「なりふり構わず」ひたすら走るローカル線と、主役の座を降りた「陰陽連絡線」
梅雨前線と低気圧のコンボが山陰にやってくるというので、5時45分にはホテルを出てタクシーで米子駅へ。
ホテルから最寄りだった富士見町からのきっぷを持っていたけど、そうも言ってられない事態なので、サクッと「安全牌」に切り替えて移動。
米子 → 鳥取
米子から
普通|鳥取
キハ121-8
改札横に「運行情報」のホワイトボードがあった。今のところ米子より東は特に見合わせ区間はなさそうだ。益田から西はかなり「ヤバそう」だが。
早めにホームへ出る。
やってきたのは、キハ121の2両編成。昨日乗ったキハ126の単行バージョンだ。
数人だけ乗せて6時半、発車。
白バラ牛乳と共に日野川を渡り、伯耆大山着。
久々の「非電化の」山陰本線に入る。
この駅を出たあたりで朝食とする。駅構内の店は空いてなかったので、外のセブン-イレブンで買った「お好み幕の内」…
駅弁で良さげな幕の内弁当があったのを前日に見ていたのだが、時間が早すぎた。
「3種の神器」のうち、煮物は無かったが焼き鯖が塩濃いめで、御飯が進む。ウインナーやマカロニサラダが入っているあたりが「お好み」の要素か。
コンビニ弁当風情が…と思わないことも無いが、食べ終わると腹はそれなりに満たされているので、やはり侮れない。
弁当を食べている間に淀江、大山口と進むも乗ってくる客はパラパラ…
55分、御来屋着。
「山陰最古の駅舎」らしく、確かにかつての日本家屋のようだ。
その御来屋を過ぎたあたりで、遠くに日本海が見えてきた。もとより今日は天気が悪いので絶景は期待していないが、鉛色の空の下に茫洋と広がる海というのも、これはこれで趣深い。
7時、下市。ここで下り米子行きと行き違う。
ワンマン列車のため、ドア扱いは前寄りの車両だけなのだがそのため「自車のドアは開かないのに客が車内を通って湧いてきている」という、奇妙な事になっている。
11分、赤碕着。行き違いのために10分ほど停まるとの事。外に出てみる。湿気が体を包み込むような感覚に襲われる。もっともこの時期、これが「普通」なのだが。
ホームを散歩していたら京都方から米子行きのキハ126が到着。これがJRまもなくの頃ならDD51牽引の12系客車と、キハ47か58の普通列車同士の行き違いになるのだろうが、時代は平成を通り越して令和。ステンレスの箱同士の行き違いになって当然なんだろう。普段着にノスタルジーは邪魔になるだけだ。
とか書いていたら、米子行きの向こうを特急列車が通過。なるほど、上下普通を待たせてその間に華麗に特急が抜いていったのか。これはノスタルジー関係なく、国鉄時代から続く「お家芸」だ。
気づくと車内は学生8割、一般2割ほど乗っていた。地方部の鉄道あるあるな風景だが、逆にいうと都市部がどちらも多い「異常な」状態なのかもしれない。
由良手前で山陰道(実質国道9号バイパス)と交差。
バイパス延伸で山陰本線はなかなか厳しい「競争」を強いられているが、パイ(需要)そのものが少ないこの辺りで、近隣はクルマで長距離は列車で、という感じに「適材適所」とはならないものか。
37分、由良着。ここで学生のまとまった降車があった。そしてまたもや3番線へ。すでに米子行きは待避しておりもしかして…と思ったら果たせるかな、下りの特急が通過していった。
51分、倉吉着。予想はしていたが学生がごっそり下車していった。地図で見ると高校が2校あるので当然か。
ここからも乗車はあったが、赤碕や由良ほどの勢いはない。下り米子行きがやってきて、一方で上りホームでは京都行き「スーパーはくと」が発車準備をしている。朝の倉吉駅は賑やかだ。
松崎手前で池が見えた。東郷池というらしく初めて見た。まだまだ知らない事がある。
8時7分、泊着。駅名からして海が近いということは察せられるがホームからは見えない。少し動いたら見えたが、これはあいの風とやま鉄道の泊駅でも同じだ。しかし駅名でだいたいの風景が判るというのは便利だ。
青谷を出たあたりで、前に座っていた学生が鼻を押さえていた。何となくティッシュを渡してふと思った。鼻血なんて何年も出してない。という事は僕ももうそういうトシになった、ということか。
青谷、浜村と客が増えてきた。鳥取への通勤圏内に入ったのだろう。
22分、宝木。下り列車待ちで3分ほど停まる。通勤なら一分一秒が惜しいところだがここは山陰本線。行き違いでの多少の停車は致し方ない。通勤事情も所変われば、といった感じか。
ちなみにここから全てのドアが開くとの事。
最後の停車駅、湖山を出ると米子同様に廃止された貨物ヤード跡を見つつ、
西鳥取の車両基地を見ながら千代川を渡り、
8時46分、鳥取着。
通学客がどっと降りていくサマは全国共通か。
鳥取 → 若桜
鳥取から
普通|若桜
WT-3004
鳥取での1時間のインターバルのち、若桜行きを待っていたら
何か見慣れない気動車が…
鳥取県の第三セクター鉄道である、若桜鉄道所有のWT-3000型なのだが、どうやらこれが「通勤列車」に使う車両のようだ。
中はボックスシートだが大きなテーブルが付いているし、車両末端のロングシート部分はソファにも似たものが置かれている。鉄道マニアを自負している僕でも「何か特別料金がいるのでは?」と訝しんでしまったが、乗務員さんに聞くと「普通列車ですよ」との事。
シートの感じに何か既視感があるな…と思ったら、
やはり九州で艤装されたドーンデザインが意匠元となっている。鳥取にいながらJR九州を感じる。
9時47分、発車。
山陰本線を離れて因美線へ。車内は13人。観光列車ならば寂しい数字だが、普段使いの普通列車ならばこんなものだろう。
最初の停車駅、津ノ井で1人下車。しかし観光列車チックな車内からJR西日本の駅名板を見ていると、何か不思議な気分だ。
東郡家手前で鳥取の市街地は途切れ、いい感じに緑が多くなってきた。
10時1分、郡家着。運転士がJR西日本から若桜鉄道の乗務員に交代となって、なんと車掌が乗ってきた。因美線はワンマンだっただけに意外だった。
5分、郡家発車。ここからは若桜鉄道若桜線になる。
次の八頭高校前を出ると検札があった。基本ワンマンでドア扱いは運転士がやるようだが、接客は車掌が担当という感じか。
因幡船岡。いかにも鳥取らしい駅名だ。
隼。スズキのバイクに同じ愛称の二輪車があるが、それにちなんでか若桜鉄道の車両にもスズキのバイクが描かれたラッピング車がある。
それと、12系客車が静態保存されている。元JR四国のオロ12で「アイランド四国」というジョイフルトレインで使われていた車両だ。
車窓はパッとしないが、山から湧き立つ雲を見ていると、これはこれでなかなか良い景色だなと思う。
22分、八東着。上り列車と行き違いましたが、
何と上りホームにはワフという貨車が、隼の12系同様にこれまた静態保存されていました。うーむ、隼の12系といい、八東のワフといい、若桜鉄道は鉄道マニアを喜ばせますなぁ(笑)
丹比を出て、八東川と戸倉峠へ向かう国道29号とランデブーを繰り返しながら、さらに走り、
37分、終点の若桜着。乗客の半分近くが列車をバックに写真を撮っていたのが印象的だった。
若桜 → 郡家
若桜から
普通|鳥取
WT-3001
若桜に着いて、車内案内で流れた「構内見学」のワードに随分心動かされたが、荷物を持っているのと一応「仕事からの帰り」なのであまり趣味分にブーストをかけても内心に咎めるものがあるので(笑)
ここでコーヒーを頂きつつ、このブログで使う写真の整理などで時間を潰す。
それにしても若桜鉄道、お世辞にも立派な線路とは言えず、ヘロヘロとした線路が延びてるローカル線の第三セクター鉄道然とした雰囲気なのだが、普段使いが観光列車だったり途中駅には国鉄時代の車両を展示していたり、終点は終点で車庫の見学会をやってたり改札横にカフェを置いたり、駅もかなり手を入れて小綺麗にしている。鉄道としては観光客よりも普段使いの客の方が経営には嬉しいはず。だが観光利用も無視は出来ないのだろう。その「すり合わせ」を若桜鉄道は色々模索しながらやっているようだ。新駅(八東高校前、徳丸)の設置などがその現れだろう。
鳥取から乗ってきた列車に、1両増結されたので復路はそちらに乗ってみる。
といっても、往路の3004とほぼ同一の車内だが。
11時21分、発車。雨が止んだのか雲が減って景色がすっきりしてきた。
36分、八東。ここで若桜行きと行き違い。考えてみれば線内で交換設備があるのはここだけだ。すれ違ったのは「昭和」ラッピング。うーん、ドーンデザインは奥が深い。
47分、隼着。改めてホームを見ると…ライダー記念植樹の碑があった。いちローカル駅とバイク愛好家のコラボという「化学変化」の結果が、路線の振興になっている稀有な例だ。
最後の停車駅、八頭高校前から時ならぬ高校生の大量乗車。まったりしていた車内が教室の延長みたいになった。あっという間に席が埋まった。それでも足りず通路までぎっしり並ぶ。
若桜で一両増結した意味がやっと判った…
12時3分、郡家着。高校前での乗車に手間取り6分遅れ…
挑戦的かつ長閑さを兼ね備えた第三セクター鉄道の旅が、最後の最後で意外な展開を見せてくれた恰好だ。
郡家 → 智頭 → 津山
郡家から
特急スーパーはくと8号|大阪
HOT7047
郡家から智頭まで、特急を奢ってみる。
普段なら特急を使わない区間だが、あとの乗り継ぎがこれでスムーズになるため、致し方なく…(これを逃すと、岡山から新幹線を使っても帰宅はかなり遅くなるので)
先に鳥取行きの普通列車(智頭急行の車両)がやってきてそろそろ…と思ったけど来る気配がない。おそらくさっきの八頭高校の乗車集中による鳥取行きの遅延で、因美線内も遅れているのだろう。
8分遅れで特急「スーパーはくと8号」が到着。アサインされた席は見つけたが、先客が僕が予約した席に色々置いていたので、何となく座りづらい雰囲気…
まあ10分ちょいで次の智頭駅なので、デッキに立っておく。
自由席があるなら、あまりこういう「感情」にはならなかったが…
デッキに漫画「名探偵コナン」のキャラクターがあるのが、なかなか楽しい。
そういえばさっき車掌からの案内で
「東海道新幹線は、静岡県内の雨の影響で運転を見合わせて〜」
ってあったので、八頭高校の乗車集中以外にも、色々と今日はハプニングがあるようだ。
千代川の流れを見ながら約16分、
智頭に到着。
僕はここで降りたが、この列車の終点である大阪はまだまだ先だ。
智頭から
普通|津山
キハ120-340
「秒速」で色々済ませて、津山行きに乗り込む。乗り込んでしばらくすると
「鳥取行きのスーパーはくとの待ち合わせをする関係で、数分ほど出発が遅れます…」
との事。
あの若桜線の「遅れ」がここまで影響するとは、つくづく鉄道というものは緻密な計画の上に成り立っているものであることを再認識。
13時7分、特急スーパーはくとが到着。どうやら乗り継ぎ客は居なかった模様。8分、発車。
智頭急行線と離れ、こちらはガタピシ車体を揺すりながら因美線という、羊腸の小径を進む。
この間に、駅弁でお昼御飯にする。
鳥取駅で仕入れたアベ鳥取堂の「砂丘鳥取味の弁当」で、少し小ぶりの幕の内弁当スタイルの駅弁だ。
フライとウインナーが入っている以外は、ごくオーソドックスな幕の内で、キンピラとひじきの煮物がいい感じに箸休めとして働いてくれている。
何のケレン味もないだけに、安心して食べられる味だ。
那岐を出て、25キロ徐行を数カ所やり過ごし、岡山・鳥取県境の物見トンネルに突入。
トンネルの中にも「峠」があるらしく、ある地点を境にエンジンの音が軽くなる。
トンネルを抜け、岡山県に入った。窓が曇っているのはそれだけ外の湿度が高いからだろう。
再び25キロ制限区間に入り、ジリジリと坂を下っていく。
34分、岡山県最初の駅・美作河井に着くも、乗降共に無し。そして駅を出た途端に、再び25キロ制限。
陰陽連絡の使命が智頭急行と伯備線に移った今では、もう因美線には急行「砂丘」が走ることもないのだから、極限まで保守を簡略化しているのだろう。
知和まで来ると、かなり降りてきたという感じで景色も開けており、25キロ制限を受けるような峻険な地形でもなくなった。
45分、美作加茂着。ここで3人ほど乗ってきた。那岐以来の列車交換が可能な駅だが、すれ違う列車は無い(かつては美作加茂と、この先の高野でも交換可能だった)
雨は相変わらず小降りで、霧まで出ている。そういう雰囲気だからか、風景が落ち着いて見える。
三浦。片面1線の小さな駅で、まるで箱庭のような駅だ。
見渡す限り田んぼ、は言い過ぎかもしれないが物見トンネル付近では考えられなかった平野が広がると美作滝尾。
14時2分、因美線最後の停車駅・高野着。
かつては列車交換が可能な駅だったが、赤錆びたレールと朽ちたホームが、因美線の凋落ぶりを物語っているようだった。
中国道をくぐって程なく、姫新線と合流し東津山着。因美線としてはここが終点で、この先ひと駅だけは姫新線を辿る。
12分、終点の津山に到着。急行「砂丘」が闊歩していた頃の、速達性を保ってた頃の「陰陽連絡線」として存在していた因美線とは、到底思えないくらいに「何もかも」が寂れていることを肌で感じた。
津山 → 岡山
津山から
普通|岡山
キハ47-69
因美線と共に「陰陽連絡線」を形成していた津山線の旅に移る。
キハ47の2連は米子あたりでさんざ見てきたが、津山線においてもまだスタンダードな車両のようだ。
14時35分、発車。冷房が心地よい。
姫新線と別れると、すぐに津山口へ。ここは割と立派な駅舎があったのだが…
佐良山を過ぎると、国道53号と並行しながら南下していく。
津山線と国道はライバル関係にあるのだが、かといって鉄道の分が悪いわけではなく、因美線と違ってこちらは健闘している。
やはり都市間の流動のパイの違いなのか…
58分、誕生寺。法然上人生誕の地で駅名からしてありがたい雰囲気があるが、乗降は無し。
弓削で下り列車待ち。
まあ相手も、こちらと同じキハ47の2連だが。
岡山市(北区)に入ったあたりから、今度は旭川が車窓の友となる。
その岡山市に入って、初めての駅となる福渡で2人乗車。
少しウツラウツラした。気がつくと旭川は離れていき玉柏だった。
ここでキハ120の2連と待ち合わせ。と云うか、閑散線区向けのキハ120が岡山口にやってくるのがちょっと意外だった。
最後の停車駅・法界院で学生が大量乗車。
まあ午前中の若桜線の高校生ほどではなかったが。
山陽線と合流し、岡山気動車区(現・後藤総合車両所岡山気動車支所)を横に見ながら、
16時3分、終点岡山着。
因美線と共に「陰陽連絡線」の一翼を担ってきた津山線だが、その主役の座を智頭急行に譲ってからは、県央(岡山)と県北(津山)を結ぶインターアーバンに徹し、ジリ貧の因美線とは対照的に「鉄路」としての命脈を保っている感がある。
岡山 → 播州赤穂
岡山から
普通|播州赤穂
クハ111-2013
今夜乗るはずだった新幹線の特急券を岡山駅のみどりの窓口でキャンセル払い戻し。
まあカネは使わないに越したものはない。で、今度は山陽線で帰ろうかと思ったが、ここで書くならネタにするかと思い、赤穂線経由の列車に乗車。
ラッシュにはまだ早かったが、岡山からだと乗る数そのものが多いのでやむなく立っていく。赤穂線に入れば空くだろう。
16時35分、発車
先程まで津山線の車窓で見てきた旭川を、この列車で一気に渡る。
今朝方の大雨のせいか、流れも急で全体的に濁っている。
45分、東岡山着。ここからは赤穂線だ。
山陽線を跨いで単線区間に入ったが、不思議と「支線」に入るあの「隔離感」は無く、まだ山陽線にいるくらいの感覚でいる。
地方交通線とは言え、岡山口はかなり「攻め」のダイヤ構成だからか。
53分、西大寺着。かなり降りていった。僕はまだ立っているが…
旭川同様にやはり濁った水が濁流状態の吉井川を渡り、大富着。
17時4分、長船。
岡山都市圏としてはそろそろ端の方だが、まだ立ち客はいる。
香登を出たあたりで、山陽新幹線と国道2号線と並行する。このあたりは自身もクルマで走るので見慣れた風景だが、鉄道から見るのはやはり新鮮だ。
伊部でようやく座れた。そして意外にも西大寺より東でまとまった降車があったのが西片上だった。や、何事も実際見てみないとわからないものだな…
そして片上エリアの代表的な玄関口であるはずの、備前片上では降車はほとんど居なかった。
伊里を出て、次は日生…という割には一向に海が見えない。出てきたの日生到着直前。確かに駅の目の前に港があったが、本当に深い入江にあるんだなと実感。
岡山県最後の駅、寒河は前の方で数人が降りていったが、今乗ってる車両では動きナシ。
客の動きに関しては典型的な「片減り」(岡山から一方的に減っていく)の様相を見せており、純粋に面白い。
37分、備前福河で兵庫県入り。
旧国名では岡山のハズだが編入で兵庫県入りをした地域。
天和を出て、現役か廃駅かイマイチ掴みづらい西浜貨物駅を過ぎ、
44分、終点の播州赤穂着。
すぐ隣に乗り換える列車が待っていた。
播州赤穂 → 川西池田
播州赤穂から
新快速|長浜
クハ222-2022
先程の列車からの乗り換え時間は4分。しかし真横同士の連絡なので、4分でも余裕たっぷりだ。
48分、播州赤穂を発車。
新快速、といっても姫路までは各駅停車だ。
坂越を出て、千種川を渡る。この川を渡ると兵庫に帰ってきた感がある。
18時、山陽線と合流し相生着。
時間的にはラッシュだが、まだ車内は空いていて快適。
竜野手前で、再び国道2号線と並走。
この景色も車からは見飽きた感があるが、鉄道側からだと運転しない分やはり新鮮に見える。
網干、はりま勝原、英賀保と進むとそれほど客は入らず、終始まったりした感じで「普通列車」区間を終え、新快速へ。
まあここで一旦降りるのだが…18時22分、姫路着。
姫路から
普通(快速)|米原
クモハ223-3033
例によって数本落として、T電に乗車。
新快速よりは遅いけど、まったりとした雰囲気の中で帰りたい時は、この種別を選ぶ(快速区間は明石~高槻のみ)
18時47分、発車。
早速夕食の駅弁を頂く。
まねき食品の「姫路味づくし弁当」
かなり豪華な幕の内弁当、といったところか。「三種の神器」はもちろん網羅している上で、有頭エビの煮物や大根のなます、あさりの甘煮など播州の海産物をふんだんに盛り込んだおかず類は、アルコール片手につまみとしても大いに有用なラインナップ。
大きなランチボックスに播磨の味をぎっしり詰め込んだ幕の内、なかなか夢のある弁当だと思う。
食し終わると宝殿で、あっという間に加古川だった。
ここで後続の新快速を待ち合わせ、19時9分に発車。
案の定、客はほとんどいない。
この空間をしばし楽しみたいが故に、途中まで各駅停車のT電に乗っているようなものだ。
このあと、東加古川・土山・魚住・大久保と停まり、空いていたスペースにポツポツと客が埋まっていく。
外を新快速が線状になって通過していくのが印象的だった。
25分、西明石着。
着座・立ち客の8割程が降りていった。加古川と同じパターンだ。
明石。ライバルの山陽電車と並ぶ。
32分、舞子。うーん、公園の松がジャマして、明石海峡大橋が見えない…
新快速のように「速度が身上」って訳でもないので、電車線をまったり走り、列車別だった複々線も方向別へ。
49分、神戸着。そしてここから東海道本線へ。
といっても、線の移り変わりを意識することなく、自然と乗り入れていくのが都市部の列車のいいところでもある。
53分、三ノ宮着。土山以来の立ち客が出た。が、それでもまだまだ空きがある。
向かいの下り新快速を見ると、幾分か空きはあるけど、基本的に立ちっぱな感じだ。
一方こちらの周りを見たら、携帯電話で映画鑑賞している客や一心不乱にPCを叩いてる人、そしてビール片手にツマミを堪能している人など、本当に千差万別だ。
僕のように鳥取から鈍行ばかり乗り継いでいる「奇特な」客もいるんだから、中電(中距離電車)のゆっくり走る列車の旅はホントにやめられない。
20時6分、芦屋着。松井山手行きと緩急接続しているが、こちらへの乗車は数人のみ。つくづくマイペースな列車であることを実感する。
西宮から乗ってきた小学生くらいの男子、乗るやいなや運転席の遮光幕のかかっていないスペースに陣取り、「かぶりつき」を敢行していた。
明るい時間帯ならよく見かけるが、あまり景色の見えにくい夜にこれをやるとは…なかなかの「猛者」になる予感がする。
16分、尼崎着。最後の乗り換え…
尼崎から
普通|新三田
クモハ320-17
もとより座るつもりはない。11キロちょっとだし…
さっきの車内とは大違いで、そこら中で立ち客だらけ。まあこれが「普通」の風景であることは間違いないのだが、先程の天国のような空間を一度覚えてしまうと、何となく不満を感じる。人間とは勝手なものだ。
車内の運行情報からは「大雨の影響で…」とか「大幅な遅れが…」と出ているが、今乗ってる福知山線にはそのような気配はあまりなく、穏やかに1日を終えようとしたいる。今日の若桜線の高校生乗車集中による遅延とかを経験すると、定時運行をしてくれる乗務員諸氏の努力と責任力の強さにひたすら感謝しかない。
20時38分、川西池田着。
今回の乗り鉄はこれにて終了。
【令和6年6月28日乗車】
【完乗】JR西日本 因美線 鳥取~東津山
津山線 岡山~津山
赤穂線 相生~東岡山
若桜鉄道 若桜線 郡家~若桜
JR西日本 山陰本線 米子~鳥取 92.7km
因美線 鳥取~東津山 70.8km
姫新線 東津山~津山 2.6km
津山線 津山~岡山 58.7km
山陽本線 岡山~東岡山 7.3km
赤穂線 東岡山~相生 57.4km
山陽本線 相生~神戸 75.5km
東海道本線 神戸~尼崎 25.4km
福知山線 尼崎~川西池田 11.0km
若桜鉄道 若桜線 郡家~若桜 38.4km【往復】
小計 439.8km
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