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Comic Strip
新聞の四コマ漫画は読まれますか?デジタル版のニュースばかり読んでいると、最近は目にすることも少なくなっているかもしれません。
僕はまだ紙の新聞を購読しているんです。やめようかなと思った時期もあったんですが、迷いながらも今のところまだ続けています。理由は、デジタル版だと興味のあるヘッドラインしか読まないんですが、紙だと自然に大量の小見出しや写真が視界に入ってきて、その結果いろんな記事に興味がわいてそれらに目を通すことになるからです。思ってもいなかった知識がつき、自分の世界が広がるのが楽しいのです。また新刊の広告も重宝していて、本好きな自分としてはとても良い情報の源。仕事でホテルに宿泊していても未だに部屋に新聞を入れてくれるところがあります。やはり手に取ると読み出しますし、スマホに比べ目が疲れることもありません。現代においても紙の良さはたくさん残っていると思います。
なんてそんなこと言っていても、半年後デジタル版しか読んでいないかもしれませんが。
さて四コマ漫画、僕は好きです。暗いニュースばかりの新聞。社会面だけでも端っこの方で少し紙面を明るくしてくれています。海外の新聞ではPeanuts(スヌーピー)が有名ですね。Garfield(ガーフィールド)も結構日本でも知られるようになってきたトラ猫のキャラ、去年映画もやってました。新聞に出てくる漫画はComic Stripと言います。日本の4コマと違って欧米のものは結構長いストーリーものなんです。もちろん英語は横書きなので、コマも横に並びます。しかも新聞なのにカラーが多い。日本のように一人の漫画家の作品が掲載されるわけではなく、複数の漫画家の作品が半ページから、新聞によっては一面まるごと使って並ぶんです。ちょっと日本の四コマ漫画とは違う扱いですよね。
個人的にはいわゆる起承転結になっている日本の四コマ漫画の方が短くまとまってて好きです。シンプルですぐ読み終わりますし、文字だらけの新聞の中でとても良い役割をしていると思います。
僕がお気に入りのGary Larson作のThe Far Sideは、元は新聞のComic Stripから生まれたそうです。新聞に掲載されていた時代はかなり昔なのでリアルタイムでは読んでいませんでしたが、何より一枚の絵で人を笑わせる彼のこのSingle-Panel Cartoon(一コマ漫画)の作品は欧米ではとても人気があります。今でも覚えている初めて見た作品がこれでした。
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このPull(引く)と書かれたドアを全力でPush(押す)してる絵は彼の代名詞とも言える作品。僕はこれに吹き出し、その年このシリーズの日めくりカレンダーを買ったほどです。一年間毎日楽しませてもらいました。気づきましたか?よく見ると階段下に、"For The Gifted"「ギフティッド(特別な才能を持つ子供)の学校」という表札が。そんな子供がこんなことをしているのがまた面白いわけです。まさにA picture tells a thousand words(百聞は一見に如かず)で、たくさんの情報がこの一コマに凝縮されています。
つい先週、ある日本の全国紙の四コマ漫画に二人の会社員の会話がありました。その場にはいない三人の同僚について話し合っています。
「油断のならない大西くん、まじめなだけの森田くん、さすがにお年の嘱託の立花さん」
するともう一人の会社員が彼らについてこう言い直しました。
「頼りになる大西くん、まちがいをしない森田くん、ベテランの立花さん」
全く印象が変わりますよね。おもしろいものです。
その三人について悪い印象を抱いてほしければ前者。良く思ってほしければ後者。言い方によって受け手の印象は全く変わるわけです。世の中には争いにならないようにうまいこと言う人もいれば、すぐにけんか腰になる人もいますよね。メディアでによる印象操作も簡単です。悪い顔をした写真を掲載すれば簡単に悪い印象がつけられますから。
そういえば以前、歯医者さんに夫の付き添いで来ていた奥さんがこう話していました。
「この人せっかちなんです、すみません」
すると歯科医は「せっかち?」。そしてすぐに「スピーディー、スピーディー」と言い変えてました。うまく言ったもんだなぁ。言い方によって全然印象が異なります。せっかちが悪いことに聞こえなくなる不思議。むしろ逆に心なしかその男性が若く見えたりして。
患者とうまく人間関係を築いていくにあたってもちろんお世辞も入っているでしょうが、それでも悪い気はしませんよね。その男性もニヤリとされていました。
*****
すべての会話の中に四コマ漫画のようなユーモアがあったり、温もりがあったり、人間味を感じるようなメッセージが入っていれば、もうちょっと毎日が楽しく笑顔もたくさん見れるはず。暗いニュースに溢れてる新聞を置いてそう思います。絵に描いた餅でしょうか。(ここで餅の絵でも一コマ漫画として挿入できたらなんと素敵。笑)
せめてこの木曜日の朝だけでも皆さんをニヤリとさせることができたら、その連鎖でたくさんの人の頬が緩むのではないかなと考えています。何かニヤリとしたエピソードがあったらコメントを下さい。次回、他の読者の皆さんにもニヤリとしてもらおうではありませんか。僕にお手伝いさせて下さい。
Until next time.
寺ピー
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この記事は2025年2月20日に#theLetterから配信されたニュースレター
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