東海道本線、ひねもすのたり、のたりかな
青春18きっぷ4日目。今日は自宅へ帰るだけ・・・
亀戸→秋葉原→東京
亀戸から
各駅停車|三鷹
クハE230-527
東京を離れる日。
亀戸駅近くの24時間弁当屋で、これまた大きなおむすびを買って乗り込む。
三鷹行きがやってきた。
平日の初電なのに、立ち客だらけだ。
次駅の錦糸町に滑り込む。
緩行線ホームの人だかりはすごいが、快速線ホームはようやく客の姿を見つけた、という感じ。
早朝の、このコントラストが面白い。
5時1分、秋葉原着。
秋葉原から
各駅停車|山手線外回り
クハE234-27
予定していた4分に乗れず、次は9分後…朝は結構間隔が開くなぁ。
京浜東北線と、山手線ほぼ同時に来た。
わずかに山手線が早かったので、そちらに乗車。
だから途中の神田では、こちらがドアを閉めたら向こうはドアを開く…そんな感じ。
16分、東京着。
足早に東海道線ホームへ向かう。
東京→横浜→(品鶴線)→品川
東京から
普通|沼津
クハE230-8089
今度は予定していた列車に、ちゃんと間に合った。
東京始発の東海道本線の初電に乗車する。上野東京ラインが開通してこのかた、空いてる中電に乗れた試しがほとんど無かっただけに、「東京始発」というワードに憧れすら抱いてしまう。
これから、ウチの最寄り駅間際(尼崎)までお世話になる路線だ。
20分、発車。
東京始発ということもあって、ラクラクと座れた。これが目的でもあるが・・・
いつもはウンザリするくらい乗ってくる新橋も、パラパラと数人が乗ってくるだけ…実に快適だ。
28分、品川着。
山手線のホームはそれなりに賑やかだが、東海道はホームの真ん中あたりだけが賑やかなだけで、僕の乗っている先頭車付近は静かなものだ。
多摩川を渡り川崎。このあたりからは立ち客も出たが、まだまだ空いている部類。
並行する京浜東北線は、横浜まで鶴見、新子安、東神奈川と駅が結構あるが、東海道本線に乗ってると横浜までノンストップなのでいつまで経っても駅につかない、という「待たされ感」に苛まれる。
47分、横浜着。早速降りる…
横浜から
普通|千葉
クハE235-1036
あのまま沼津まで行ければラクなんだろうけど、乗り潰しもやっているので東海道線の別線で唯一、旅客営業をやっている「品鶴線」を無視するわけにもいかず…
その品鶴線を通る横須賀線の列車に乗る。
6時3分、横浜発車。
しばらくは、先程通ってきた東海道線の横を走っていたが、
8分、京浜東北線の鶴見から品鶴線へ。
11分、新川崎着。
貨物線だった品鶴線が、旅客化された際に最初に出来た旅客駅だ。
貨物列車がたむろする新鶴見信号場を見ながら、
武蔵小杉着。
それまで南武線と東急東横線が接続するだけの駅だったが、品鶴線に駅が出来てからは飛躍的に市街化が進んだ。
多摩川を渡ったあたりから、猛然と加速しだした。
何せこの辺りは東海道新幹線と並行する直線の「一本道」で、カーブらしいカーブがしばらく無い。
ここだけ見ると、関西中電の「雄」と呼ばれている新快速も負けそうな勢いだ。
東京に戻り20分。西大井着。
蛇窪信号場は直進、そして山手貨物線と目黒川信号場で合流。
都会の貨物線だが、結構見どころは多い。
25分、品川着。
ホームはもうラッシュな気配だ。
品川→熱海
品川から
普通|熱海
サロE230-1076
再び東海道線へ。
品鶴線に乗るためだけに横浜から「逆行」したわけだが、我ながら酔狂なことをしているなと、つくづく呆れる。
品川駅の駅弁で朝食にしようと思ったものの、在来線側の駅弁屋はまだ開店しておらず、新幹線側のコンコースまで走った。これもまた酔狂だ(笑)
予定の熱海行きはほぼ滑り込み状態で乗車。グリーン車で席を確保する。
多摩川を渡るのをぼーっと眺めて川崎。
横浜7時着。
このあたりで弁当を開ける。
「幕の内御膳」だ。なかなか豪華な幕の内弁当である。
東戸塚付近でグリーンアテンダントがやってきたので、車内料金でのBグリーン料金を払う。
熱海まで1260円…事前にSuicaで買えば1000円なので、まあ260円は手間賃ということにしておこう(笑)
戸塚で、遅れている湘南新宿ラインの平塚行きと間隔調整をするとのことで、ちょっと長めに停まった。
直接は見ていないが、どうやら車端部でビール開けての小宴会が始まったみたいだ。気楽なもの…と思ったがこちらも駅弁を広げているから似たようなものか…
17分。大船着。多くのサラリーマンが降りていった。
23分、藤沢着。
出発時は隣の小田急江ノ島線の列車と同時発だった。こちらは熱海だけど向こうは新宿…まったく方向は違うのに、同じ方向を向いて並走したので不思議な気持ちだ。
相模川を渡り平塚着。
国府津を出ると海が見えてきた。相模湾か。
大磯あたりからチラ見はできるのだが、しっかり見ようとするなら国府津より先になる。
55分、小田原着。
ホームに御当地のチャイムが流れる。
早川を過ぎ、より相模湾が近づいてきた。
これ以上ない眺望を堪能していたら根府川着。
ホームに出てみる。
容赦ない夏の日差しが体を貫く。
最後の停車駅、湯河原。
ここから静岡県に入る。次の熱海が静岡県最初だと思っている人が多いと聞く。
この辺り、行政的には西日本に属する静岡県だが「電話」と「電気」は町内の一部に限り、東日本に属する神奈川県として扱うというのを聞いたことがある。
鉄道と地理の「妙」というやつかも知れない。
8時18分、熱海着。
隣のホームで接続する、沼津行きへ走る客が目立つ…
熱海→伊東
熱海から
普通|伊豆急下田
2158
沼津行きの「民族大移動」には背を向け、ゆっくりと伊東線ホームへ。
見慣れない列車がいる。
「黒船電車」と銘打っている。思わず「青春18きっぷで乗れるのか?」とドギマギする。
車掌が、
「この列車は、普通電車の伊豆急下田行きです…」
「この電車はお手持ちの乗車券、定期券、回数券でご乗車できます普通列車です…」
この言葉で、ようやく人心地ついたような気になる。
そして展望室が空いていたので、すかさず居座る。
ここも特に料金は要らないようだ。伊豆急さん、すごい大盤振る舞いしてあるなぁ…
車内をキョロキョロしていたら26分。定刻に熱海を発車。
最初の停車駅、来宮着。
向かい側に着いた、ステンレスに青色の電車が伊豆急行の本来の普通列車だ。
今乗っているのは、元々は「リゾート21EX」と呼ばれる特別な車両だったようだ。
長めのトンネルを2つ抜けて伊豆多賀。小さな入江が箱庭のようでもある。
しかし伊東線、海岸線に忠実なのはいいとして、伯備線並みに曲がりくねっている。
走らせるなら振り子特急のほうが良いのでは…と思ったが、そもそもそれほど距離のない線区なので、入れるだけ無駄なのだろう。
そしてそういう峻険なルートのためだろう。、とにかくトンネルが多い。
そしてトンネルを穿ってでも、東京との直通列車を走らせる関係者の並々ならぬ熱意と努力をこのトンネル群に見ることができる、とも言える。
43分、宇佐美。このあたりでちょっと車内を移動する。
中間の車両は海側がソファ席のようになっていて、フリーで誰でも座れるような感じだ。
こんなジョイフルトレインのような設えの電車を、普通列車に充てるなんて伊豆急行もなかなかやるもんだ。
49分、この電車で伊豆急下田まで行きたいという、後ろ髪を引かれる思いで伊東で下車。
伊東→熱海
伊東から
普通|熱海
クハ3002
伊東では4分ほどで折り返すことも出来たが、何かそれだと疲れそうなのでわざと「一段落とし」を敢行。
NewDaysに行ったり、冷房の効いてる待合室に行ったりと当てもなく過ごして、
やってきたのは、元々JR東日本の通勤電車だった3000系。
ハイビスカスのラッピングから、アロハ電車と呼ばれているそうだ。
青色に塗ってあるので京浜東北線感がこの上なく醸し出されている。
そして車掌が、
「JR東日本をご利用いただきまして…」
とくるので、もう京浜東北線か内房線あたりを走ってるような気がしてならない。
実際景色もこんな感じだから、ますます千葉あたりを走ってる気分になる。
窓の上の広告部分には、この電車の譲渡される様子をポスターにして展示してある。
鉄道マニアだけでなく、一般利用者に対してもいい広告になっている。
宇佐美を出て、再びトンネルの連続…
伊豆多賀で8000系とすれ違い。今回は黒船電車といい、このアロハ電車といい、「乗り運」がツイてるようだ。
57分、終点の熱海着。
「中古の電車」というとネガティブなイメージだが、創意工夫次第で看板商品になるという一例を見たような気がする。
熱海→静岡
熱海から
普通|浜松
クハ315-3032
3分しか乗り継ぎ時間がない上に、この「民族大移動」である。間に合うかな…と焦ったが、
何とか到着。最新型の315系だった。もっとも前の数両ら313系だが。
10時、発車。
丹那トンネル手前でJR東日本からJR東海エリアの境界を跨ぐ。
甲高い音を聞きながら、ついウトウト・・・
うつらうつらしてて、気がついたら沼津を抜けて片浜だった。
体を伸ばしがてらこういう感じで、最後尾からの眺めで展望車代わりとする。
幹線特有のどこまでも真っ直ぐな線路が延びてて、胸の空く感じだ。
10時半、東田子の浦。「田子の浦、打いでて…」の百人一首を思わせる駅名だが、海岸線は見えなかった。Googlemapで見ると近いようだが・・・
吉原。
岳南鉄道からの貨物列車の授受がなくなって、ヤードも草生しており一抹の寂しさを感じる。
38分、富士着。
ここは旅客と貨物が同居する、国鉄時代からの一般駅だ。
旅客と貨物で経営主体は変わったが、かつての鉄道らしい風景が見れる貴重な駅だ。
富士川を渡って富士川駅着。
こう書かないと何のことやら判らなくなる(笑)
新蒲原で大量乗車があった。そろそろ静岡の都市圏内なのだろう。
と言うか、もう清水区なんだな…
53分、由比着。
降車はそこそこあったが乗車はあまりなく、ホームは静かだった。
この防波ネットが無ければ駿河湾が一望できるのだが…
11時3分、清水着。
優等停車駅で、橋上化され立派な駅なのは変わりないが、それでも清水港線があった頃に比べて、随分こじんまりと小さくなったような気がする。
少しの間は静鉄の線路と並走していたが、それが離れると草薙。
草薙、東静岡と進んで
14分、静岡着。
このまま乗っていれば浜松まで行けるが、ちょっと途中下車をする。
静岡→島田→浜松
静岡から
普通|島田
クハ312-8002
色々思うところがあって、浜松行きの1本前にあたる、島田行きに乗車。
かつて中央本線を走っていた「セントラルライナー」から転用された車両だ。
安倍川を渡ったあたりで、
東海軒の「幕の内弁当」でお昼にする。
豪華さでは中の上、といった感じ。
わさび漬けが入っているあたりに、静岡の駅弁らしさを感じる。
この電車のこの角のテーブルは、この駅弁を置くために設けられているのだろうか(笑)
箸を置くと、もう西焼津。島田まであと少しだ。
12時7分、島田着。
駅弁を食べるためにこの電車に乗ったようなものだ(笑)
島田から
普通|浜松
クハ210-5055
やってきた浜松行きは、まさかの211系だった。
先程、熱海から乗った315系みたいな新車が入ると、国鉄末期から居たこの形式は遠からず退役する訳で、今回の旅で乗れたのは僥倖とも言える。
島田を出て程なく、
長い長い大井川橋梁を渡り金谷へ。
徒歩しか移動手段がない頃の大井川は難所中の難所で、「箱根八里は馬でも越すが、越すに゙越されぬ大井川」とはよく言ったものだ。
その金谷を出るとすぐに新牧の原トンネルに入る。
1200mほどあってこれも中々長い。これが事実上の「駿河」と「遠江」を分ける境界みたいなものだろう。
国鉄時代最後の「2ハンドル車」である211系が無くなると、この運転技術も途絶える事になる訳で時代とは言え、一抹の寂しさがある。
35分、掛川着。
天竜浜名湖鉄道の車両が出迎えてくれる。
特急や急行は見る影もないくらいに減った東海道本線だが、その分を貨物列車が穴を埋めるように走っており言うほど退屈な車窓でもない。
袋井手前でウツラウツラしてしまい。気がついたら天竜川を過ぎていた。
13時1分、浜松着。すぐ隣の列車に乗り継ぐ。
浜松→豊橋
浜松から
普通|豊橋
クハ210-5050
乗り換え時間わずかに1~2分。隣の番線へ乗り継ぐだけだったので思ったよりはスムーズに乗り換えられ、その間に一応ジュースを買う時間もあった。
乗り換えた列車も211系。
浜松を出て、広大な西浜松の貨物駅を抜けて高塚着。
蜃気楼かな…と思ったら客だった。そのくらい今日も暑い。
列車は軽やかに飛ばすが、窓がガタピシうるさい。やはり登場から30年以上経っているだけあって建付けも悪くなっているのだろう。
こんなところも退役の「近さ」を感じさせる。
浜名湖が見えてきた。
15分、弁天島着。舞阪までは人の動きもそこそこあったが、このあたりまでくると多分豊橋まで皆行くのだろう。
そして新幹線との一瞬の邂逅。
新居町。
規模の割に広いホームだな…と思ったら、駅に隣接している競艇場対策、ということか。
鷲津を出ると、俄に緑が多くなり林の中のような所を走る。
静岡と愛知の境目はまだだが、国境としてはおそらくこのあたりたいうことなのだろう。
新所原を過ぎて旧二俣線のオーバーパスをくぐった先あたりで愛知県入り。
最初の駅・二川に停車したが、あまり愛知に入った感触は無い。
終点・豊橋着。
すでに方向幕は「浜松」となっていた。
豊橋→大垣
豊橋から
快速|大垣
クハ312-414
ちょっと買い物をして、ホームに降りるとまだ列車は来てなかった。
今日もやはり暑い…とごちていたら、
56分、豊橋止まりの313系の8両編成がやってきた。
これが折返しの快速列車だ。
まだ車内はガラガラ。
冷房の効きもあまり良くない。スマートドアではないから仕方ないが…
14時2分、発車。
豊川放水路を渡る。これが豊橋を出る儀式のようなものだ。
山あいを少し抜けて12分、最初の停車駅・三河三谷着発。
本当に小さな駅で、快速が停まるにはやや不釣り合いな気がしなくもない。
続いて15分、蒲郡着。
ここで豊橋からの客が2人降りていった。
三河塩津で蒲郡の街を離れ、北西方向へ。
相見を過ぎる頃、柔らかな色をした稲田が広がってきた。東三河から西三河に入った。
安城、岡崎と停まり、
37分、刈谷着。
それまでもポツポツと乗ってはきていたが、このあたりから乗車が一段と増え始める。
大府の手前で本線から単独で分かれていく線路があるが、これが南方貨物線の「夢の跡」だ。
国鉄再建と同時に凍結されてしまった「未成線」のひとつである。これが出来ていれば、また名古屋エリアの貨物線事情は変わったかもしれないが…
今は、大府の構内に小さなヤードを作ってたまにやってくる、貨物列車や機関車を留置しておく「留置線」的な役割になっている。
またもや、居眠りをしてしまいホームドアの大きなチャイム音で目覚めると金山だった。通路に立ち客が出始める。
58分、名古屋着。
割と見慣れている駅だが、移動中だとまるで別の駅に見える。
名古屋を出てまもなく、貨物列車とすれ違う。名古屋から稲沢まで貨物線と並行するので、見ていて飽きない。
15時10分、尾張一宮駅。それにしても暑いな・・・ここから居眠りの続きを始める(笑)
19分、岐阜着。
ここからは実質的に各駅停車となる。
最後の停車駅、穂積。
比較的多くの客が降りていった。
32分、終点の大垣着。
よく考えたら寝てばっかりだったな…
大垣→美濃赤坂→大垣
大垣から
普通|美濃赤坂
クハ312-3022
大垣駅の跨線橋、渋滞していた…
行きも混んでるなとは思ったが、それでも曲がりなりにも流れてはいた。、が、今回は「詰まった」・・・青春18きっぷ効果だけではないだろうが、多客期の「凄さ」を思い知った。
翻って美濃赤坂行きは…閑古鳥そのものだった。
これだけ落差を見せつけられると、却って清々しさすら感じる。
53分、発車。
大垣車両区を横目に進み、
南荒尾信号場で本線と垂井線から分かれる。
信号場といっても行き違いとかは出来ず、単に線路が分かれるだけの単純なものだった。
本線から離れると、すぐ荒尾着。
乗ってた人の90%ほどがここで降りていった。よってこの先はガラガラに…
16時、終点の美濃赤坂着。
ここで降りたのはほんの数人で、あとは折り返し客ばかりだった(笑)
美濃赤坂から
普通|大垣
クモハ313-3022
僕もそんな折り返し客のひとりだ(笑)
7分、同じ電車で折り返す。
この支線、割と家と線路が近い。
一昨日乗った、京成金町線の雰囲気に近い。
荒尾着。
こちらは普段からの利用者だろう、結構乗ってくる。
南荒尾信号場の、支線起点を示すゼロキロポストを見送って本線へ。
それまでのガタピシした走りから、一気に高速鉄道のそれに変わって、
14分、終点の大垣着。
ホントに短かな路線だったが、これも立派な東海道本線だ。
大垣→米原
大垣から
特急しらさぎ11号|敦賀
モハ681-3
単に米原に行くだけなら、もう少し待てば普通列車がある。
が、「とある事情」で僕は特急に乗ることにする。
美濃赤坂支線の乗り継ぎから程なく「しらさぎ」が入線。
やはり特急の車内は快適だ。
22分、発車。ぐんぐん加速し、
三度目に通る南荒尾信号場で、垂井線と分かれる。
これがわざわざ特急に乗った「意味」の一部で、
さっきくぐったこの盛り土は、東海道本線の「上り線」。
で、今走っているのは東海道本線の「下り線」である。
現在、普通列車の米原行は例外なく垂井線経由になるので、東海道本線の「下り」に乗るには、こういった特急等の優等列車に乗るしかない。
よく垂井線を東海道本線の下り線と思っている人を見かけるが、ローカル列車に乗っていればその認識は半分当たっている。
が、東海道本線かと言われれば「No」な訳で、今乗ってる単線区間がそれに相当する。
東海道本線の「下り線」は、基本的に田畑ばかりの風景だが、
新垂井駅跡を通るのが「見どころ」と言える。
国鉄末期まではこの駅を経由する普通列車もあったので、青春18きっぷで東海道本線の「下り線」を通ることは可能だった。
しかし、国鉄分割民営化直前に新垂井駅が廃止され、それ以降は米原方面は垂井線、大垣方面は東海道本線の「上り線」を通る、現在の状況に落ち着いたのである。
ちなみに新垂井駅があった頃から、垂井線経由の列車も設定されていて毎時やってくる垂井線経由に対し、新垂井経由は思い出したかのようにしかやってこないダイヤだったので、すでにローカル列車としても垂井線経由がメインとなっていたフシが見受けられる。
東海道本線の上り線が近づいてきた。
そして、垂井線と合流して32分、関ヶ原を通過。
そしてこの時点で、東海道本線の完乗を達成。
此処から先は「余録」のようなものだ。
僕としては大垣~関ケ原間の「東海道本線下り線」を通ることが目的だったので、何なら特急料金を節約してここで降りたいくらいだ・・・や、やはり酔狂だな…(笑)
滋賀県に入って。伊吹山を眺めつつ
48分、米原着。
特急列車の旅はここまで。
米原→近江塩津
米原から
新快速|敦賀
クモハ225-14
このまま東海道本線をそのまま下っていってもよかったが、そういえば北陸本線に乗り残しがあったのを思い出し、急遽ルート変更。
まあ新快速といっても、
ご覧の通り、実質的に「各駅停車」だが種別は変更されない。
「新快速」のブランド名はそうそう毀損できない、という事か。
17時1分、発車。
12両から4両の身軽な編成になって、北陸本線へ。
さっき見た伊吹山がくっきりと見え始める。
東海道本線から見た山容とはまた違って趣深い。
11分、長浜着。学生の集団が降りていった。
幾ばくか車内が落ち着いたように思う。
姉川の合戦で有名な姉川を渡る。
このあたりに戦国武将の戦いの場が集中するのは、北陸、東海、関西の三方向からせめぎ合いやすい地勢的なものもあったのだろう。
河毛。
琵琶湖沿いに広がってきた湖北の平野も、次第に収斂しつつある。
25分、木之本着。
このあたりまで来ると、車内の客の大半は敦賀から北陸新幹線に乗り継ぐか、はたまた三セク乗り継ぎで北陸各地・・・そんなところだろう。
余呉停車中に余呉湖を見る。
ぽつんと池がある、という感じで一見すると穏やかな風景に見えなくもないが、その孤独さ故に何か「秘めたるもの」を持ってそうな雰囲気だ。
33分、近江塩津着。
暑さはやや薄らいだか・・・蝉時雨が結構賑やかだ。
近江塩津→近江今津
近江塩津から
普通|近江今津
クハ520-2
近江塩津は北陸本線と湖西線の分岐駅だ。
が、まさに「分岐」するだけで他には何も無い。
まあ、こんな感じの駅なので降りてはみたが、特にやることはない。
トランジット(乗り換え)は約45分。
何をするでもなし。
仕方ないので通路兼待合室に居座る。
ゴミの臭いが少しするけど、時折ひんやりとした風が通っていくのでさほど居心地は悪くはない。
丁度、ノートにためてた記事の整理作業を思い出したので、やっておく。
18時になったあたりで、
・敦賀方から長浜経由の新快速の播州赤穂行き
・湖西線からの敦賀行き
・そしてこれから乗る米原方からの湖西線経由近江今津行き
と、琵琶湖の果てにある駅で三方向からの列車が、一同に会した。
僕が乗ったのは近江今津行き。
なんとなく編成に見覚えがあるなと思ったら、どうやら長浜で待機していた列車のようだ。
長浜発車後、北陸本線を上ってここでスイッチバックして近江今津に向かう。そんな感じだ。
結構ガラガラで、そして結構涼しい。
5分、発車。
近江塩津を出てすぐに琵琶湖の北の端を見つける。
瀬田付近の南の端は賑やかだけど、この何も無いあけすけな感じもなかなか悪くない。
20分、永原着。
1人が降りていった…ラッシュとは無縁そうな駅だ。
トンネルを抜けて高島市に近づく。
湖の傍の風景なのだが、湖岸のあたりに松が植えてあるサマは、何だか海の傍を走ってるような気分にさせてくれる。
マキノ、近江中庄と進んで
34分、終点の近江今津着。
方向幕は「近江塩津」となっていた。どんな運用で敦賀に戻るのか興味がわく。
近江今津→京都
近江今津から
普通|京都
クモハ223-3005
既に京都行きは入線しており、それほど慌てる必要はなかった。
発車まで20分以上ある、ということもあってか、車内もさほど埋まっていない。ただ、ラッシュ時に京都に着く列車なのでこの先どんどん増えていくだろう。
56分、発車
ほんのりと紅色に染まった対岸の空を見つつ、新旭着。
新旭を出てなんとなく反対側を見たら、
反対側はもっとキレイだった。神々しさすら感じさせる。
19時4分、安曇川着。
退勤と思しき客が増え始めた。
近江高島を出て北小松へ向かう所で、琵琶湖にぐっと近づく。
湖西線と言えど、琵琶湖が見れるのはこの辺りまでと大津京付近だけだ。
15分、近江舞子着。
通過する特急を待ち合わせるとのこと。
ややあって「サンダーバード」が白いスジを残して通過…20分発車。
近江舞子を出る。さすがに暗くなってきた…
比良、志賀、蓬莱・・・と駅名の由来が深そうな駅が続き、
37分、堅田着。
気づいたらウツラウツラしていたが、時々耳をつんざくような学生の笑い声が、かしましく聞こえる。彼らのパワーの底なし感に恐れ戦く。
おごと温泉や大津京で人の気配は感じていたが、何だか起きるのが面倒くさく感じるほどに寝続けた。
54分、山科着。
大津方面へ乗り継ぐ客を吐き出し、車内はやや静かに・・・ここで湖西線は終わり、再び東海道本線(JR琵琶湖線)へ。
20時、京都着。
豊橋~大垣で乗った時並みに寝ていたような気がする(笑)
京都→尼崎→川西池田
京都から
新快速|姫路
クハ222-2022
ホームを抜ける風が少し涼しい。まあまだ秋にはならんだろうが…
13分、223系12連がやってきた。
もっと混んでいるかと思ったが、意外と空いていて難なく「かぶりつき」のスペースを確保。
14分、発車。
ぐいぐい加速し、西大路を過ぎる頃には120キロ近くまで出して通過。
カラダは疲れているが、精神的には痛快な気分だ。
長岡京を出たあたりで先行していたT電を捕捉し、追い抜く。
こういう「追い抜き劇」も複々線ならではの芸当。
27分、高槻着。
降りる客が多く乗る客はまばらなので、新快速らしかぬ閑散とした感じに。
28分、発車。
32分、茨木を通過。
既に次の内側線の電車を捕捉している。
千里丘手前で、捕捉していたC電(各駅停車)を追い抜く。
東淀川の手前あたりから徐々に速度を落とし、
38分、新大阪。
ホームにいた多くの客を見て、まだ一日は終わってない事を実感する。
43分。大阪着。
東京からここまで15時間20分ほどかかった。
もっとも品鶴線やら美濃赤坂支線、北陸本線とか寄り道をしているからで、それが無ければラッシュ前には着いていた訳で・・・45分、発車。
50分、尼崎で下車。
山科からこのかたJR琵琶湖線、京都線、神戸線と愛称はコロコロ変わったが、「東海道本線」として考えたらよくまあ東京から乗り通せたなと、一人感心する。
尼崎から
普通|新三田
クハ208-1051
ギリで乗り継ぎ成功。おまけに座れた。写真はムリだったが…
塚口で少し空くが、立ち客解消までには至らず。
21時2分、伊丹着。ちょっと空いたか。
しかし4日間だけど、よくまあ乗り回したな…僅かにかすっただけの線区もあるけど、いずれ乗り直さなくてはならない。まあそれが楽しみと言えば楽しみだ。
8分、川西池田到着。
これにて乗り継ぎ旅は「打ち止め」とする。
色々な線を乗り潰しながら、ゆっくりと東海道本線を進んだ訳だが、いつもはどうしても新幹線ですっ飛ばしてしまう途中の街風情を、東海道本線の普通列車で観察しながら進むというのも旅の本質として「アリ」だと思うし、青春18きっぷ期間以外であってもオススメできる旅だと思う。
【令和6年7月31日乗車】
【完乗】複数社 東海道本線
JR東日本 東海道本線(品鶴線)
伊東線
JR東海 東海道本線(赤坂支線)
JR西日本 北陸本線
JR東日本 中央・総武緩行線 亀戸~秋葉原 4.9km
山手線 秋葉原~東京 2.0km
東海道本線 東京~熱海 104.6km
東海道本線(品鶴線) 横浜~品川 17.8km
伊東線 熱海~伊東 16.9km
JR東海 東海道本線 熱海~米原 341.3km
東海道本線(赤坂支線) 大垣~美濃赤坂 5.0km
JR西日本 北陸本線 米原~近江塩津 31.4km
湖西線 近江塩津~山科 74.1km
東海道本線 山科~尼崎 56.0km
福知山線 尼崎~川西池田 11.0km
小計 665.0km