詩篇 -Psalm- 4
以下は、3/2の受診後~3/9amまでに書いた詩です。
作品番号4-1
Untitled (“Veni”) Opus No.21(無題 第21番)
腹を据えるって、
結構覚悟が要ることで、
それをずっと続けることは、
もっと勇気が要ることで。
外からいろいろ言われても、
強い力がかかっても、
意に介せず、しなやかに、
まるでなんにもなかったように、
自分の軸を保っていられる。
そういうひとになるために、
わたしのこころは
いままでずっと、
傷だらけになってたの?
そうしてわたしに
もっと強いこころを
もたせるために、
たぶんきっと神様は、
試練を与えてくださった、
その先にある、真実を
いつか見出だす日のために。
(2020/3/2)
作品番号4-2
Untitled (“Veni”) Opus No.22(無題 第22番)
エネルギーが保存されるように、
必要な何かを得るために、
別の何かを失うのなら、
わたしは何を得るために、
社会の立場を失ったのだろう?
高速で動く乗り物に乗っているような
変化の激しい毎日の中で、
わたしだけが各駅停車の速さでしか
ついていけずに、取り残されて。
でも、置いてきぼりになったとしても、
みんなが落としていった、ちいさな忘れものを
ひとつずつ拾っていけば、
違う視点でものが見えてくるかも知れない。
もしかしたら、そういう役目を負わせるために、
社会を俯瞰で見るために、
見えない力が、わたしをそういうふうにしたのかも。
(2020/3/2)
作品番号4-3
Untitled (“Veni”) Opus No.23(無題 第23番)
うまくいかない、そう思うのは
きっと自分の理想が
高すぎるから。
高望みしても、
ただ大怪我して、
自分自身が虚しくなるだけだから。
人並みって言われても、
わたしには、それさえも
高望み。
でもさ、人並みになれないなら、
わたし並みになればいい。
そのなかで、やっていければ、
それがいい。
そういうひとに、なれればいい。
作品番号4-4
Untitled (“Veni”) Opus No.24(無題 第24番)
天から雨が降るように
こころのなかに雨が降る
涙という名の雨が降る。
雨粒が土に染み込むように
涙がこころに染みていく、
こころのキズに入り込む。
「独り」をからだの全部で
感じれば、
雨は激しくなっていく。
雨粒が強く大地を叩くように、
わたしのこころを激しく揺らす。
このまますっと、
消え失せたい。
雨と一緒に砂糖のように、
すうっと、とけて、なくなりたい。
(2020/3/4)
作品番号4-5
Untitled (“Veni”) Opus No.25(無題 第25番)
ひとに寛容である言うんは
そのひとを、そのまんま
ひきうけること。
何も変わらんで、ええんやで、
そう言うてあげられること。
どんなときでも、
寄り添うてあげられること。
たとえ、泣いて、喚いて、
そのひとの正体がなくなっても、
側におるで、と支えみまもり、
抱き締めてあげられること。
そのひとの、こころの縁になれること。
そうしてそれを、出会ったすべてのひとに
当たり前に、してあげられること。
(2020/3/4)
作品番号4-6
Untitled (“Veni”) Opus No.26(無題 第26番)
散歩の途中、ベンチに座って
天を仰ぐ女性(ひと)がいた。
わたしは気になって、
彼女の側に座った。
座った瞬間、なんだか胸騒ぎがする。
彼女は隣に座ったわたしを拒むでもなく、
ただ、青く澄んだ空を仰ぎ見る。
今日は、かなしいことばしかでてこないね…。
彼女はため息混じりで呟いて
自らのからだの奥から
湧き上がることばを紡いでく。
淡々と、思うままに、
奇をてらうことなく、
その時々のリアルな気持ちを
書き綴る。
わたしはとなりで、
ただただじっと見つめてる。
彼女はそんなわたしを気にせずに
自分の世界へ入っていく。
一息ついて彼女は呟く。
ごめんね、うるさかった?
でも、ありがとう、側にいてくれて。
独りだったら、このまま、
本当にこの世界から、
消えようとしてたかもしれない、と。
わたしは、彼女の役にたてたのかな?
ただ、側で見ていただけなのに。
ただ、不思議なひとだと思ってただけなのに。
わたしは、急に恥ずかしくなって、
そそくさとその場を立った。
少し歩いて振り向くと、
彼女が微かに笑った気がした。
そして、確かに、
大丈夫、もう少し、生きてみるね。
と言う、彼女のこころの声が
わたしの深奥にじわりじわりと
響き渡った。
(2020/3/6)
作品番号4-7
Untitled (“Veni”) Opus No.27(無題 第27番)
「あんたはもういいよ」とか
何回言われても、
「オレの言うこと聞かねえと仕事させねぇ」とか
何回言われても、
わたしは、かならずやり遂げられると
ずっと信じてやってきた。
だけど、言われ続ける度に、
恐れと、不安に苛まれ、
簡単なことさえもできなくなった。
話すこともできなくなった。
というより、話をすることを、
わたしのこころが拒んだ。
それから、すべてに自信をなくし
こころを閉ざし、
自らの存在を否定し続けた。
何もできないことが腹立たしくて、
こんなんじゃダメだと焦って
また、失敗してしまうなんてことばかりで…。
でも、今になって思うんだ、
あの人は、あの人なりに、
わたしのことを何とかしようとしてたって。
やり方は、不器用で、
言葉も乱暴で、素直じゃない。
それはきっと、照れ臭さの裏返し。
本当のことが言えないからこその
優しさの裏返し。
もう少し早く気付けば良かったな。
もっと、ちゃんと話せば良かったな。
そして、もう少しはやく、
本当の自分に気がつけば良かったな。
こんな行き違いは、
もうわたしで最後になるように、
勇気はいるけど、
腹を割って本気で話せるようになると、いいな。
(2020/3/6)
作品番号4-8
Untitled (“Veni”) Opus No.28(無題 第28番)
少しでも、他人をうらやましいと思うんは、
自分のこころがまずしいからや。
少しでも、自分がみじめやと思うんは、
どっかで他人とくらべとるからや。
少しでも、自分がさびしいと思うんは、
自分がまだまだ甘いんや。
そんでも、どうにもならんときは、
今の自分と向き合わな。
向き合うて、向き合うて、
とことん向き合うて、
自分自身と思う存分、喧嘩しい。
納得するまで、喧嘩し続けたらええ。
罵り合うて、傷つけ合うて…。
そうしてな、漸く、自分自身の気ぃが済んだらな、
多分な、それが、ほんまもんの、
ホンマに自分が欲しい答えなんやろなと思うで…。
(2020/3/6)
作品番号4-9
Untitled (“Veni”) Opus No.29(無題 第29番)
話したいとき
相手がいない
話したくないとき
誰かが居る
そうして、つまらない意地を張って
誰とも話したくないって
自分からシャットアウトして、
独りになって、ようやく気づく。
ちゃんと、言わなきゃだめなのに、
助けて欲しいって
言わなきゃダメなのにって…。
(2020/3/7)
作品番号4-9
Untitled (“Veni”) Opus No.30 (無題 第30番)
メールの文面では
「寂しくないよ、がんばって」
そんなふうに、気丈にふるまって。
でも、本当は、
「さびしいよ、会いたいよ」
って書きたいのに。
ほんとうに、天の邪鬼なわたし、
素直になれない、
きらいなわたし。
(2020/3/7)
作品番号4-10
Untitled (“Veni”) Opus No.31 (無題 第31番)
いつ明けるとも知らない、
悶々として、鬱々とした日々。
壁にぶつかって
その度に泣いて
でも、どうしていいか分からず
道に迷った子供みたいに
誰かの助けを求めてる。
その願いは、今は
誰にも届かぬまま、
未だ泣きながら、
暗闇のなかで出口を探してる。
いくら叫んでも、
その声は壁に吸い込まれ、
静寂のなかをひたすら歩く。
ヒントのないクイズを
ずっと解いているような
そんな気持ちに苛まれ、
こころのなかを
嵐の如く掻き乱す。
そうして、絶望の中で崩れおち、
わたしの身は迷いの内に朽ち果てる…。
(2020/3/7)
作品番号4-11
Untitled (“Veni”) Opus No.32 (無題 第32番)
わたしには、社会という枠にはまって
居心地がいいと言うひとの気持ちは
わからない。
だって、わたしは、そういうふうに
されちゃうと、窮屈で、苦しくなるから。
みんなと同じ服を着て、
みんなと同じようにふるまって。
そうしているつもりでも、
よくも悪くも目立っちゃう。
だって、リズムが違うから。
わたしの中に流れるものが、
みんなと、だんだんずれるから。
誰しもそれは感じるけれど、
みんなは我慢できるでしょ?
何とかチューニングできるでしょ?
だけどわたしは、できないの、
他人のリズムと同じようには、
うまくチューニングできないの。
そんな調子外れでも、
誇りを持って生きていたい、
生きていられる社会に変えたい。
(2020/3/7)
作品番号4-12
Untitled (“Veni”) Opus No.33 (無題 第33番)
助けを求めて伸ばした手を
あなたは冷たく振り払う。
「忙しいんだ」とか言っちゃって。
何がそんなに忙しいのか、
分からないから教えて欲しい。
そういう一言でも
わたしには、助けになるのに、
それさえも、くれやしないの。
なにも言ってくれなきゃ、
あなたの本当の声も
聞こえやしない。
たとえどんなに
あなたがわたしを拒んでも、
わたしは、この手を
あなたに何度も差し向ける。
わたしが感じるこころの痛みを
伝えられるまでは。
そうしてわたしも、分かち合いたい
あなたの抱えている
本当のこころの内を。
(2020/3/8)
作品番号4-13
Untitled (“Veni”) Opus No.34 (無題 第34番)
どんなに羊を数えても
寝付けない夜が
増えていく。
夜の真ん中、ポツンとひとり、
不安なことがわき上がる。
しなくてもいい、心配をして、
脳🧠はますます休めない。
増える不安と立ち向かい、
疲れて寝床に横たわり、
薬が効くまで目をつむり、
無になるときを、待ちわびる。
そして、目を開けたとき
新しい日の光が来るように…。
(2020/3/8)
作品番号4-14
Untitled (“Veni”) Opus No.35 (無題 第35番)
ひとの優しさに触れたとき、
わたしの乾いたこころに
暖かい風が吹き、
涙の雨が、ひび割れた
こころに染みていく。
やがて、そこから
感謝という名の
新たな気持ちが芽生える。
わたしは、その芽を
他人のこころに植えていきたいと願う。
そうして他人に伝えていくことが、
わたしにとっては、
本当のしあわせなんだとおもうんだ。
(2020/3/9 am)
編集後記
気持ちの波が激しいときに、ふと思い出すこと、後悔とか、そういう思いがたくさん出ていたときの作品群です。
もう少し腹を割って、上の人と話していればよかったとか、好きな人と毎日帰れなくなったり、一緒に食事をする事ができなくなったり…そういう悔しい思いがたくさん出て来てる気がします。
いつか、また戻れたら今度こそ、きちんと決着を付けたいという気持ちが、憎しみと錯綜している時期かな…。
結局、病気退職で戻る事はかなわず、その上の人との決着も実現できず、和解も出来なかったので、心の中には憎しみという感情だけが膨らみ続けてしまったわけで…。
やらぬ後悔より、やる後悔。―もうちょっと勇気を出せば状況は変わったのかな?と、今振り返って思う次第です。
2021/04/14 DeoxyriboCo