「らしさ」を言語化する。このプロセスを通して言語化された「らしさ」は、プロジェクトに関わるすべてのメンバーが同じ方向を向ける指針となります。

私たちのブランディングの過程やスタンスについては、こちらのnote記事でさらに詳しくご紹介しています。興味があればぜひご覧ください。


「らしさ」をかたちにするために

エルに根付く「傾聴する」姿勢は、「らしさ」をかたちにするプロセスにおいて欠かせないものだと感じています。
実際に、傾聴しことばを丁寧に扱うことで、クライアントやチームのメンバーとの共通言語が生まれ、デザインの前段階でイメージを膨らませ、解像度を高めることができました。また、フィードバックの意図を汲み取りやすくなり、ブラッシュアップがスムーズに進む実感もあります。

しかし、ヒアリングで「傾聴」した内容をデザインに結びつけるためには、単に「傾聴する」だけでは不十分です。私自身、まだ試行錯誤の段階ですが、現時点で私が意識しているポイントを3つにまとめました。

1.傾聴とディスカッションの時間を分ける

ヒアリングでは、デザインの方向性を描き、提案しながらすり合わせを行いたいと考えています。しかし、ヒアリングでクライアントの話を聞きながら、考えていると、いつのまにか話し手を理解することよりも、ゴールを早く見つけることが目的になり、傾聴の姿勢からずれてしまうことがあります。そういったことが起きないよう、まずは、話し手の身になって理解することに集中することが大切です。そして、不明点があればその場で質問して理解を深めます。その後、得た情報をもとに課題を整理し、どのようなアプローチが適切かをディスカッションする場を設ける。このように「傾聴する時間」と、「方向性を絞り込む時間」をうまく切り分ける必要があると感じました。

2.事前にしっかりリサーチする

ヒアリングで傾聴しながらデザインの方向性を描くためには、事前のリサーチが欠かせません。あらかじめクライアントの業界や背景を調べておくことで、話し手と目線を近づけておくことができ、ヒアリング中の理解が深まります。また、事前情報があることで、その場での言語化がスムーズに進むと感じています。

3.普段からデザインの印象を言語化する

ことばの繊細なニュアンスを汲み取ったり、ことばとデザインを結びつけるために、日頃からデザインに触れ、自分の受け取った印象を言語化する習慣が大切です。受け取った印象を自分なりに言葉にしておくことで、ことばとデザインをつなげやすくなりました。


傾聴する姿勢がクライアントの「らしさ」をより具体的にかたちにする手助けになることを学びました。その気づきをここに記録しました。
「らしさ」をかたちにするために、より良い方法を追求しながら、これからも日々奮闘していきます。


デザインスタジオ・エルは「超えるをつくる」を合言葉に「らしさ」をかたちにする、ブランディングデザインの会社です。
Webサイト制作やグラフィックデザイン、企業理念やキャッチコピーのご依頼やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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