新しいカリオロジー
久しぶりに医療についての記事です。
一般の方には、おそらくあまり需要の無い記事を書きます。ニッチな内容です。
どうも勤務歯科医師のかずぴんです。
本稿は以下の内容についてです。
私の考える、カリエス(虫歯)発生のメカニズム
・私の考えるカリエス発生の機序
まず、一番の原因は、細菌、いわゆる虫歯菌の存在です。口腔内細菌の酸性代謝産物がエナメル質を溶解します。
しかし、カリエス発生を決定する最もたる因子は、「力」であると考えます。
すなわち、外部・内部から発生するあらゆる力が歯牙構造を物理的に破壊し、マイクロクラックを生じさせます。クラックは細菌にとっては十分に侵入可能な十分な幅を持った「穴」です。瞬間的に発生したクラックに瞬時に細菌が侵入しクラック底部で酸を産生しカリエスが発生します。
外部からもたらされる力としては、外傷、事故、寝相、姿勢などにより加わる力などがあります。
内部からもたらされる力としては、歯ぎしり、食いしばり、タッピングなどのTCHがあります。
私見ですが、現在の歯科医療界では力の問題はそれほど注視されておらず、また、発生した歯科疾患にどう対応するか、結果に対する対応が重んじられているようなむきがあるように感じます。
いかに美しい補綴を入れるか、術前後のティッシュマネジメント、形成テクニック、充填手技、など。
しかし、力をいかにマネジメントするか、これがこれからの歯科医療を牽引するキーワードになってくると考えています。派手さはないですが、寝相指導、TCH防止指導、ナイトガード、咬合調整などがクローズアップされてくるでしょう。
以上、私見でした。