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「幹線」だけど「ローカル線並み」&「ローカル線」だけど「幹線並み」

名阪間を在来線移動する時は、よく東海道本線経由で行くのだが趣向を変えて関西本線経由で行ってみる。


川西池田~尼崎~大阪~新今宮

川西池田から
快速|木津
クモハ207-1022

一投最初はお馴染み207系

乗車直前に、小学生の団体(引率付き)がホームをゾロゾロ…乗るのかな…っておもったけど、どうやら後の列車のよう。
ラッシュを微妙に過ぎているのか、車内は言うほど混んでないのが幸い。

尼崎から
普通|高槻
クモハ207-2017
またクモハかと引き運を疑ったりしたのだけど同じ型式の編成なので、クモハなのも当たり前か…
しかしホームの水平移動だけで、違う行き先の列車に乗り換えられるラクさは、都市部住まいに感謝する他ない。

大阪から
関空快速|関西空港
クモハ224-5022

関空快速に間に合った

大阪駅で買い物を済ませ、環状線ホームへ。
微妙に遅れているのは、環状線内で列車点検か何かで運行障害があったとの事。
まあ、2・1シートでまったり行けるなら、遅れは別に気にならない。

建物は近代的でも、ごちゃごちゃ感はそのまま

親が大阪南部に住んでた関係で、小さい頃はよく環状線に乗ったものだけど、建物が高層化した以外ごちゃごちゃした感は何も変わっていない。ホッとすると同時に何時までこの風情が残るのかを考えると、ちょっと複雑な気分になる。

新今宮~加茂

新今宮から
快速|加茂
モハ220-25

さっきの関空快速を天王寺まで乗り通す予定だったけど、遅れとかでまともな乗り継ぎは望めそうになく「見たときが乗りどき」って感じでここ新今宮で乗り換え。

221系もかなり増えた

来たのは221系。東海道や山陽本線を新快速で鳴らした俊足も、今は関西線でまったりと走ってる感がある。しかし人気のないJR難波始発とは言え、ものっそい(ものすごく、の関西弁)ガラガラだ…9時40分発車。
久宝寺手前で機外停車。環状線の遅れが、あちこちで影響してるみたいだ。

ここが操車場跡とはとても思えない

その久宝寺も、かつては竜華操車場の縁に張り付くようにしてあった小さな駅だが、その操車場が廃止され跡地が開発されるとちゃんと駅前のある普通の駅になって、その駅前が今や…操車場の痕跡は微塵も感じさせなくなっている。

風光明媚だが、列車はノロノロ運転

大和川亀の瀬にある大阪と奈良の県境付近でも信号停車。どうやら大和路線(関西本線)もその接続路線である和歌山線で、早朝に踏切障害があったらしくその影響で、この時間まで遅れが残っているとの事。んー、加茂での乗り継ぎはどうなるかな…

奈良着。加茂まであと少し…

王寺発車を見届け、少し居眠りをしていたら奈良…ここでガラガラに。

加茂~亀山

加茂から
普通|亀山
キハ120-305

大和路線の接続を待ってくれていた

乗り換えた亀山行きはキハ120の1両…遅れていた快速の接続待ちをしていた関係で、加茂を3分ほど遅れて発車。何か申し訳ない気分…10人程が乗り継いだ模様。
笠置を出て、しばらくすると木津川を渡る。関西本線は意外と川の車窓が続く。この風光明媚さが「幹線」なのに「ローカル線」と言わしめるファクターの一つと言える。

木津川の流れは意外と澄んでいる

京都府内最後の駅・月ヶ瀬口。それなりに集落があって賑やかではあったが、乗降はゼロ。幹線で乗降ゼロは「椿事」に近いが関西線、それもローカル区間なので別に不思議でもなんでもない。

なんとも大胆な、「お茶の京都」特別ラッピング車

島ヶ原で「お茶の京都」ラッピング車と交換三重県に入って最初の停車駅・島ヶ原。行政的には東海エリアなのだが、何となくまだ関西にいるような気がする…ここで下り加茂行きと交換。

伊賀上野で小休止

伊賀上野では乗車<降車で、車内には空席もチラホラ。伊賀鉄道のアニメチックなラッピング電車が、長閑な駅構内で「浮いていた」。

「幹線」らしく、限りなく真っ直ぐな軌道

関西本線の加茂〜亀山ってローカル区間だとは言われているものの、これだけ直線で線路を敷けた区間もあるあたりは「幹線」であることを物語っているのだが、現状はそういった数少ない「利点」を活かしきれてないのが、もどかしい限りである。

柘植にて加茂行きと交換
草津線も接続

11時38分、柘植着。ドアが開くと同時に草津線の電車も滑り込んで、さらに亀山からの柘植行きと交換。閑散としたホームがこの時ばかりはパッと賑やかになる。長いホームが没落旧家のような趣だが、今の時代に即した「賑やかさ」はあるようで少し安心。

信号場の名残はこのステップだけに・・・

信号場だった名残は、このステップのみに…長い加太トンネルを抜け、ほどなく中在家信号所跡を通過。ウン十年前に小学校の修学旅行で乗った団体列車(12系客車)が、ここでスイッチバックしたのを昨日の事のように思い出す。分岐器は撤去され、信号場上屋や引込線も無くなって僅かに残った基礎や築堤、使われなくなったテレスピが古代の遺跡みたいに留めるだけ…

柘植から乗ってきたブラジル人の若者と山登りのおじいさんが、ロングシートを挟んで談笑中。若者はほとんど日本に住んでるそうだが、おじいさんの操る関西弁にやや苦戦している模様…こういう風景が見れるのも旅の醍醐味だ。

亀山~四日市~名古屋

亀山から
快速|名古屋
モハ313-1328

今度はたっぷりと乗り継ぎ時間がある。ゆうゆうと跨線橋を渡り、自販機でお茶を買ってもまだ余裕がある。

いよいよJR東海エリアへ

やってきたのは313系の2連。ひょっとして後ろの方に停まっていた315系か…と思ったがそんなに甘くはなかった。

淡路屋の駅弁に外れナシ

でもクロスシートのおかげで、大阪駅で仕入れた「神戸ステンショ辨當」(淡路屋謹製)をゆっくりと堪能できたので良しとする。
12時24分、亀山発車。加茂からの列車の顔ぶれもチラホラ…
ワンマン列車なので、2両目は締切。だけども車掌が乗っているという不思議な乗組体制。

ホームの雑草に言いようのない感情が…

加佐登。
先程、加茂〜亀山のローカル区間を「没落旧家」という表現をしたけれど、亀山を過ぎて電化区間に入ったこの辺りも、使われなくなって赤錆びたレールに雑草の生い茂るホームが侘びしく、こちらもまた「没落旧家」の趣があって東海道と比べると関西本線は、幹線でありながら本当に不憫である。

枯れ果てたヤードもまた美しく…

河原田を出て伊勢鉄道と合流。南四日市で下り列車と交換。かつては貨車がひしめいていたであろう構内も、赤錆だらけの線路ばかりで、もはや寂しい風景というよりは「栄耀の跡」とでも形容すべき奇観だろう。

四日市から
普通|名古屋
クハ312-1309

一段落とし、からの普通列車

四日市で途中下車し、没落旧家の象徴とも揶揄されている四日市駅舎を眺めて、1本落としの名古屋行きに乗車。さっきまで乗っていた313系と同じ。
ただ四日市からは、亀山と違って本数は倍増しておりダイヤの上では加茂以来の賑やかさが望めそうだ。13時10分、発車。

三岐鉄道へ移籍した「彼ら」の活躍に期待

富田でDF200の特別ラッピング機と、三岐鉄道に移籍した元JR東海の211系と出会う。移籍したという情報を聞いたときは「噓だろ」と思ってしまったが、こうして停まっているのを見るとやはり頭が混乱する…
桑名からどっと乗り込んできて、名古屋都市圏に入ったことを実感する。
それにしても、JR東海の運転士は基本動作に忠実な人が多いな…停車→非常に入れて固定→ドア開閉器に鍵を挿す→案内→指差喚呼→ドア扱い…とキレイに動いていて、思わず動画に撮りたくなる。他社がやってない、とは言わないけどここの会社ほど「徹底」してるかというと…
木曽川を渡り弥富着。愛知県に入り、このあたりになると立ち客も出てきた。

関西線沿線はとにかく長閑

もっとも、名古屋都市圏に入ったといっても関西線沿線は田畑が多くどことなく長閑な雰囲気だ。そしてまだまだ単線区間は続き、白鳥信号場で下り四日市行きと交換。
春田から名古屋市内に入り、高速道路と交差したり街並みがやや込み入ってきた。

笹島信号場が見えてくると、名古屋はまもなく

庄内川を渡り八田を過ぎると、笹島信号場を通過。貨物専門の笹島駅をルーツに持ち、国鉄末期に駅は廃止になったものの、未だ信号場と側線にその名を留める。

名古屋着。お疲れ様。

59分、名古屋着。
大和路線と名古屋口は、まずまず健闘しているだけに中間の亀山〜加茂間の凋落ぶりが目立つ結果に。
今年の秋に名古屋〜奈良間の直通列車を試験的に走らせるようで、なんとか名阪連絡の機運を高め、東海道に伍する交通機関になってほしいところである。

名古屋~大府~武豊~大府

名古屋から
普通|豊橋
クハ312-5014

名鉄特急と並走

関西線の余韻に浸る間もなく、東海道を上る。
名鉄特急と並走し肉薄するも、すぐに引き離され尾頭橋着。まあ仕方ないかな…

このあたりまで来ると車内は閑散と…

金山を過ぎて熱田で名鉄が離れたかと思うと、今度は南大高を過ぎるまで新幹線と並行。当然といえば当然なんだが、東海道線の周りは意外と交通の要衝になっていて今更ながら驚く。

大府から
普通|武豊
クハ312-1316
大府できっぷの経路から外れるため、券売機で「別契約」…

支線であっても313系

構内をウロウロしていたら、武豊方から2両の313系が到着。折り返し武豊行きになった。
随分ガラガラだな…と思ったけど、入線してまもなくの大府止まり、そして発車数分前に着いた東海道上りからの乗り換え客を受けたので、発車時は座席がサラリと埋まった。14時51分、発車。
最初の停車駅・尾張森岡では向こうに刈谷の街が見えるのだが、こちらは田園風景…これだけ至近に街が見えてるのに遠さを感じるって、不思議な感覚である。

駅の裏はすぐ田畑

緒川でちょっと街らしさを見せた車窓も、次の石浜でまた田園風景に。ここで上り大府行きと交換。
東浦で衣浦臨海鉄道の碧南線が分かれていく。武豊線って知多エリアのローカル線、という以外に貨物路線としての側面も持っており、いち「ローカル線」でありながら「幹線並み」の重要度を持つ。
乙川(おっかわ)を過ぎると、車内はかなり空いてきた。終点の一つ手前・東成岩で衣浦臨海鉄道の半田線が合流し、

これにて武豊線完乗!

終点、武豊には15時24分に到着。

武豊から
普通|大府
クハ312-1316

帰りも同じ電車で

あとは大府へトンボ返りするだけ。携帯の充電も兼ねて静かにしておく。

大府~豊橋~浜松

大府から
新快速|豊橋
クハ312-5021

新快速に乗車

うーむ、全然充電できてなかった(笑)
とりあえずきっぷの経路に戻って、東海道を上る。
車内はプレラッシュとでも言うのか、ちょっと混み合っており朝の尼崎〜大阪以来の立ちんぼ。と言っても、次駅の刈谷で座れたが。

三河平野の端はどこまでも長閑な風景…

安城、岡崎と過ぎて三河平野が少し狭窄になる幸田付近まで来ると、車内もさすがに落ち着いてきた。
関西の新快速と違い、東海の新快速は走りながらの追い抜きは無く停車駅での緩急接続をするが、岡崎〜蒲郡に関して言えば関西の新快速にも伍して、全速力で走り抜ける。
蒲郡、三河三谷を過ぎ星越山トンネルを過ぎると、それまで茫洋と広がっていた三河平野はそこにはなく、海に面した東三河の海岸線との間をすり抜けるように走り、

満々と水を湛えた豊川

豊川を渡ると、この列車の終点・豊橋着。

豊橋から
普通|掛川
クモハ313-11
すぐに乗り継げる列車があったが、着席を優先したく1本落として、やってきた掛川行きに乗車。

いよいよラストランナー

313系だけど静岡車だろうな…と思ったら、まさかの大垣車。豊橋界隈だと運用都合で支社エリアまで「越境」する運用があるんだろうな。17時23分、発車。
二川、新所原と進み静岡県入り。鷲津を出ると高校生の帰宅組が駅ごとに乗ってくる。普通にラッシュが始まってた。

浜名湖と太平洋が接するポイント

そんな中でも浜名湖と太平洋の湾口の風景は圧巻で、水面をみるとお互いせめぎ合っているのがダイナミックだ。

西浜松のセメントターミナル

高塚を出て、西浜松の残置セメントターミナルの建物に感動しつつ、

目的地・浜松着

浜松着。
列車は掛川まで行くが、僕はここまで。

【完乗】JR東海 武豊線

JR西日本 福知山線 川西池田〜尼崎 11.0km
     東海道本線 尼崎〜大阪 7.7km
     大阪環状線 大阪〜天王寺 11.0km
JR西日本・JR東海 関西本線 天王寺〜名古屋 171.4km
JR東海 東海道本線 名古屋〜浜松 108.9km
JR東海 武豊線 大府〜武豊 19.3km

小計 329.3km


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