本質と伝達を横断するBX
SPEEDAのBXデザイナーの南澤裕文(みなみさわひろふみ)と申します。
ここ最近よく目や耳にするようになったBX(Brand Experience)ですが、みなさんはいつ頃からこの言葉を意識するようになったでしょうか。
今回の記事は、自分がBXを意識するきっかけとなった経験について簡単にお話しできればと思います。
伝達することの大切さに気づいた大学時代
もともと私は大学で工業意匠を学んでいました。当時の自分は、コンセプトを考えて形に落とし込むことに注力しており、制作したものを第三者に伝えるスキルが欠けていました。
例えば、読みにくいプレゼンボードのせいでコンセプトの意図が伝わらず、制作したプロトタイプの本質的な魅力を理解してもらえないことなどがありました。
こうした経験から、情報を整理し適切に視覚伝達するスキルは、ハードウェア、ソフトウェアに限らずプロダクトの価値を市場やユーザーへ届ける上で欠かせないという事実に気づき、まずはその基礎となるグラフィックデザインの領域に興味を持つようになりました。
本質を理解する大切さに気づいたデザイン会社時代
工業意匠を学ぶ傍ら独学でグラフィックデザインを学び、大学を卒業後はアクシスというデザイン会社にグラフィックデザイナーとして入社しました。
ここでは主に企業のブランディングやプロモーションを担当し、自分に足りないと感じていた視覚伝達のスキルを磨きました。
しかし、クライアントとの限られたコミュニケーションとストイックなプロジェクト期間の中で、ブランドの本質を理解できていないまま手を動かしてしまっている自分がいることに気づきました。
本質を完全に理解しないままクライアントからのオーダーに応え、ブランドのタッチポイントをデザインするだけではブランドの表層のみを飾ることに留まってしまいます。
このような経験を経て総合的な体験価値を考えるようになり、私は少しづつBXについて意識するようになりました。
本質と伝達を横断する
私が所属するSPEEDAではプロダクトの魅力を視覚伝達するスキルを発揮できる環境があり、また、実際のプロダクト開発の当事者ではありませんが他部署と共創して本質の理解を深めることが可能でもあります。
何よりブランドの価値創造に全ての人が一丸となって携わっている一体感があり、ここにBXの醍醐味があるように思います。
自分自身は入社してまだ日が浅いですが、今後様々な部署と共創していきプロダクト理解を深め、BXデザイナーとして「本質」から「伝達」、時には「伝達」から「本質」へと両者を横断していきながら強固なブランドづくりに貢献していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
Cover Design : Kurumi Fujiwara