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思考ツールとしてのジャグリング

藝術家であり、ジャグラーであり、Dentsu Lab Tokyoプランナーの小野澤です。
高校在学時から人前にたち、大学ではプロのジャグリングパフォーマーをしていました。今もSNSにアップしたり、時折ショーに出演しています。

さて、このnoteでは技の凄さや技術について語るつもりはなく、ジャグリングという "考え方" についてまとめてみたいと思っています。

私にとってのジャグリングは、言葉で綴るとこんな感じ。

「特定の物体や行為を深く探求し、その扱い方を自在に調整することで生まれる非日常的な姿に面白さを見出す哲学」

言葉が硬い、、。すみません。
映像事例をいっぱい持ってきたので、そちらもお楽しみいただきながらお付き合い頂けましたら幸いです、、!

1つ目はこちら。

2012年のジャグリング全国大会優勝者の演技です。
冒頭3分、彼が用いているのは何の変哲もないビニールボール。
ボール1つと身体だけでここまで動かし方を探求し、体現できてしまうものなのか。我々とは異なる重力や摩擦の使い方をしているとしか思えぬ滑らかさです、、。

2つ目はこちら。

ガムテープだけの映像作品。音楽もガムテープの音から作成されている。
これは本当に凄まじい研究ですよ。目から落ちた鱗だけで魚が作れそうな勢いで「扱い方」の発見が飛び込んでくる。

3つ目。

卓球道具の新しすぎる使い方!
競技用具が音楽に、パフォーマンスに、芸術に超進化!!!
ここまでの完成度を見せられてしまいますと、本来スポーツ道具であることすら忘れてしまいます。あぁー、良い。。。

これら3つは全てジャグラーの動画でした。さすがはプロ。
ではこのようなテクニカルな身体妙技ではない形で、ジャグリングの視点はどう昇華できるか。
次は、全く別の視点から生まれたはずですが、
私的にジャグリングにしか見えない映像を紹介します。

いやーーー。これはジャグリングですよ(笑)
この映像で描かれるのは「カード交換」のみ。
しかし、カード交換の“仕方”のアイディエーションが爆発している。
扱い方をこれだけ美的にプレイフルに描き切った制作チームの皆さま、
素敵です。大好きです。何度見ても鳥肌です。

最後に私が作った作品「Movement act」を紹介させてください。

土台表面との摩擦や発射間隔、スピード。
調整に調整を重ね、16個のボールを動かし続けることに成功しました。
肉体パフォーマンスではなく、"美術作品"としてジャグリングを形にすることで、冒頭の私のジャグリング哲学を表現したかったのです。

通常とは異なる動かし方や集団行動のさせ方、形の可能性や扱い方を探求することは、非常に知的で美しい営みだと考えています。
このようなジャグリング的視点は、作品や企画のアイディアに活用できるだけでなく、日常を面白く再観察するきっかけを創ってくれます。

モノの動かし方のアイディアが欲しい方。
モノの間違った使い方を探している方。
モノの新しい見え方を求めている方。
お力添えできる眼差しを持っていると思いますので、お声がけいただけましたら幸いです。一緒にジャグリングしたい方や、もっと色んな動画を観たい方もぜひ!

最後までお読みいただき感謝申し上げます。

【筆者プロフィール】
小野澤峻 | Shun Onozawa
1996年群馬県生まれ。
14歳でジャグリングを始め高校在学時に全国3位に。
表現に興味を持ち東京藝術大学美術学部に進学。
先端芸術表現科を学部・院ともに首席で卒業。
2021年には世界を変える30歳未満30人を表彰する「FORBES 30 UNDER 30 JAPAN」選出。

ジャグリング動画を沢山アップしてるので、もしご興味ありましたら覗いてみてください!
https://www.instagram.com/shun__z/




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