デザインとは何か(工業デザイナー ヴィクター・パパネックによる定義)
デザインというコトバ
2022年現在、デザインという言葉は日常の様々なシーンで使われている。
良いか悪いかはさておき。
「あの人がデザインした家具だ」
「新商品について詳しく議論するためのワークショップをデザインしよう」
「この本の表紙、魅力的なデザインだね」
などなど。
もしあなたが「デザイン」について自分なりの解釈を持っておくことが大事だなと思うのであれば、工業デザイナーであるヴィクター・パパネックの定義はそのヒントとなるだろう。
フランク・ロイド・ライトの弟子であり、いち早く「持続可能性」の重要さをデザイナーとして追い求めた思想家としての一面も持つ。
ヴィクター・パパネックによるデザインの定義
彼はデザインの定義を一言でまとめている。
「人は誰でもデザイナー」である、という思想を基礎に持ち、非常に広義で開かれた定義をしているのが印象的だ。
「秩序状態(オーダー)を作る」とは、モノやサービスにかかわらず、森羅万象に人間が望む秩序を与える活動すべてであると解釈できそうだ。
具体的に日常のどこに「デザイン」が偏在しているかをうかがい知るにあたって、以下のような例がとてもわかりやすい。
アップルパイを焼くこと、野球の試合を組むことも「望む秩序を作る」という意味ですべてデザインなのだ。
他の視点からの定義
Wikipediaの場合
Webで最大規模の百科事典であるWikipediaを参照してみると、奇しくもパパネックの定義に通づる「広義」なデザインが記載されている。
「姿を与える」「関係をつくる」といった定義は既に広義であるが、パパネックの「秩序を与える」という定義はそのどちらをも包含できそうだ。
ポール・ランドの場合
数多のデザイナーが「デザイン」の定義を発言しているはずだが、日本語版Wikipediaには唯一、米国のグラフィック・デザイナー、ポール・ランドによるデザインの定義が記載されている。
Wikipediaに記載されている定義に強く影響を与えていそうだ。
おわりに
今回は、note投稿第一弾、そしてマガジンへの編纂第一弾の記事として「デザインの定義」を題材としました。以下のマガジンでは、こういったタイムレスなコトバを探して編纂していきます。
デザインというコトバは、広義も狭義もとても多様なので唯一無二の正解はありませんが、考える1つのヒントとして本記事をご覧いただければ幸いです。
出典
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