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役に立つ古典/安田登 読書感想文

能楽師でもある安田登さんが「古事記」「論語」「おくのほそ道」「中庸」の要点を分かりやすく解説。

この人の経歴がまず面白い。高校で教師をしていた時に出会った能に魅せられ能楽師になり、ARやVRにも造詣が深くゲームの監修もして、ボディメイキングの専門家でもある。

ほぼ全編へぇ〜、なるほどなぁ、でした。
特に面白かったのが「論語」のところ

漢字の誕生は紀元前1300年ごろで、そこから300年ほど経った紀元前1000年頃に、因果に関係する漢字が生まれました。因果によって「時間」の考え方が生まれ、それまでは「固い」という意味で使われていた「古」の文字が、このときはじめて「故(だから)」という意味で使われました。「固」にも「故」にも「古」という文字が入っているでしょ。「古」が「故」という意味で使われるようになって、はじめて「過去にこういうことがあったから、いまはこうなってる」という記述が可能になり、そこに「論理」が誕生し、因果が生まれました。逆に言えば、それまでは論理も因果もなかったのです。

過去の考え方が出来たから、「現在」「未来」という考え方が誕生した。

実はこのとき生まれた大事な漢字がもうひとつあります。それは「心」です。この「時間」と「心」の誕生は、人々に明るい未来を与えました。殷の時代に生贄として人狩りの対象にもされていた「羌」と呼ばれた人たちは、次の周の時代を作る際の大きな勢力になったと考えられています。
これは彼らが「心」を獲得したことによって、それまであきらめていた「生贄」としての地位からの脱出を試みた結果ではないでしょうか。それまで「変えることができない」と思っていた未来を、変えることができるようになったのです。
「心」という文字がなかったときには、心を部首とする漢字もありませんでした。たとえば「悲」、たとえば「悩」など。悲しみや悩みなどの心を部首とする文字によって表現されるこれらの感情は、時間があってはじめて存在し得る感情です。

これらの不安の処方箋として論語や宗教が出来た。ただこの処方箋の効き目がなくなってきた。だからそろそろ違う処方箋(概念)が生まれてもいいのではないか。
と、違う本で書いてました。

「心」や「時間」並の、違う概念が今から生まれる??楽しみでしょうがない!

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