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WEB3って結局どうなの?最大級の業界イベントTOKEN2049で見たイマとこれから(1/3)

Dentsu Lab Tokyoの眞貝です。
今回はWEB3業界でも最大規模のTOKEN2049というイベントを通して、クリエイティブテクノロジスト視点で見たWEB3の現在地と可能性について、3回に分けて書いていきたいと思います。
やや長くはなりますが、WEB3ってNFTアートのなんかアレでしょ?くらいの人にこそ読んでほしいなと思います。
今回は視察の背景とTOKEN2049の紹介をしていきます。


なぜ今WEB3?

いっときの仮想通貨ブーム、NFTブームを過ぎて、ガートナージャパンの発表したハイプサイクル2024年版ではWEB3は幻滅期に位置付けられています。一方で、WEB3技術が一般的なコンシューマー向けサービスに活用される事例も登場しつつあり、生活のなかで目にするようになりました。

例えば、eSIMサービス「BNESIM」のサービス内のウォレットはSolanaチェーンを使用しているそうです。

ウォレットのスクショ。こういったデータを自社サーバに置かないのは色々メリットがありそう

また、日本ではメルカリ上でビットコインの購入・使用が可能になり、国内では最も口座数の多いサービスになりました。

このようにコンシューマー向けサービスレベルでも触れるようになってきたのであれば、業界の今を知るのは今後の社会への影響を予想するのに大いに役立つに違いない。
そんなわけで9月にシンガポールで開催されたTOKEN2049を見てまいりました。

視察に際して「どうしてもWEB3系のレポートはすでにNFT保有者とかの身内のお祭り感があったので、クリティカルな目線でWEB3の見取り図を書いてもらえるのであれば非常にありがたい。」との指示を受けていました。

筆者自身、今回の視察でDecentralizeの意義を初めて理解できたように感じるので、WEB3ってビットコインとNFTでしょ?という理解に止まらない全体感を、具体例にも少し詳しく触れながらお届けできればと思います。

TOKEN2049について

■概要

https://www.asia.token2049.com/

TOKEN2049は公式によると世界最大の暗号業界イベントとのことです。2024年のシンガポールでの開催は9月18−19日でした。2万人以上の来場者、300人以上のスピーカー、400社以上の出展があったそうです。

TOKEN2049は、暗号化エコシステムの意思決定者がアイデアを交換し、ネットワークを構築し、業界を形成するためのグローバルな会議シリーズです。これまでのイベントは、デジタル資産の主要都市で開催されてきました。最新のイベントは、半年ごとにドバイとシンガポールで開催されています。

TOKEN2049ウェブサイトより

このイベント単体でもそれなりな規模があるのですが、さまざまな主催者によるサイドイベントもTOKEN2049 WEEKという形で開催されていました。こちらは9月16−22日の間で開催されました。非常に多くのサイドイベントが開催されており、それだけでも業界の活力を感じます。

サイドイベントのリスト。800件近くあり見るだけで大変

今回はそのうちの一つ、InnoBlockにも参加してきました。そちらの情報も含めたレポートをしていきます。

■イベントの様子

イベントは多くのカンファレンス同様、企業のブース出展とステージでのパネルディスカッションやスピーチが中心です。

マリーナベイサンズにある会場。複数フロアに渡っており、かなり広い
最も聴衆の多かったTOKEN2049でのヴィタリック・ブテリンのスピーチの様子
天空の城ラピュタの主題歌を歌う陽気な人でした

展示ブースはちょっと独特で、出展の多くがデジタル上のサービスやプロダクトなので、ほとんどのブースが虚無を展示していました。

しかしブースに足を止めてもらう必要があるので、多くのブースがノベルティを配るためにクレーンゲームやルーレットなどで人を集め、Telegramなどでのコミュニティに参加させたり、メールアドレスを登録させるということを行っているようでした。

基本的に商談カウンターくらいしかない展示ブースが並んでいる
山積みのTシャツ。歩き回っていると一生分のTシャツが手に入るので、
服がなくて困っている人におすすめです
別会場のInnoBlockも、同様に虚無の展示が多い

■参加にウォレットは必要?

イベントを見て回っている中でウォレットを使う必要がある場面は少なく、一部の企業のサービスの体験(第3回の記事で紹介)とGoogle CloudのブースでPOAPを配っている程度で、いっときブームになったようなスタイルのNFTアートのプロジェクトは見かけませんでした。(見落とした可能性はありますが、少なくとも目立ってはいませんでした)。ですので、ウォレットはマストではないが持っていた方が良い、くらいの感じでした。

NFTに関して言うと、サービスの中できちんと必要だから使われているものが主だったかと思います。サイドイベントでAZUKIのファンミーティングもありましたが、AZUKIのNFTを持っていなくても入れるイベントとなっていて、内輪っぽさはなくきちんとIPとして育てようという意志を感じました。

全体としては、フィンテックを含む純粋に技術としてのWEB3についての展示やトークテーマを扱っているという印象で、話題も多岐に渡っており、業界の全体感を掴むという目的に合ったイベントでした。

Google CloudブースのPOAP
一応MINTしましたが、正直ちょっとこれ持ってるの恥ずかしい気もします
AZUKIのイベントの様子
パリピイベントぽかったようなので筆者は行けても辛かったかもしれません
https://x.com/azuki_singapore/status/1839848415800504413

今回はここまで。
次回は現地で印象的だったもの・ことについて紹介していきます。
WEB3って結局どうなの?最大級の業界イベントTOKEN2049で見たイマとこれから(2/3)


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