会食恐怖症
という病(障害?完治するものが病、ある程度付き合っていかなければならないものが障害だと考えているので、治ると信じて病という書き方をしたい。)を知っているだろうか。潔癖症なども含まれる精神障害の一種で、他人と食事をするのが苦手だと思ってもらえればここでは十分だ。
わざわざこの話を書くのには理由があって、私もこの病に悩まされているのだが、近々会社の人の送別会で食事をする機会がある。とてつもなく困っているのだが、その人に恩義を感じていないわけでもないから出たいには出たい、でも…という複雑な心境を言葉にしておきたいと思い書いている。
誰も興味がないだろうが、整理のために自身のことを書いておく。
私は生まれてからずっとこのことに悩まされてきたわけではなく、初めて困ったのは大学生のことだった。高校までは休日や部活終わりに友人と食事をすることはあったし、運動部だったので人並みより少し多いくらいには食べていたと思う。
両親のもとで暮らしていた高校生のころは(ありがたいことに)毎日同じような時間に食事を3食しっかりとるという規則正しい生活を送っていたのだが、
大学進学して親元を離れてからは生来のめんどくさがりのために食事するのも億劫になってしまい、食べたい時に食べ、面倒くさい時は1日1食で済ませるような生活になってしまった。
そんななか、ある日アルバイト先の人とご飯にいく機会があった。自分の頭では高校時代と同じくらい食べられるつもりであったが、身体というのはちゃんと生活を反映するもので、頼んだ分を自分で食べきることができなかったのである。
自分が高校まで過ごしていた家庭では食事を残す=良くないこと、とされていた(食事を残すことは良くない、という意見は今でも間違っているとは思いません)ため、おそらく自分は罪悪感に苛まれたことだと思います。また、その時同席していた人から大丈夫か?という目で見られてしまったことも大きいのかもしれません。
その時は「体調が悪かったのかな?その前の食事した時間が遅かったからかな?」などと考えていたのだが、その後から大変だった。
久々に会う友人と食べに行ったカレー屋では二口しかカレーを食べることができなかったり、誘われて蕎麦を食べに行った時も一本ずつ(嚥下できないので時間をかけて)すすって食べているようなふりをしたり、みんなが海鮮丼などを食べている中で自分だけ軽い鮭茶漬けみたいなものを注文したにもかかわらずほぼ手をつけられなかったこともあった。
当日の朝食事を抜いて昼食に備えたこともあったし、逆にしっかり食べて臨んだこともあるし、前日の昼から抜いて翌日の夕食に臨んだこともあったが、いつも
吐き気がして食事が喉を通らない
胃が痛い
気持ちが悪い
といった状態が続いてしまい、食事を食べることができなかった。それ以降誰かと食事に行ったり、飲み会に行ったり、友人の結婚式に出たりしてもお箸でふたつまみぐらいを口に含むのが精一杯で、ジンジャーエール一杯(実は0.5杯)しか飲んでいない飲み会代を払い、お腹が空いているので帰りにコンビニに寄ってご飯を買って帰っていく生活が続いている。
こんなことを書くと「他人の目が気になるなんて自意識過剰なんじゃないの?誰も気にしてないよ」と言われそうなものだが、誰も気にしてないと思っても食べられないのだから人間の身体は(この場合精神?)は興味深いものである。
そんな私が望んでいることは食事に行って、全然食べていない人がいたならば「体調大丈夫?」と一声かけるに留めて(本当に体調不良だったら困るので)、あとは気にせず飲み食いして欲しいということだ。
私は飲み会の空気も食事会の雰囲気もとても好きで、食べられないだけでいろんな人と話したりすることは好きである。
自分が食べていないせいで空気を壊してしまっているのではないか、と考えると次からの食事会に行きづらくなってしまうので周囲の人には気にせずいてほしい。
少しわがままを言うのであれば食事会や飲み会の場所を回転寿司や食べ放題系にしてくれれば一人一品注文するところよりも、食べられない罪悪感がないのでそういうところにして欲しい、ということくらいだ。
結論
もし周りに会食恐怖症のような人がいたら、原因などは聞かなくても聞いてもどっちでもいいので
①気にせず飲み食いする
②可能であれば回転寿司や食べ放題の店にする
で、よろしくどうぞ