名古屋私鉄落穂拾い
名古屋エリアの鉄道路線に、まとめて乗ってみた。
太閤通~久屋大通~平安通
太閤通から
普通|徳重
6716
例によって仕事が早くハネたので、太閤通の車庫に車を置いて太閤通駅へ。
桜通線の電車は、相も変わらず涼しい。
昨日少し涼しくなった?なんて書いたけど、まだまだ文明の利器に頼らなければならない時期だ。13時42分、発車。
例によって名古屋でドカッと乗り込んでくる。しかしデータイムとあってか、席にも若干の余裕がある。
48分、久屋大通着。
久屋大通から
普通|大曽根
2507
交通系ICカード(スマホ内蔵タイプ)の残額が心細くなったので、改札外のコンビニでお金を下ろし、チャージしようとしたら「カードタイプ」オンリーの自動券売機ばかりだった。
交通系がカードから始まった事を考えれば、このタイプばかりになるのは致し方ないところなんだろうけど、スマホ内蔵タイプもかなり一般的になったのだからそろそろハード側も対応してほしい…
と言いたくなったがこのご時世、こういう機器を更新するのにも結構費用がかかると聞く。
さっき立ち寄ったコンビニで済ませる。内蔵型を持ってる人はここで済ませてくれ、という事か。
やってきた名城線は途中の大曽根止まり。
環状系統の本数が多いイメージが強い路線なだけに、少し意外な気がした。
そして途中止まりの系統のためか、乗ってる客もやや少ないように思う。
志賀本通。
思えばこの駅の「古い佇まい」を初めて見た時から惹かれて、名古屋市営地下鉄に乗り続けているような気がする。
14時9分、平安通着。
僕を含めここで大半が降りたため、車内はガラガラに・・・
平安通~犬山
平安通から
普通|犬山
318
ひと駅だけの地下鉄路線と、そこへ乗り入れる名鉄のローカル線に乗る。
名城線からの乗り継ぎは比較的ラクだった。
それにしても、時間帯という事情を差し引いても全体的に閑散とした雰囲気だ。
名鉄300系の4連、ワンマン列車だ。
市営車(7000系)を期待していたがダメだった(笑)
13分、平安通を発車。
流すように走って15分、上飯田着。
地下鉄(上飯田線)はここで終わり、ここからは名鉄小牧線だ。
レールを軋ませながら走り、右に左にカーブの連続である。地上線だった頃の名残だとか。
程なく地上へ。そして味鋺(あじま)着。
国道302号と名二環、城北線をくぐって味美。
や、「味」のつく駅名が続く。そういえば、もうここは春日井市だ。
23分、春日井着。
JRにも春日井駅はあるが、私鉄駅であるこちらが繁華…という「よくある図式」はここでは成り立たず、名鉄駅は住宅地の中にあって静かなものた。
近くに名古屋空港があるのが特色か(但し接続しているのは空港の反対側にある犬山線の西春駅)
間内あたりまでは住宅地と言いながらも鄙びた感じだったが、それを過ぎて小牧口に来るとそれなりにベッドタウン的な風景になってきた。
トンネルに入り地下鉄みたいな雰囲気になって30分、小牧着。
都市化で駅が地下に追いやられたのだろうか。東京でも下北沢や調布のように地下化された駅が結構あるから、小牧もなかなかの人口稠密地域なのだろう。
ちなみに、ここから犬山までは単線区間となる。
小牧原で廃線になったビーチラインをくぐる。橋脚や軌道桁はまだ撤去されてないようで、姫路モノレールのような「遺構化」するのだろうか。
味岡には交換設備の準備工事を済ませたものの、線路を敷いていないこれまた「遺構」のようなものを発見。
もっと本数が増えれば交換設備になるのだろうが、当分は日の目をみなさそうだ。
田県神社前で平安通行きとすれ違い。
しかし、名古屋を出てまだ30分ほどだが、かなり長閑な車窓になってきた。
名古屋を「偉大な田舎」と揶揄する人がいるようだが、逆に僕は「メリハリのはっきりした街」だと思っている。
僕自身が神戸で生まれたという事もあるのだろうが、昔から山と街が隣接したロケーションほど住むのには楽しい街だと、常々感じている。
羽黒と過ぎて
信号場のようなところで停車。後で調べると「五郎丸信号場」というと事らしい。ここで平安通行きと行き違い。
私鉄のすれ違い型信号場ってかなり珍しい部類で、あとは西武に一例あるくらいか…(正丸トンネル信号場)
それを過ぎて再び街中に入り、
48分、終点の犬山着。
犬山~東枇杷島~上小田井
犬山から
特急|豊橋
3219
犬山駅。想像していたよりも大きかった。
岐阜からの各務ヶ原線、名古屋から特急や準急がやってくる犬山線、そして今乗ってきた小牧線・・・3路線も集まると、大きくなって当然か。
まさに鉄道の「要衝」だ。
やってきたのは新鵜沼始発の特急豊橋行き。
名鉄特急を代表する2200系・・・かと思ったら、並んだ所に停まったのは2両増結したの通勤型3200系。
特急車に乗れる、と思っていたら通勤型でちょっと肩透かしを食らう。でもなんだっていい。むしろこういう体験の方が面白い(負け惜しみ
15時6分、犬山発車。
通勤型は敬遠されてるのか、車内はガラガラだ。そして空いている分冷房も寒いくらいに効いてて嬉しい。
10分、柏森着。一人乗ってきた。
今乗ってる犬山線、意外と言うか直線区間が多い。
名鉄自体が買収に買収を重ねて拡張していった路線網を形成しているので、きっとこの犬山線もかつては別の鉄道会社だったのだろう。
後に調べると名岐鉄道という鉄道会社で、当時は岐阜の関と名古屋を高速で結ぶという「インターアーバン」構想を持っていたとの事。この線形も構想の一環、という事か。
14分、江南着。結構マメに停まる。
付近で名神高速をくぐる。
それまでの稲田ばかりの風景から、だいぶベッドタウン的な風景になってきた。
20分。岩倉で下車する。
涼しい車内からは離れがたかったが…、
岩倉から
普通|東岡崎
3166
容赦ない日差しがジリジリ照らす、岩倉駅ホームを徘徊していたら
4連の電車が入線。
ほんの数分前に岩倉止まりとしてきた列車が、引き上げ線に入って折り返してきた分だ。
列車が止まると作業服姿の乗務員が降りてきた。名鉄名物の「構内運転士」というやつか。車庫とか大きな駅での、列車の入換運転を専門としている運転士だ。
32分、岩倉発車。
途中、徳重という駅があって桜通線と接続?と思ったけど、全然関係がなかった。駅名の後ろに「名古屋芸大前」を付けているが、県外者にはやや紛らわしい。
38分、西春着。
名古屋空港への接続バスか出ているが、パッと見で飛行機に乗りそうな客はいなかった。
折り返し待機中の、地下鉄鶴舞線の電車を横目に見ながら上小田井着。
枇杷島分岐点(下砂杁信号場)を抜けて、
49分、東枇杷島着。
これにて犬山線完乗・・・と思っていたが、犬山~新鵜沼間を乗り忘れていた(笑)
また乗りに行かねば・・・
東枇杷島から
普通|犬山
3116
東枇杷島滞在2分で、犬山線の接続があったので乗車。
程なく
庄内川を渡る。東海道本線も見えたが特に列車は無く…再び枇杷島分岐点を過ぎて犬山線へ。
下小田井、中小田井と浦和状態の駅名が続き、
57分、上小田井着。
上小田井~赤池
上小田井から
普通|赤池
N3107
鶴舞線の列車は既に入線していた。
新型だと思ったが、車内の銘板を見て8年前の電車である事を知る。
逆に言えば、名古屋市の電車の「長持ち」度合が異次元の長さだった、という事か。
16時1分、発車。
程なく地下に入り、最初の停車駅・庄内緑地公園。
タイルの壁にラインカラーのタイルをはめていて、古さの中にこれ以上はなさそうなシンプルさで、利用者に路線名を伝えているかのようだ。
8分、浄心着。
車で走っていると、西区の入口といった感じの街並みであることを感じるが、地下鉄だとそういう雰囲気は皆無だ。
丸の内からは、用務客と思しきスーツを来たそれらしい客が乗ってきて官庁街を走っている事を実感する。
上前津あたりまでは景色を見ていたがいつしか居眠りしてしまい、気がついたら植田を出るところだった。
立ち客はほとんどおらず、シートにも空きがある。半ば「浦島太郎」状態であるが、そんな中でも微かに覚えてたのは御器所と八事でのドタバタした感覚。
乗換駅はそれなりに賑やか、ということか。
38分、原着。
壁の意匠が浄心や庄内通と似ているな・・・と思ったら、昭和52~56年に相次いで開業した線区だった。年次が近いと意匠も似てくる。
41分、終点の赤池着。
地下線の駅だが豊田市方を見ると、開口部が近いようでうっすらと明るい…
ちなみに乗ってきた列車は1番線入線なので、この後は車庫に入るだけだが線内折り返し便(上小田井行き)は隣の中線(2・3番線)に入線するので、乗り慣れた客は列車の動きで並ぶホームの位置の「最適解」を分析しているようだ。
赤池~豊田市
赤池から
普通|豊田市
111
ホームの蒸し暑さとは対照的に
名鉄の電車はホントに涼しい。
やってきたのは上小田井からの直通列車で、鶴舞線乗り入れのために増備された100系電車だ。
51分、発車。程なく地上に出て
地下鉄の日進車庫を見て日進着。
米野木、黒笹と進むが、
この名鉄豊田線は、やたらと高規格だ。
高架や盛り土で軌道部を構成しており、そして今のところ踏切がない。このシチュエーション、何か既視感があると思ったら先日乗ったJR湖西線に酷似している。
調べると豊田線が開通したのは1979年。湖西線は1974年だが、この時の技術を名鉄にも応用したのだろう。
中小私鉄の寄せ集めだった他の路線とは違い、
こうした池や田畑、山を真っ直ぐ貫いて作られた路線だ。鉄道建設公団の「意匠」が随所に見られる。
浄水。ここは逆に掘割の中に造られた駅で、その上の空間は有効活用されており、大都市の私鉄駅だがそのものだ。
犬山線でガタピシ揺られていたかと思うと、豊田線のように湖西線顔負けの近代的な路線がある名鉄の奥深さに、ますます惹かれる。
10分、梅坪着。
ここで豊田線は終わって三河線へ。といっても、列車は次の豊田市までだが。
ここで上小田井行きの市営車とすれ違う。
12分、終点の豊田市着。
豊田市と名古屋を「とにかく速く結ぶ」という命題を、求道的に解決した「最適解」を見たような気がした20分間だった。
新豊田~八草
新豊田から
普通|高蔵寺
2215
名鉄の豊田市から駅前のペデストリアンデッキを抜けて、愛知環状鉄道の新豊田へ。
僅か数分なので乗換駅といっても差し支えはないが、改修工事の関係でやや歩かされる。
コンビニで買い物を済ませホームに上がると、丁度やってきたところだった。
まさにJR東海の313系を色を変えただけ、といった出で立ちの2000系の2連+2連。おそらくラッシュ対策だろう。
27分、発車。
新豊田から二駅でこの長閑さ…
さきほど名鉄線に乗った時の春日井、犬山あたりの車窓とラップする。
保見、篠原…駅間が短いせいか、巡回していた車掌も最後尾に戻る間が惜しいのか、連結部の運転席にこもってドア扱いをしていた。
45分、八草着。ここで降りる。
八草~藤が丘
八草から
普通|藤が丘
123
リニモに乗り換え。
なんと言っても、ここでの見どころは
この軌道桁のポイント切り替えのギミック。
大阪モノレールあたりでも、似たようなギミックが見れる事は見れるのだが、リニモのこのギミックには負けるような気がする。
ほどなくして、藤が丘行きが入線。
入線した列車の最後尾の「展望席」を確保。
57分。発車
軌道桁の形状はかろうじて「鉄道」の面影を残しているが、一方で簡素な構造にジェットコースターのガードのような「軽い」感じもする。
遠くに見えるのは、瀬戸市の市街地。
瀬戸市の利用者がリニモを日常的に使うには距離がありそうだが、その気になれば車を使ってやってきそうだ。
18時1分。愛・地球博公園。
2面3線でここでの折り返し列車もありそうだ。大阪モノレールで言うところの万博記念公園駅といったところか。
芸大通で八草行きとすれ違い。
自動運転同士だが、この風景はまさに「鉄道」だ。交通モードが変わっても風景は似てくる、という事か。
7分、長久手古戦場。
ここでまとまった乗車があった。かつては戦国武将たちが「領地」を求めて入り乱れた古戦場は、現代では「生活」を求めてスーパーマーケットという戦場へ家族が入り乱れる。
杁ヶ池公園。
もうすっかり名古屋のベッドタウン的な雰囲気だ。
最後の停車駅・はなみずき通を出ると地下へもぐり、
15分、終点・藤が丘着。
リニモは無人運転という大きな特色があり、輸送システムを究極まで煮詰めるとエレベーターにも似たところまで近づけられる、ということの証左なのかもしれない。
藤が丘~栄
藤が丘から
普通|高畑
N1515
リニモから特に急ぐ事なく、普通に歩いて地下鉄の藤が丘駅着。
丁度高畑行きがやってきた。20分、発車。
夕陽がいい感じに車窓を彩る。
本郷、上社と過ぎて一社から地下区間に突入する。
東山公園で立ち客発生。本山で幾分かは減ったものの目立った動きはなし。つまりプラマイゼロ、ということか。
37分、今池着。
ここでまとまった降車があり、適度な乗車率に。
東山線は、名古屋の市街地の東西を真一文字に切って走っている関係上、どうしても混みやすい・・・というのは聞いていた。
他にバイパス線に相当する路線が桜通線だけというのも、混雑に拍車をかけているようだ。
42分、栄着。
名古屋の私鉄落穂拾い、今回はここまで。
【令和6年8月6日乗車】
【完乗】名古屋市交通局 上飯田線
鶴舞線
名古屋鉄道 小牧線
豊田線
愛知高速交通 東部丘陵線(リニモ)
名古屋市交通局 桜通線 太閤通~久屋大通 3.3km
名城線 久屋大通~平安通 4.8km
上飯田線 平安通~上飯田 0.8km
鶴舞線 上小田井~赤池 20.4km
東山線 藤が丘~栄 11.6km
名古屋鉄道 小牧線 上飯田~犬山 20.6km
犬山線 犬山~東枇杷島 24.9km
豊田線 赤池~梅坪 15.2km
三河線 梅坪~豊田市 1.4km
愛知環状鉄道 愛知環状鉄道線 新豊田~八草 12.5km
愛知高速交通 東部丘陵線 八草~藤が丘 8.9km
小計 124.4km
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