過食症やむちゃ食い障害に比較的多くみられる「対人関係の欠如」は、引きこもりタイプではなく、「はたから見れば友達が多く自信があるように見えるけれども、本人は自信がなく、本当に親しい関係を持ったり維持したりすることができない」というタイプです。
こういうタイプの人にとっては、「親しさ」は「孤独」と同じくらいストレスになります。相手が自分の中に踏み込んでくることに不愉快さを感じても「ノー」と言えないので、親しくなるのが怖いのです。あるいは、自分の内面をきちんと伝えることができないので、常にいい顔をして付き合うことしかできず、親しい関係は大変な負担になります。
親しさが重荷になってくるとどこかで関係を断絶してしまう、というパターンが、まわりから見れば「華やかな男性遍歴」などというふうに見えるのでしょう。
実際のところは、安定した親しい人間関係を続ける能力の欠如であり、まさに対人関係療法の対象となります。