【ぶっちゃけレビュー】加藤ゼミナール編
予備校ぶっちゃけシリーズ、第2弾!!!
今回は新興系の加藤ゼミナールです。
新興系といっても、加藤先生自体は長年受験指導をされているので、実績としてはそれなりのものがありますね!
ちなみに僕はまず伊藤塾で受験勉強を開始しましたが、紆余曲折を経た上で加藤ゼミナールに辿り着き、最終的には教材を全て伊藤塾から乗り換えたという経歴です。
加藤ゼミナールには本当に最後までお世話になり、メリット・デメリットは一通り把握できていると思うので、早速レビューしていきたいと思います!
1.加藤ゼミナールのメリット
(1)公法系で唯一活路を見いだせる教材
なんといっても、まずはこれです!
僕は公法系が本当に苦手で、伊藤塾の受講を終えた時には完全に迷子状態でした。
『えっ、結局公法系って何を軸に考えればいいの?』
『型を丸暗記しても応用できなくない??』
『判例ってどの程度の解像度で抑える必要があるの?』
このような疑問がたくさん浮かぶけども解消できない状態。
そこから『合格思考 憲法』を経由し、確かに少し解像度は上がったものの、やはり核となる考え方は分からずじまい。
伊藤たける先生の『基本憲法Ⅰ』『憲法の流儀』を受講し、確かに答案での判例のあるべき用い方は理解できたものの、現場で自分がそのような答案を書ける気は全くせず。
そんな状態の僕に公法系で活路を見い出させてくれたのが、加藤ゼミナールの公法系講座でした。
憲法であれば、違憲審査基準の核となる考え方は勿論、判例の現実的な答案での用い方も丁寧に解説されているので、先の疑問点は全部解消されました。
行政法の例えば「処分性」であれば、答案での定義の示し方は勿論、有名判例がどのような角度から処分性の考え方に影響を与えているのかまで全て体系的に解説されています。
「行政裁量」についても全てのパターンが網羅的に解説しているので、憲法と同様、フワっとしていた行政法の理解が凄く整理されました。
このような感じで、公法系の理解がフワっとしている方、判例の答案での用い方が曖昧な方などなど、公法系で苦戦している方には大変オススメの講座になっています。
(2)教材の網羅性
次に、公法系に限らず、主要7科目すべての教材の網羅性が凄まじいです。
新司法試験に必要な知識は完全に網羅されているので、基本書等の他の教材に手を出す必要性が一切ありません。
僕は紆余曲折を経て加藤ゼミナールに辿り着いたわけですが、もっと早く加藤ゼミナールに出逢えていれば、勉強時間にして500時間以上は短縮できていたと断言できます。
それくらいには網羅性が半端ないです。
しかも単に知識を網羅しているのみならず、それぞれ何故そうなるのかを理論的に解説してくれているので、『なんでそうなるの??』という疑問が一切生じません。
もっとも、『ちょっとその解説は違うのでは?』と指摘される箇所がないわけではありません。
ですが、あくまで司法試験合格を念頭に置いた場合には必要十分な解説になっているので、学者にでもならない限りは全く問題ないかなと個人的には感じています。(この点は個人差があるようです)
(3)新司法試験を意識した教材
最後に、テキストは勿論、論文問題集の新司法試験との親和性が大変高い点もメリットだと感じています。
具体的には、基礎問と呼ばれる論文問題集の設問が、ほぼすべて新司法試験の簡易版の問題となっています。
そのような背景から、基礎問を経て過去問講座にいざ突入すると、なんとなく見たことのある問題ばかりという状況が生じます。
勿論、過去問の方がレベルが高いのは事実なのですが、総まくり講座と基礎問を経由していることで軸となる考え方が自然と醸成されているため、解答筋が全然見えないという事態に陥ることは基本的にありません。
また、過去問で出題された論点は前もって基礎講座や論証集に反映されているため、過去問で初めて見る論点というものがほとんどありません。
このような事情から、過去問に取り組む精神的負担がほぼないというのは相当なメリットだと感じています。
実際、僕は基礎問を終えるまで過去問をまともに見たことがなかったのですが、いざ本腰を入れて過去問に取り組むと拍子抜けしたというのが正直な感想でした。
精神的負担がほぼなかったおかげで、プレテストから令和5年までの7科目全ての過去問を約2ヵ月で1周できたのは本当に良かったと感じています。
2.加藤ゼミナールのデメリット
(1)ハイレベルな教材
加藤ゼミナールは単なる「司法試験合格」にとどまらず「上位合格」を謳っているだけあって、教材のレベルは正直かなり高いです。
僕自身、伊藤塾の基礎マスター・論文マスターを全て受講し終え、論文は最低限書けるという状態で総まくり講座の受講を開始しましたが、それでも知らない知識がそれなりにあり、頭の負担が凄かったのを今でも強く覚えています。受講にもそれなりの時間がかかりました。
そのため、闇雲に手を出してしまうと、本試験までにカリキュラムを消化しきれないという本末転倒な事態に陥ることも想定されます。
また、これは教材の網羅性とトレードオフになる部分かと思うのですが、Cランク論点まで含めると論点の数は膨大ですし、確かに司法試験に合格する上で不必要な知識(=知っていても知らなくても差がつかない知識)もそれなりに掲載されているとは思います。
この点は、自分の勉強スケジュールや目標値と要相談になってくる所ですね。
もっとも、これにより他の教材に手を出す必要がないという安心感を得られるのも事実なので、難しい所ではあります。
さらに付け加えると、自分の知らない論点は他の98%の受験生も知らないと確信できるので、仮に本試験の現場で知らない論点が出題された場合、瞬時に現場思考の論点だと判断できるのも重要な要素です。
(例:R6司法試験の会社法)
ちなみに、僕の周りで実際に多かった例なのですが、総まくり論証集だけ購入するというのはオススメしません。
『伊藤塾やアガルートで基礎講座を受講し、追加で総まくり論証集を購入する。』
こんなパターンの受験生が周囲に結構いました。
ですが、総まくり論証集の効能を100%得るためには解説講義が必須になってくるので、論証集だけでは効能は半減するくらいで考えておいた方が良いです。
もっとも、他の基本書や講座で行間の穴埋めができる方、論点の網羅性だけ確認したい方などには、論証集だけでも十分有益だとは思います。
(2)教材配信・発送スケジュールの遅延
これが「遅延ゼミナール」と揶揄されてしまう由縁ですね。
確かに、公式HPに載っているスケジュール通りに教材・講座が配信・発送されないという事態は頻繁に起こっています。
また、そのような事態に対して適宜のスケジュール修正連絡なども基本的になく、いざ連絡が来たかと思えば、その新しいスケジュールさえも遅延する、という話も聞いたことがあります。
加藤ゼミナール内部で何が起こっているのかは正直全然知りませんが、不誠実な態度だと思われても仕方ない対応をしている部分は確かにあると思います。
もっとも、僕自身ベンチャー企業の立ち上げ経験があるからだとは思いますが、ベンチャー企業ではどうしてもマンパワーが不足しがちなので、遅延が生じること自体に関してはやむを得ない部分があるかなとも思います。
(但し、その場合でも受講生への適宜の情報共有は必須です)
ちなみに、教材遅延には対処法があります。
加藤ゼミナールの教材は毎年改定がなされているものの、1年前の教材とそこまで差があるわけではありません。
なので、新講座の配信スケジュールが自分の勉強計画にそぐわない場合には、いっそ1年前の教材で勉強するというのも全然ありだと思います。
公式HPでは特に言及されていませんが、カスタマーセンターに問い合わせたら1年前の教材に変更してもらえるので、短期合格を目指している方などはそちらにスライドするのが個人的にはオススメです。
実際、僕の短期合格を目指している知人も、問い合わせて1年前の教材に変更してもらっていました。
教材の遅延は早期に修正されるべきだと勿論思いますが、不満を言ってすぐに改善が図られるわけではないので、各々できることをやるのが大事かなと思います。
(3)誤字・脱字の多さ
これはもう題名通りですね!笑
僕はあまり気にならないタイプでしたが、度々指摘される部分ではあるので、言及しておきます。
3.まとめ
予備校ぶっちゃけシリーズ第二弾、どうだったでしょうか。
加藤ゼミナールには僕自身かなりお世話になったので、結構メリット寄りの話になっている部分もあるかと思いますが、巷で言われているデメリットには全て言及できたと思います!
なお、勉強計画や試験勉強での悩みなどなど、答案添削とは別にざっくばらんな相談ができる環境が欲しいという要望を最近頂くことが多いので、個別相談ができる場を作っちゃいました。
もし良ければコチラからご相談ください!
次回は、「就職まで見据えた予備試験合格のブランド価値について」を予定しています…!
乞うご期待!