墨田・葛飾・足立区の私鉄落穂拾い
昨日までは青春18きっぷの旅だったが、今日はやることもあったので出かけるのは近場だけにしてみようと思う。
それに近場と言っても、考えてみれば乗っていない線区が結構あるから丁度良い。
亀戸から
普通|曳舟
クハ8674
今泊っているホテルから数分で東武亀戸駅に着く。
丁度JR亀戸駅の真裏に位置し、そこから出ている東武亀戸線に乗ってみる。
2両の列車がワンマンで、亀戸と曳舟の間をシャトル運行している。
JR亀戸駅の片隅から出ている。といった雰囲気でJR側の喧噪がウソのように駅周辺は静かな雰囲気だ。
11時33分、亀戸発車
急なカーブを1分ほど走り、最初の駅・亀戸水神。
駅は小さい。
出発後、車内を見渡したが立ち客はほとんどない。
36分、次駅の東あづま着。
「東」と、これまた「東」を意味する「あづま」がひとつの駅名の中に「同居」する、面白い駅だ
最後の停車駅・小村井は、スマホで一発変換されない面倒な駅だ
あっと言う間に40分、終点の曳舟着。
僕の地元の鉄道で言えば、阪急伊丹線か京阪交野線みたいな感じか。
曳舟から
急行|中央林間
08006
ここからは東武伊勢崎線だ。
しかしやってきたのは、乗り入れ先の東京メトロの電車だ。
55分、曳舟出発。
スカイツリーが結構間近に…と思ったらもう地下線に入っていた。
57分、押上着。ここで乗り換える。
結構、慌ただしい旅だ。
押上から
普通|青砥
5526-8
東武駅から京成駅まで150メートルほど歩いて、都営浅草線に接続する京成押上線という支線だ。
ただ支線といっても、京成本線の青砥から都営浅草線の押上までを結ぶ重要なバイパスルートで、都営浅草線の後ろには羽田空港への路線を擁する京浜急行が控えているし、一方の京成本線は北総鉄道経由で成田空港への路線を擁していることから、支線と言えど空港連絡の重要な「要」なのだ。
やってきたのは、地下鉄線内からの青砥行き。
都営浅草線の5500形という、最新の電車だ。
12時7分、発車。
1分と経たすに地上へ出た。
京成押上線、少し前に四ツ木まで高架化工事を終え、結構近代的な路線になった。
その前は東武亀戸線とそう大して変わらない感じだったから。変われば変わるものだ。
荒川を渡って、
四ツ木に到着。
向こうから来るのは京浜急行の車両…今乗ってるのは都営の電車…ここは本当に京成線なのか?と言いたくなる。
京成立石の駅前にある商店街。
まさにイメージ通りの下町風情を表現している。
高架を駆け上がって15分、終点の青砥着。
海外客が終点と知らずにポカンとしていたが、運転士に促されて下車するサマが印象的だった。
青砥から
快速|成田空港
5517-8
後続の列車に乗り換え…また都営車だ。
ひょっとすると僕は都営地下鉄成田空港線に乗っているのかも知れない(笑)
阪神本線も近鉄と山陽が乗り入れるようになって、阪神線内なのにどこの鉄道会社か分からなくなっている状態なので、相互乗り入れが盛んな首都圏の鉄道ならばもっとややこしそうだ。
と、書いているうちに
21分、京成高砂着。ここで下車する。
列車はここから北総鉄道に入って、成田空港を目指す。
京成高砂から
普通|金町
3515
次に乗るのは京成金町線。
同じ京成線なんだが、改札外乗り換えだ。
ホームに上がり、列車を待つ。
東武亀戸線は10分間隔なのだが、京成金町線は15分おき…
ラッシュ時はさすがに間隔は詰まるが、それでも11~12分ほどだ。
昔読んだ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」という漫画で、どのエピソードかは忘れたが主人公の両津勘吉が
「金町線は○ぬほど本数が少ないから覚悟しろ」
というセリフを言っていたが…何十年か越しにそれを体感する。
やってきた金町行きに乗車。
クーラーはついているが、何と扇風機もある。
私鉄電車で扇風機が稼働しているのは珍しいように思う。
37分。京成高砂発車。
高架を降りると…線路と家が結構近い。
唯一の中間駅、柴又。
駅名板は古いし、縦型の駅名板には「寅さん」をデザインしたものと、いろいろと「男はつらいよ」に乗っかっている。
42分。終点の金町着。
ホントにあっという間だった。
金町から
各駅停車|代々木上原
モハE233-2209
金町駅のNewDaysで、幕の内スタイルのコンビニ弁当を見つけたので、これで昼食。
先日、紅塩鮭の弁当を食べたが、これとは対極を成すあっさらとした弁当だった。
コンビニ弁当といっても、なかなか侮れない…
金町から常磐緩行線に乗車。
先程まで、東武線なのに列車は東京メトロ、京成線なのに乗っている電車は都営地下鉄…といったややこしい事態を立て続けに遭遇していたが、今度はJR駅からしっかりJRの電車に乗れた(笑)
立ち客少しで、車内はまったりしている。
亀有を経て、
13時16分、綾瀬着。
常磐緩行線はここまでで、列車は東京メトロ千代田線へ乗り入れる。
綾瀬から
各駅停車|北綾瀬
クハE233-2018
ここから千代田線の支線に乗る。
といっても、この支線もれっきとした千代田線なのだが、この綾瀬を境に運転系統がガラリと変わり、
綾瀬と北綾瀬をシャトル運行する列車が設定されていて、何なら北綾瀬行き専用のホームがあるくらいだ。
そして、ここから出る電車はかつて千代田線で使われた古い電車を3両に組み替えて…と、地下鉄なのにローカル鉄道と何ら変わらない。
ただ、北綾瀬には東京メトロの車庫があるので、その出入庫を兼ねて綾瀬よりも都心部寄りから北綾瀬へ直通する列車もあるので、
これから乗る電車のように長い編成も存在する。
そして、今乗っているのはJR東日本の常磐緩行線で使われているE233系。
常磐緩行線から千代田線に乗り入れて、折り返して北綾瀬行き・・・という風に運用が組まれているようで、北綾瀬の車庫にJR車がたむろしている…という光景もしょっちゅう見られるようだ。
26分、綾瀬を発車。
ローカル線的とは言ったが、北綾瀬までは一応は複線だ。
全て高架で沿線はマンション、戸建てが集まっている。
30分、終点の北綾瀬着。
線路はこの先、東京メトロの車両基地へ繋がっている。
北綾瀬から
各駅停車|代々木上原
16923
折り返し、代々木上原行きに乗る。
今度は東京メトロ車だ。何となくホッとする。
ところで先に「出入庫を兼ねて北綾瀬までやってくる」と書いたが、この列車のように純粋に北綾瀬で折り返し都心部方面行きとなるパターンもある。
さらに言えば綾瀬~北綾瀬を客扱いせずに、普通に回送列車として往復している電車もあるので、この区間は営業列車(客扱い)以外にも頻繁に行き来している列車が存在するので、結構「賑やかな」線区ではある。
しかし東京メトロの電車も随分垢抜けたものだ。
かつては本当に、「ただの箱」と呼んでもいいくらい無骨な電車ばがりだったが、やはり乗り入れ先での見栄えも意識してるのか、スタイリッシュなデザインになった。
47分、発車。
身をくねらせながら綾瀬着。
地下鉄の「支線の旅」というのも、これこれでなかなか面白い。
53分、綾瀬発車。
荒川を渡るまでは「普通の鉄道」だったが、そこから先でようやく「地下鉄」に…
56分、北千住着。ここで乗り換える。
北千住から
急行|中央林間
51058
乗り換え先は、東武スカイツリーライン。要するに伊勢崎線だ。
…何か既視感があると思ったら、昼前に乗った東武亀戸線の終点で乗り換えた線だった。
やってきたのは東武51000系。
恐ろしいほどに、車内は冷房が効いている。
堀切を過ぎて、荒川の土手横を進む。
しかし車内はガラガラで、北千住でみな降りてしまったかのような空き具合だ。
曳舟に着くが、それでも乗ってきたのは1〜2人…
14時18分、押上着。ここから自動的に東京メトロ半蔵門線に乗り入れる。
運転士も交替した。
20分、発車。
錦糸町、住吉と進んで、
28分、清澄白河着。ここで再び乗り換える。
それにしても、降りずに自動的に違う鉄道で目的地まで行けることの、なんと便利なことか。
関西はそういう意味ではまだまだかな、と思う。
清澄白河から
普通|都庁前
12-896
31分、都庁前行き乗車。間一髪で間に合う。
断面の小さな鉄道なせいか、クーラーの吹き出し口が近くて涼しいことこの上なし。
この際、座れなくてもいいか…
34分、両国着。
今回は両国で用事があったので、亀戸からJRか都営バスに乗れば僅か十数分で目的は達成する。
だが、そこは鉄道マニアの悲しい性というか「遠回り」でひとつでも未乗線区を乗りつぶしておきたい、という欲でこんな乗り方をした次第だ。
多分この「癖」は、この先も治らないように思うし治そうとも思わない。
ちなみに帰りは両国から亀戸まで都営バスに乗車・・・20分もかからなかった(笑)
【令和6年7月29日乗車】
【完乗】東武鉄道 亀戸線
京成電鉄 押上線
金町線
東武鉄道 亀戸線 亀戸~曳舟 3.4km
伊勢崎線 北千住~押上 6.0km
京成電鉄 押上線 押上~青砥 5.7km
京成本線 青砥~京成高砂 1.2km
金町線 京成高砂~金町 2.5km
JR東日本 常磐緩行線 金町~綾瀬 4.1km
東京地下鉄 千代田線 北綾瀬~北千住 4.7km
半蔵門線 押上~清澄白河 4.3km
東京都交通局 大江戸線 清澄白河~両国 1.6km
小計 33.5km