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プレスリリースでの「〜のお知らせ」の英訳って、“Notice Concerning 〜”でいいの?

IR関連のプレスリリースでよく見られる「〜のお知らせ」──この見出しの英訳を「Notice concerning 〜」としている日本企業を多く見かけます。このような英文ヘッドラインは海外企業の間でも一般的なのでしょうか?

“Notice”のニュアンスは、「通知」「通告」

まず気になるのは、「notice」という単語です。Google翻訳やDeepLなどの翻訳ツールで、例えば「配当に関するお知らせ」と入力してみると、確かに「Notice concerning dividends」や「Notice regarding dividends」といった英訳が出てきます。しかし、こういう場合の「お知らせ」を、海外の人たちは本当に「notice」というのでしょうか?アメリカで最も権威のある辞書のひとつ『Merriam-Webster』で「Notice」という名詞の意味を調べてみました。出てくるのは次のような定義です。(下記枠内は簡単に和訳したもの)

1.
a:
  (1) 何かに関しての警告または通告(ANNOUNCEMENT)
  (2) 契約や関係を一定の時期に終了するという当事者の意図を示す告知
  (3) 警告あるいは通知を受けている状態(通常「on notice」の形で用いられる)
b: INFORMATION, INTELLIGENCE(情報、諜報)

2:
 a: ATTENTION, HEED(注意、関心)
 b: 礼節を伴った、あるいは好意的な意味での注目(CIVILITY)
3: 書面による通知
4: 短い批評

出典:merriam-webster.com

このうち「2:」や「4:」は「お知らせ」の意味とはかなり異なる意味になりますので、関連があるのは主に「1:」での定義ですが、そこから受け取れるニュアンスは「通知」や「通告」「告知」といった日本語に近いものです。英和辞典を引いても、おそらく同じような単語が載っているはずです。

「『お知らせ』と『通知』は同じではないか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、日本企業が言う「お知らせ」は、大抵の場合、株主や投資家、顧客などに対して「お伝えいたします」「お知らせいたします」という、どちらかと言えば、丁寧な響きです。一方、「通知」という言葉にはもっと事務的、強いて言えば「役所的」な響きがあります。「通告」や「告知」となると、そのトーンはさらにきつくなり、ある種の権威性さえ感じさせます。さらに注意すべきは、『Webster』で最初に出てくる「warning」(警告)のニュアンスです。こうなると半ば命令口調です。実際、英語圏でよく用いられる「notice」を使った熟語に、次のようなものがあります。


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