千葉の東西連絡「ローカル」幹線乗り歩きと、鹿島線完乗「奇行」
青春18きっぷ3日目。
昨日は結構疲れた。700キロも乗ったのだから当然か。
ので、今日はその反省として組んでた予定をガラガラポンして、千葉近郊の路線を乗り回す。
東京→成田空港
東京から
快速|成田空港
サロE216-30
東京駅でそのガラガラポンの「始末」をつけて、駅弁購入。
横須賀・総武線地下ホームにやってきたのは、E217系の10連。
折角ゆっくりすると決めたので、思い切ってBグリーンを奢る。
今後退役が続くE217系のグリーン車なので、いい思い出になりそうだ。
9時11分、発車。
地上に出て19分、錦糸町着。
そして朝食代わりに東京駅の「駅弁屋 祭」で買ってきた「幕の内弁当」を食べる。
JR東日本クロスステーション・日本ばし大増、という長ったらしい名前の製造者だが、要するに「日本食堂」と「大増」の二社が合併して出来た会社のことである。
荒川を渡る。
何度か見ている風景だが、グリーン車から見ていると何だか別の景色に見えるから不思議だ。
ガランとした新小岩信号場を見つつ江戸川を渡り千葉県へ。
30分、市川着。後続の列車を待避するとのことだったが、特にそういうこともなく33分、発車。
所謂「空待ち」というもので、新幹線ではたまに体験するが在来線では初めて体験したような気がする。
千葉に入って気づいたのは、総武線から少し離れたところにポツポツと濃い緑の緑地帯があること。
ホントにただの緑地帯かもしれないが、ひょっとすると昔の千葉街道だったかもしれない。そんな事を想像しながら見る車窓もなかなか楽しい。
54分、千葉着。
ここで特急の待ち合わせで6分停車…向かいには東京方面行きの列車が停まってて。こちらが到着したと同時に発車。こちらが線路をふさいでいたようだ。
10時、発車。
昨日の「ばんえつ物語」でも感じたが、長い列車はこういう具合に曲がりながら走っている姿が一番映えるような気がする。
東千葉を過ぎて都賀着。ここで快速運転は終わって成田空港まで各駅停車となる。
四街道を過ぎて、基本的にはベッドタウン的な風景なのだが、丘陵地帯らしい緑の深い風景も出はじめた。
まだ東京から1時間ほどの距離なのに、遠くに来た気分になる。
17分、佐倉着。
ここから総武線から成田線へ入るが、あまり「路線が変わった」感は薄い。
総武線が離れて程なくして酒々井(しすい)着。
関西人にはホント、馴染みが無ければ読みも困難な駅名だ。
31分、成田着。
グリーンから僕を除く全ての客が降りていった。階下にはまだ居ると思うが…
しばらく行った所で、銚子への線路から分かれて右へ大きく曲がりそのまま京成の高架線へ合流。心地よい加速音が車内に響く。
合流してしばらくは稲田の中を走っていたが、唐突にトンネルに入り、
40分、空港第二ビル着。横を京成の電車が追い抜いて行った。
43分、成田空港着。
何だか地下鉄に乗ってやってきた気分だ。
成田空港→成田→香取
成田空港から
快速|逗子
サハE217-2059
折角成田空港まで来たので、改札を抜けてみる。
まあ特に変わり映えも無く、そのままUターン。
唯一変わってたのは、所持品検査のエリア跡があった事くらいか。
ホントつい最近まで、成田空港は某団体の影響で空港に立ち寄る利用者全て持ち物検査が、厳格に実施されていたと聞く。
僕みたいな物見遊山な客は、真っ先に疑われていたかもしれない・・・
さっき乗ってきた列車に折返し乗る。
58分、発車。
やはりというか、スーツケース率が高い車内だ。
しかし、よく揺れる。線路は堅牢なのだろう。しかし車両側が振り回されているようだ。
多分後継のE235系なら、そんなこともないのだろう。
11時10分、成田着
成田から
普通|銚子
クハ209-2124
やってきた209系は、かつて京浜東北線あたりで活躍していたものが房総エリアへ「再就職」したものだ。
車内は程よく冷房が効いている。NewDaysで買った「東京の酒蔵」シリーズのうちの、福生市内の田村醸造所「嘉泉」を頂く。
恐ろしくスッキリしていて、日本酒であることを忘れるくらい飲み口が軽く、それでいて旨い。
40分、発車。
京成の空港線高架下をくぐり、一気に長閑な車窓に…
と、思ったら静かに停車。なんだろう…?しばらく間があって
「安全確認が取れましたので発車します」
の案内と共に警笛を鳴らして出発。
おそらく、この電車が走る付近で防護無線を発報した列車がいたのだろう。
仕切り直して、久住発車後の車窓。確かに長閑な風景だ。東京からさほど離れていない千葉で、これだけのどかな風景があったとは思いもよらなかった。
滑川。
駅のすぐそばに神社があった。こういうシチュエーションってすごく日本的というか、日本人好みの組み合わせだと思う。
滑川からこの方、小さな丘はあるものの至って平野が続いており、これも関東平野の一部かと思うとその広大さに驚くばかりだ。
佐原で鹿島線の列車を見かけたが、敢えてパス。
12時16分、香取着。
容赦ない日照りが、ホーム上の数少ない客に襲いかかる・・・
香取→鹿島神宮
香取から
普通|鹿島神宮
クモハE131-1
先ほど佐原で見かけた鹿島神宮行きが到着。
佐原でも乗り換えは出来たが、ここ香取なら降りたホームでそのまま待てば良かったので、モノグサな僕にとって都合のいい乗り換え駅だった。
成田線との分岐はまっすぐ進む。
程なく利根川を渡る。長い鉄橋だな…と思ったがまもなく河口だと思うとこの川幅も頷ける。
十二橋。何となく第三セクターの高架駅みたいだなと思ったら、おそらくだが鉄建公団が施工したものだろう。
延方。
ローカルな雰囲気だけど、駅の設えは完全に鉄建公団仕様…なんでこんなローカル線を鉄建公団が気合を入れて作ったのか…と思ったが、おそらく鹿島臨海鉄道からくる貨物列車を受けるのに、それなりにしっかりとした線路にしなきゃならなかったのだろう。
その一環として旅客駅も堅牢なものになったのだろう。が、それなりに「粗削り」な意匠になってしまい、今見ると武骨な印象を受ける。
北浦を渡る。この橋梁を渡る鉄道の写真は一幅の絵になるようで、鉄道撮影の名所として名高い。
39分、鹿島神宮着。
大半の客が、隣の列車へ移動する。
鹿島神宮→荒野台→鹿島神宮
鹿島神宮から
普通|水戸
8006
ここからは鹿島臨海鉄道だ。
何で乗ってるか…といえば、JR鹿島線の終点を目指しているため。
???
つまり、鹿島線の終点はこの駅から一駅先の鹿島サッカースタジアムまでなのだが、サッカー開催日以外に営業はされておらず、JRの列車は運行されていない。
一方、鹿島線に乗り入れている鹿島臨海鉄道は鹿島サッカースタジアムは通過するものの、鹿島線自体は走り抜けるので完乗を目指すならこの列車に乗るしかないのである。
もっとも、サッカー試合開催日を狙ってJRに乗れば良いわけで…
まあ、そこは趣味でやっているだけなので深く考えないことにする(笑)
41分、鹿島神宮を発車。
俄に山の中の風景となり、線路には無数の雑草が生えておりちょっとした秘境ローカル線の趣きだ。
貨物線が近づいてきた。
これが鹿島臨海鉄道の線路で、程なく小規模のヤードと駅が近づいてきた。
これが鹿島サッカースタジアム駅だ(左)
一方、右側のヤードは貨物列車をここでJRと鹿島臨海鉄道の間で授受するところのようで全てのレールが使われているようだ。
そんな鹿島サッカースタジアムをゆっくりと通過・・・これにて鹿島線は完乗。
・・・したが列車は停まらず構内を抜け架線が途切れ、今度は非電化区間に入る。
ここからが、鹿島臨海鉄道の大洗鹿島線という路線となる。
林の中を抜けて、49分、荒野台。
鹿島線乗車が目的だったので、ここで降りる。
荒野台から
普通|鹿島神宮
8005
30分ほどを荒野台駅で過ごしたが、結局誰も来なかった。
我ながら「完乗」を目標にしているとは言え、こんな人気のないところでまんじりともせずひたすら列車を待っているとは・・・さすがに自分でも「奇行」だなと感づく(笑)
駅のすぐ目の前には新興住宅地があるが今日は日曜かつ昼下がりで、しかも暑いときているから誰もこなくて当然か。
鹿島神宮行き乗車。クーラーが本当にありがたい。
ヤード手前の信号を踏んだあたりで、ATSが鳴動。
ここからJR鹿島線となり、
鹿島サッカースタジアム駅を通過。JR線内に帰ってきた。
34分、鹿島神宮着。
乗り継ぎ列車は1時間15分くらい後だ。
鹿島神宮→香取→銚子
鹿島神宮から
普通|佐原
クモハE131-1
このトランジットを利用して、駅近にある鹿島神宮を参拝。
伊勢、熱田、橿原と「神宮」が付く神社は少なく(30社にも満たず)そのどれもが、悠久とも言える歴史を持っている。
神域に入ると、暑さの中にもちょっと涼風を感じる場面もあって何だか穏やかな心持ちになった。
確かに木陰や、上の写真のような池の水生植物を見たりするとスッと涼しくなったけど、生来の汗っかきにはその程度では汗も完全にひくはずはなく、大汗をかきながら鹿島神宮駅に戻った。
参拝中は穏やかな心持ちにはなったが、参拝を終えたあとの自分の汗だくだくな姿を見てしまうと、やはり「奇行」の一行程に過ぎなかったのかな・・・と思ってしまう(笑)
今度は涼しい時期に、再度お参りに行こう。
近くのコンビニで氷菓子とジュースを買い、駅へ戻ると丁度列車が到着していた。
香取から乗ったE131系の1番車、つまりトプナン編成と同じ編成だった。
人の少ないうちに氷菓子を平らげ、ジュースを飲んでいたら14時58分、発車。
茫洋と広がる北浦を渡り、延方着。
潮来までの間に、ちょっとした森と言うか林というかそんな中を走る。
そのあたりに限っていえば、先日乗った肥薩線や吉都線と同じくらい草刈り等の対策がなされていない。
肥薩線や吉都線はわかるとしても、鹿島線のような電化区間でもローカルな線区は「放置気味」ということか。
潮来、十二橋と来て、
行きと同様に利根川を渡り、
15時14分、香取着。
降車客の半分くらいが、駅の外へ出て行った。
鹿島線は完乗したが、我ながらスマートな乗り継ぎではなかったな、と反省しきり。まあ鹿島神宮にお参りできたので良しとしようと自分を強引に納得させた(笑)
香取から
普通|銚子
クハ208-2124
成田線の旅に戻る。
今乗ってる209系、JR世代の電車とは言え、さっきまで乗ってきたE131系に比べるとやはり「旧式」と感じる。
水郷。いかにも利根川沿いにあるらしい駅名だ。そういえば国鉄時代にはこの名を冠した急行・特急があったな。
停まっては起き、また居眠り。そしてまた停まっては起きる。よっぽど前日の旅が堪えたのか。
総武線が合流して52分、松岸着。
丁度、千葉行きの総武線列車が接続待ちをしていた。
58分、終点の銚子着。
ついに最果てまできたような気分だ。
成田線は我孫子支線を残し、ほぼ全線を乗った事になった。
成田以東は実質ローカル線の「本線」、佐倉~成田の本線も実質この支線に組み込まれて今いちばん成田線で稼いでいるであろう「空港支線」、そして未乗区間のこれがなぜ成田線なのかイマイチ存在意義が不明な「我孫子支線」という、110キロほどの線区の中で実態が3つに分かれている稀有な幹線鉄道というのも、なかなか無いように思う。
総武本線とは競合関係にあるが、成田空港関連だけでも成田線としては収支が取れている格好になっているので、香取以東のあのローカル然とした状態でもなんとかやっていけてるような気がする。
銚子→(総武本線)→千葉
銚子から
普通|千葉
クハ208-2004
さて、引き返すとしよう。
209系の4連。
もうすっかり千葉ローカルの顔として定着した感がある。
欲をいえば、帯色をスカ色にしてほしかった、かな…
16時44分、発車。
銚子の電留線と、ヒゲタ醤油への専用線跡を見つつ、
松岸でさっき乗ってきた成田線を分けて、旭方面へ…
このあたりで、銚子駅のNewDaysで買った飯沼本家(酒々井)「甲子チーバくん」を頂く。
カップのデザインこそゆるキャラっぽいが、少し甘さがあるスッキリ系の地酒で文句なしに旨い。
こういう楽しみがあるから、「呑み鉄」がやめられない(笑)
幹線である総武本線に入ったが、単線でガタピシ揺れる。
先程乗った成田線と大差ない。幹線といえどなかなか厳しそうだ。
17時、飯岡着。
JR東日本のフォーマットじゃない、国鉄フォーマットの駅名板があって懐かしさを感じる。
ここで銚子行きとすれ違う。単線区間は長閑だ…
7分、旭着。
銚子からの客が、このあたりからポツポツと降り始めた。
そしてやや進んだ18分、八日市場。
今度は成東、佐倉方面へ行くのであろうか、そういった乗車が目立ち始めた。
八日市場を出たあたりで、広大な稲田の中を走る。
山吹色の絨毯の中にいるようで、秋の黄金色になるのが今から待ち遠しくなる。
37分、東金線の列車とすれ違い待ちの銚子行きを見ながら成東着。
少なからず東金線への乗り換え客もいるようだ。
隣の日向でもすれ違い。行き先までは確認出来ず…
成東手前まではひたすら広い稲田だったのが、このあたりになると雑木に小さな丘陵がところどころにあって、同じ路線の同じ沿線でも随分様相が変わるものだなと驚く。
八街。これも酒々井と並んで難読駅名だ。
単線区間の最後の駅、南酒々井で最後のすれ違い。
相手は8両の銚子行きだった。
18時8分、佐倉着。運転士が交替。
ここからは居眠りの連続で、都賀発車まで気づかなかった。
東千葉を出ると、ATSのパターン接近を知らせるベルが運転席から賑やかなくらいに響く。そのベルと指示速度に従いゆっくりと走り30分、終点千葉着。
これにて総武本線も完乗。
東京からだと千葉から内房、成東で東金経由の外房線への「橋渡し」的な存在で成東あたりまでは「存在意義」を保っているが、松岸~成東は完全にローカル路線化していてJR九州の単線電化幹線路線に匹敵する閑散さであると感じている。
成田線との競合区間は、特急「しおさい」の設定でかろうじて区別化が図られているようだがローカル列車に関しては、どちらも大差ないように見える。
この先はまだ「細く長く」命脈を保ちそうだが、幹線と言えどいつJR九州の佐伯~延岡間みたいな「歪な」区間が出来るか・・・油断できない。
千葉→錦糸町
千葉から
快速|久里浜
(車番失念)
駅弁を調達し、ちょっと諸々の事をやってたら結構時間が…
今度はE235系のグリーン車に乗る。
シートの色といい、インテリアの設えが朝乗ったE217系とやはり違う。
用務を終えたビジネスマンや、駅近くで飲んだ客が賑やかに乗り込んできて19時2分、発車。
早速、先ほど千葉駅の万葉軒で仕入れた「万葉弁当」で夕食とする。
厳密には幕の内弁当じゃなかったが、枠にハマらない幕の内弁当を食べたような気がする。
14分、津田沼着。
向かいには成東と成田空港行きという「多層建て」の快速が停まっていた。国鉄時代には優等列車で取られていた、不足する線路容量に対する手法が今は在来線の支線乗り入れに対し、車両数を増やさず合理的な運行ができる手段として活用されているようだ。
駅弁を食べている間に船橋、市川と過ぎており箸を置いたら、まもなく新小岩だった。
駅弁を食べるために、グリーン車に乗ったようなものになってしまった(笑)
まあグリーン料金750円で、静かに駅弁を食べれたのだから良しとする
34分。錦糸町着。
あっという間の30分だった。
昨日の反省を生かして、今日はあっさりとした乗り継ぎだったが暑さが一緒ではダルさは変わらず(笑)
でも、戻ってからの資料整理の時間がたっぷり取れたので個人的には大きな進歩かな、と思っている。
【令和6年7月28日乗車】
【完乗】JR東日本 総武本線
鹿島線
JR東日本 中央総武緩行線 亀戸~秋葉原 4.9km
山手線 秋葉原~東京 2.0km
総武本線 東京~銚子 120.5km
成田線(本線) 佐倉~松岸 75.4km
成田線(空港支線) 成田~成田空港 10.8km
鹿島線 香取~鹿島サッカースタジアム 17.4km
鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線 鹿島サッカースタジアム~荒野台 2.9km
小計 233.9km