「バタデン」を散歩
仕事が午前中でハネたので、唐突に思い出して乗り潰しを敢行・・・
まあ、今朝仕事始めたあたりから「どこか行けたらいいなぁ」くらいは思っていたが・・・
米子~松江
米子から
特急やくも5号|出雲市
クモハ273-9
ほぼ条件反射的に「e5489」で「やくも」のきっぷを取って、2回目くらいになるだろうか・・・273系になった特急「やくも5号」に乗車。
米子の転車台に見とれつつ、島根県入り。
程なく安来着。
僕の後ろの御婦人2人組が、
「ここ安来ですってよ」
「ええ、本当…って、アンタ降りないと!」
何とものんびりした会話からの急転直下の降車準備に、他人事ながら吹きそうになった。
まあ、のんびりしていたらこんなものか…
しかし、平日にこんなのんびりした風景とのんびりした客をみるなんて、何年ぶりかな…
揖屋、東松江と疾風のように過ぎて
48分、松江着。ここで降りる。
松江駅で昼メシを摂る。ベタだなと思いつつも「出雲そば」を注文。
薬味と一緒にタレを麺にかけるやり方に戸惑いを感じつつも、旨さを堪能。一畑バスで、松江しんじ湖温泉駅へ…
松江しんじ湖温泉~出雲大社前
松江しんじ湖温泉から
普通|電鉄出雲市
7001
松江しんじ湖温泉駅には着いたものの、このようにデータイムは1時間ヘッド…まあ地方部の私鉄でフリークエントを保っているのは特筆に値するが、その時間の「狭間」に来てしまったので、ちょっと手持ち無沙汰…
売店の菓子を食べたりして何とか時間つぶし。
13時27分、川跡方面からの列車が着いたようで、少し改札あたりが賑やかに。
30分、改札開始。最新型の電車だろう。
45分、発車。
一畑電鉄って古いイメージでよく揺れそうって先入観があったが、こうして乗っていると地元の阪急やJRと変わらないくらい快適だ。
宍道湖に沿って走っていたのが、ふと北へ振って田園地帯へ。最初の駅・松江イングリッシュガーデン着。古そうな構内だったので、きっと昔は別の駅名だったのだろう。
59分、秋鹿町着。「あいかまち」とは難読だ。駅の柱がまた良い風情だ…
再び宍道湖沿いを走る。
決して立派な線路とは言えず、この最新型電車を持ってもガタピシな走りは否めないものの、逆に言えば島根の地方私鉄にしてよく意地し続けているなと感心する。
14時6分、津ノ森で松江しんじ湖温泉行きとすれ違い。向こうも最新型だ。
次の伊野灘までの間で出雲市入り。市町村合併で大きくなったと聞くから、かつては別の町だったのだろう。
11分、一畑口着。
ここでスイッチバックし方向が変わる。
これまでの進行方向に草生したレールがあるが、多分かつてはこの先にも路線があったのだろう。
23分、雲州平田着。車両基地があってなかなか大きな駅だ。運転士もここで交代があった。
旅伏。何か旅している自分にふさわしい駅名だ。
宍道湖からは離れてしまったが、平野部は平野部で茫洋とした感じがまた良い。
大寺出発前に乗務員から次駅の川跡での大社方面乗り換えと番線案内。この列車が出雲市行きで有ることを案内。なかなか丁寧だ。
35分、川跡着。
隣のホームに停まっている出雲大社行きに乗り換える。
川跡から
普通|出雲大社前
2114
ここからは出雲大社前行きに乗る。
型から見て、おそらく元京王帝都電鉄の通勤型だろう。何のために設けられているのかは不明だが、貫通ロ前の飾りがカッコ良い。
車内はハロウィンの飾りで賑やかだった。
37分、発車。出雲市への線路から分かれて、ガタピシと車体を揺すりながら、それでいて快調に走る。
高浜手前で、「バタデン」(一畑電車の愛称)の代名詞ともなった車両であるデハニっぽい静態保存車を発見。
とっさの事だったので撮れなかったが、帰りの車窓で見れるかな・・・
遙堪。これもなかなか難読だ。何か深い由縁みたいなものを感じる。
最後の停車駅・浜山公園北口で気づいたのは、乗ってる客のほどんどが出雲大社前まで行く客ばかり。途中駅の存在の薄さにやや寂しさを覚える。
48分、出雲大社前着。
出雲大社前~電鉄出雲市
出雲大社前から
普通|松江しんじ湖温泉
2104
とりあえず駅の外へ出て、出雲大社の方向をみたが少し遠そう…それに今回は「バタデン」の乗り潰しか主目的なので、お参りはまた次の機会にしよう
高浜では捉えられなかったデハニを、ここでようやくじっくりと拝めた。
時間を潰し15時5分、改札開始。
何のことは無い。乗ってきた電車の折り返し便だった。ここも1時間おきで、一本逃すとまた待つハメになる。川跡で全方向が揃うのもこういうダイヤ構成だからか。
車内は観光客、地元利用客、用務客で結構賑やかだ。まあ毎時1本だと客も自然と「集まる」のかも知れない。
20分、発車。車窓は行きと大して変わらなかったのでぼんやりと眺めていたが、
高浜を出た所にあるデハニの静態保存車は何とか見届けた。
出雲大社前に置いてあったデハニの朱一色ではなく、クリーム地に青帯というのが、また渋い。
31分、川跡着。再び乗り換える。
川跡から
普通|電鉄出雲市
1101
客で溢れかえる川跡駅ホームにやってきたのは、これまたさっぱりとしたフロントフェイスの電車だった。36分、発車。
調べてみると、この電車は元東急の車両らしい。そういえば側面のコルゲートがそれっぽさを感じさせる。
ひょろっとした線路ながら、一直線に貫いているサマは地方のインターアーバンとしての「矜持」を示しているかのようだ。
41分、大津町着。このあたりから乗車も増えて出雲の市街地に入ったことを感じさせる。
出雲科学館パークタウン前の手前で、山陰本線と並走。まるで複線区間を逆走しているかのような錯覚に陥る。
45分、終点の電鉄出雲市着。
これにて一畑電鉄完乗。駆け足での乗り潰しになったが、途中駅の「渋さ」に惹かれたのも事実で、今度は時間を取ってじっくり回りたいところだ。
出雲市~米子
出雲市から
普通|鳥取
キハ47-37
さて、あとはさっさとホテルへ戻るのみ。
西日眩しい中、西出雲始発の列車が滑り込んできた。4両と長めの編成のおかけでゆったりと座れた。
16時6分。発車。
斐伊川を渡ると出雲の街とお別れ…
次駅の直江で下り特急とのすれ違い待ちのため、3分停車。
この長閑さが山陰本線の「良さ」である一方で、交通機関として昨今の時流から取り残されている要因にも…
続いて停まった荘原でも11分と比較的長めに停車。
そろそろ発車時刻の33分だが、まだ動き出す気配がない。
JRが提供している在線位置を見たら、どうやら後続の特急「スーパーおき4号」を待っている模様。運転士からも同じ旨のお詫び案内があった。
やがて疾風のように特急「スーパーおき4号」が追い抜いていった…新山口始発ということで、何処かで遅れを持ちこんできたのだろうな…41分、発車。
宍道を出ると宍道湖沿いに走る。湖の向こうでさっき乗った「バタデン」からの眺めも良かったが、感覚的にはこちらが上か…
居眠っていたら、いつの間にか乃木。
下校の学生がまとまって乗ってきた。そして下り「やくも」ともすれ違い。宍道湖の夕焼けに見とれていたら、
17時8分、松江着。
退勤客と下校の学生が大量に乗車。そして5分停車。車内は一気にラッシュ状態に。
後続の特急「やくも26号」を待ち合わせ、すれ違いの出雲市行きを待ち合わせる。
黄色い103系顔の115系だった。岡山区の電車がはるばる山陰まで出張ってきているが、おそらく「ネグラ」のある岡山ではこの型の電車の仕事はなく、山陰エリアに「単身赴任」している格好になっているのだろう。
なんだかんだで5分遅れで松江を発車。遅れるときは続くものである。
草生した東松江の貨物側線を見て、
難読ではなく、珍名の揖屋着。
並走する車を見ながらふと気づいた。宍道湖とは別れたが今度は中海が車窓の友だ。宍道湖ほどの広さはないものの、これも立派な湖だ。
荒島、安来と過ぎ52分、米子着。
僕はここで降りるが、列車はしばしの小休止ののち鳥取へ…
【令和6年10月23日乗車】
【完乗】一畑電車 北松江線 電鉄出雲市~松江しんじ湖
大社線 川跡~出雲大社前
JR西日本 山陰本線 米子~松江 28.9km
一畑電車 北松江線 電鉄出雲市~松江しんじ湖 33.9km
大社線 川跡~出雲大社前 8.3km
JR西日本 山陰本線 出雲市~米子 61.6km
小計 132.7km